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お笑い初期衝動
105.煮汁の2人バージョンとは
「煮汁の2人バージョンやろうか。」
既に"煮汁"のことを覚えてる読者は、少ないかもしれない。
煮汁とは、僕・田中三球・ドクター河合の3人でやっていたトリオだ。
僕はこの煮汁というトリオにおいて、ネタ見せでインパクトを見せつけ、初舞台を勝ち取ったのだ。半年ほど前の話だ。
※その頃の話
↓ ↓
お笑い初期衝動|奥山ツンヂ|note
煮汁のネタの形はこう。
ドクター河合がセンターに黙って仁王立ち。
その両サイドに僕と田中三球が立ち、交互にドクター河合をイジっていく。
僕と田中三球は、これを2人バージョンでやろうと考えたのだ。
それがどんな形かというと。
ドクター河合はいないので彼イジるのではなく、僕と田中三球が2人で交互にイジり合う。というものだ。
元々、ドクター河合はオチ以外は何もセリフがなく、じっと仁王立ちしてるだけで、動きもほとんどない。
であれば。彼がいなくても、ひょっとしたら2人でもできるのでは?と考えたのだ。
果たしてこの考えが良いのか悪いのか。
絶賛迷走中の僕達には、もはや冷静な判断ができなかったのだが。
しかし、今はこの思いついた案を信じるしかない。そう思った。
「そうや。煮汁はそもそも俺ら2人で考えたネタやし、2人でやればええよな!」
「あいつ(ドクター河合のこと)、セリフも動きもないんやから、別にいらんやんな!」
僕達は、この案を正当なものとするための理屈を、お互い精一杯言い合った。
それは、不安をかき消したい表れそのものだった。
「ひょっとして俺ら、今とんでもなく間違った方向に向かってるのかも…。」
そんな、頭の片隅に残る悪い予感は、お互いに決して口にはしなかった。
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