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お笑い初期衝動
51.宗教対立のようなもの
田中三球は、川田の悪口を言いまくる。
そして僕も、ドルバッキー(川田とのコンビ)時代のストレスがあったため、田中三球の発する川田批判に、自然と意気投合することが多くなっていった。
陰口状態になってることの罪悪感は若干あったが、お笑いはサークルではない。仲良しごっこでもない。
己のポリシー・お笑い観でもって、多少の対立関係が生まれるのは仕方がない面もある。
少し大袈裟な言い方をしてみよう。
お笑い観の違いからくる対立というのは、ある意味、宗教対立みたいなものなのだ。
例えば、ダウンタウンを神としている者と、ナイナイを神としている者とでは、“お笑い聖書”がまるっきり違い、討論すればするほど噛み合わなくなるのが必然なのだ。
ましてや、お笑い始めたての芸人は、圧倒的に経験が少なく、圧倒的に身の程知らず。
それ故に、「自分の考えこそが正解だ!」と過信的に思い込んでしまうことも多々ある。
しかし。対立するほどのその熱量こそが、時に、頑張れる最大のエネルギーにさえなり得ることもあったりして。
何が正解かはわからない。
自分の中の正解を、どれだけ極めることができるか。
つまりはそういう勝負を、僕達はしているのかもしれない。
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