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お笑い初期衝動

58.大爆笑以上の価値

3人でのネタがウケた!

ウケたと言うと、大爆笑を想像するかもしれないが、それとはまた微妙に違う。
なんというか、むしろ大爆笑以上の価値を感じる、そんな手応えだった。

養成所なので、一般のお客さんはいない。
ネタを見てるのは、他の芸人達と、ネタ見せ担当社員木佐さん(仮名)。

僕達は誰もやらないようなタイプの異質なネタをやったことで、「おもしろい」だけではなく、同業者に「やられた!」と思わせることができた。

よくある設定、よくあるボケ、よくあるツッコミをやってる芸人さん達が一瞬で凍りつく。その氷の音までも聞こえてくるような感覚だった。
周りの芸人達が「これは自分達にはできないな…」と心の中で3歩下がるのも見えた。

この空気。率直に言って、、

快感だった。


ネタ見せ担当社員の木佐さんからは、「せんたくばさみ(3人組の先輩芸人)もいいけど、こっちもおもろいな」と言われた。
下剋上でのし上がらねばいけない世界で、先輩芸人と名前を並べて評価されたのは嬉しかった。

周囲の何人もの芸人から「シュール」と評された。
それまで1回も喋ったことのない先輩芸人からも、しばしば話しかけられるようになった。

そうか。おもしろいと思ってもらえたら、自然と周りは話しかけてくれるもんなんだ。。

ネタ見せで各々の発するネタのセンスを見て、「こいつなら話が合いそうだな」とか感じて、自然とコミュニケーションが起こる。
ネタ見せは、「僕はこういう笑いが好きなんです」という、ある意味センスの自己紹介の場であった。



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