お笑い初期衝動
8.NSCの存在
弟子入りはせず、師匠をもたない芸人活動で。
と考えたものの、その芸人活動をどうスタートさせたらよいものか、まだわからないままであった。
唯一、"NSC"というものの存在だけは知っていた。
いわゆる、吉本興業の養成所である。
とりあえずここに入ってみるという手はあるのだが、僕はそれもためらっていた。
なぜか。
「NSCに入るには40万ぐらいはお金がいる」というのを、雑誌の情報でなんとなく知っていたからだ。
40万のお金などない。
死ぬほどバイトして40万貯めてからNSCへ、というやり方もあるにはあるが。
僕は早くお笑い活動を始めたかった。
お金を貯める為に何ヵ月もバイトに専念する期間をつくるなんて、想像しただけでまっぴらごめん。
ただでさえ、意味なく大学いって、意味なく就職してる身である。
僕は、これ以上遠回りはしたくないという気持ちが強かった。
ここをポチッとすると、ボクをサポートできるんだって。 うっふん。