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お笑い初期衝動

先週土曜に1年ぶりの主催ライブをやりました。(盛り上がりました!)
その準備等でバタバタして、こちらの更新が1週間も空いてしまいました。
改めまして、不定期連載の『お笑い初期衝動』を宜しくお願い致します。


50.どちらが論外?

養成所に入ったばかりのとき。
ネタ見せの後に、同期みんなでマクドナルドに行ったりしていた。
そこで、自分のお笑い観なんかを喋りながら、相方を誰にしようと探っていた頃。

川田が田中三球に対し、「俺は田中とコンビ組むのはないな」と、口走ったことがあった。

田中三球は元々、ネタ見せのときに声が震えてることがあるぐらいのあがり症で。
役者としての舞台経験が豊富な川田は、田中三球のそんな姿を見て、論外だと思ったのだろう。

しかし言われた方の田中三球は、内心相当頭にきてたようで。

「あんなおもんない奴(川田のこと)なんか、こっちが願い下げじゃ!!」と怒りをあらわにしていた。

そして僕から見ると、確かに川田の方が田中三球よりもお笑いのセンスは下であった。


いくら田中三球の声が震えていようが、話してる内容をよく聞けば、彼の世界観がわかる。
何をおもしろいと感じ、何をおもしろくないと感じているか。そこがお笑いセンスというもので。
田中三球は伝える技量がまだ足りないだけで、彼の脳内で描かれている世界観には、キラリと光るものを僕は感じていた。

一方、川田のセンスはというと。
失礼ながら、僕から見ると、非常に平凡なものに思えた。
普通の一般人となんら変わらない。いわゆる“斜めから物事を見る”という世界観が全く感じられなかったのだ。

また、なにげない雑談をしているときでも、やはり川田よりも田中三球の方がワードセンスを感じた。

実際、田中三球本人も「川田よりも俺の方がセンスがある」と自覚していて。
自身のお笑いセンスに対してのプライドにかけて、怒りまくっていたのだ。

極度のあがり症を論外と思うか、極度のセンスの無さを論外と思うか。
同じ芸人を志す者でも、見方が全然違うものである。




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