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お笑い初期衝動

11.N君の行動力

サラリーマン時代の元同僚N君に、「お笑い芸人になろうと思ってる」と打ち明けてみた。

N君は少し驚いてはいたが、冒険心のあるノリのいい男であったので、「おう、ええんちゃう?」と言ってくれた。

「よゐこが松竹に電話したら、簡単に入れたらしくて。同じように電話したら入れるんかなぁとか思ってて‥」と僕が言うと。

その数日後、N君はさっそく浪花座の割引入場券を2枚持ってきた。
浪花座とは当時の松竹の劇場で、吉本でいうところの花月である。

「これ金券ショップで買ってん。観に行こうや。」とN君が言う。

僕はその時はまだ浪花座が何なのか、その存在すらよくわかってなかった。
が、とにかく行動を起こせば起こすほど、何かおもしろい展開になっていくような気がした。

N君も元来「動いてから考えようぜ」ってな感じの、まずは行動をというタイプ。
ここはN君のノリのよさでもって、更に自分の背中をおしてもらうのもアリだと思った。


僕達はすぐに浪速座に足を運んだ。



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