お笑い初期衝動

10.簡単に入れる！？

あれは何年か前の、『EXテレビ』という深夜番組。
その日の放送は、当時、次世代の若手芸人としてブレイクしかけていたよゐこさんに密着した回だった。

番組内で、「なぜ松竹に入ったんですか？」という問いが、よゐこさんに投げかけられた。
関西のTV業界は、東京以上に圧倒的な吉本の独占市場なのに、わざわざ大阪の松竹に入ったのはなぜなの？という意図の質問である。

これに、よゐこさんはこう答えていた。

「松竹に入りたいんですけど」って電話したら、「うん、いいよ」と言われたんで、入りました。

つまりは、「松竹は簡単に入れた」と、TVの中のよゐこさんは言っていたのだ。

もしかしたら、バラエティ的に盛ったエピソードだったのかもしれない。
が、その真偽のほどは、もはやどうでもよかった。

僕も全く同じように、松竹芸能に電話を入れてみようじゃないか！

そう思った。
それでどうなるかは、行動してから考えればいい。恥をかいたっていい。
サラリーマンをやめた僕にとって、もはや捨てるものなどないという感覚であった。

重要なのは、芸人になるスタート地点が見つかったということ。
そのスタート地点は、果たして幻か実在するものか！？

それは行動にうつしてのお楽しみだ。