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ハゲる飲み物、1日1回でもコミュ、成績上がる部活、見た目で将来の健康を予測するetc.

ハゲる飲み物

砂糖入りの飲み物ばっか飲んでるとはげるぞ!みたいな研究が出ておりました。

こちらは18~45歳の若めの男性1028人を対象にした研究で、特定の飲み物の摂取量と脱毛の関連を探ってます。さらに、血液検査や頭皮の写真の評価も行ったりとか。その結果、

  • 甘い飲み物を1日に500ml以上飲む人は、飲まない人に比べて、脱毛を報告する確率が約2倍高かった

  • 特に、カフェイン入りの飲み物ほどこの関連が顕著だった(カフェインが血管を収縮させて血流を悪化させることで、毛根に栄養が届きにくくなるためだと考えられてる)

  • また、甘い飲み物を多く飲む人は、インスリン抵抗性や炎症マーカーが高かった(血糖値を急激に上昇→インスリン分泌が過剰→インスリン感受性が低下→男性ホルモンの分泌や代謝にダメージ→毛が抜ける)

だったらしい。まあ因果関係は謎だし女性にも当てはまるかとかは分かりませんけど、毛包細胞が体内で番目に分裂の速い細胞であることととかを踏まえても、毛にとってバランスの取れた栄養は大事なのは想像に難くないですわな。

1日1回の会話でもメリットはでかい

一日一回友達と会話するだけでも一日の終わりには幸福感が増し、ストレスレベルが下がるぞ!みたいな研究が出てまして、一日に一言も発しない日もざらにある私としてはドキッとしました。

この研究ではCovid-19パンデミックの流行前、流行中、流行語に900人以上の参加者を対象に以下の7つの「質の高い」コミュニケーションが人とのつながりや不安感、幸福感、孤独感、一日の質の評価にどう関連してくるのかを探ってます。

  • 会話のキャッチボール

  • 有意義な会話

  • 冗談を言う

  • 気遣いを示す

  • 傾聴

  • 相手とその意見を尊重する

  • 心から褒める

その結果、

  • どのスタイルの会話でも、質の高いコミュニケーションは幸福感や一日の質の評価等と正に相関していた

  • この関連は、コミュニケーションの回数が一日一回でも確認された(多い方が効果はでかいけど)

  • また、オンラインよりも対面での質の高いコミュニケーションの方が幸福感の上昇に与える影響が大きかった

  • 中でも質の高いコミュニケーションは人とのつながりの感覚の上昇やストレス軽減の効果が大きく、コミュニケーションが所属欲求を満たすことで、メンタルの向上に寄与する可能性が示唆された

って感じだったらしい。というわけで、私も今日から一日一回オープンマインドで相手と深い話題や感情を共有するように意識してみようかと。

芸術系の部活に入ると主要5科目の成績も上がる説

吹奏楽部や美術部みたいな部活動っていろんな科目の成績アップにもつながるんじゃない?みたいな研究が出ておりました。

こちらは日本の中学生488人が対象で、うち229人が女子生徒となってます。研究デザインとしては、中学1年生の時と3年生の時に学業成績(主要5科目の合計)を調べて、音楽や美術に関わる授業外の活動との関連を調べてます。で、家庭の社会経済的な地位等を調整した結果、

  • 美術および音楽活動のいずれも全体的な学業成績アップと関連していた

  • しかし、詳細に分析すると、1年目には学業成績に対してマイナスに働いており、3年目になるとプラスに働くことが分かった

って感じだったらしい。芸術的な活動は単にスキルを身に着けるだけでなく自己表現につながるなどの観点から認知にもナイスな効果をもたらすよねーってことは以前から言われてきたことですけど、主要5科目にもポジティブな影響を与えてくれるってのは面白いっすね。

1年目にはマイナスの影響が出ちゃう原因は謎ですけど、特に吹奏楽部とかは活動頻度が高すぎて学習に手が回らなくなっているのでは?逆に3年目にもなると慣れてきて勉強と部活のバランスをうまく図りながら芸術活動のメリットも享受できているのでは?みたいに考えられておりました(本研究ではどのくらいのエンゲージメントだったかとかは調べられてないけど)。

てことで、お子さんのいる方は音楽とか美術系の道も提示してあげると成績もアップしてよさげかもしれません(のめりこみすぎないようにバランスをとってあげることも大事)。

外見の魅力は10年後の健康を予測する

身体的な魅力と健康の関連を調べた縦断的な研究が出ておりました。これまでも美男美女は健康度も高く見られがち、みたいな心理学研究はありましたけど、客観的なマーカーを使って長期的な関連を探ってる点で非常にユニークっすね。

具体的には全米の青年を代表するAdd Healthのデータセットを使って、外見の魅力度と10年後の心代謝リスクの関連を分析してます。心代謝リスクは血圧や血糖値、コレステロール値などを測定して算出したんだそうな。

で、社会経済的地位(学歴、職業、収入)、性格特性、知能、自己評価による健康状態、参加者が報告した慢性的な健康状態、BMIなどの要素を調整した結果、

  • 平均以上の魅力があると評価された人は、平均的な容姿と評価された人に比べ、10年後の健康状態が有意に良好だった!

って結論を得られたらしい。健康に関わりそうな様々な予測因子を考慮しても、魅力的と評価された人は心代謝リスクが低かったってのが大事なポイントっすね。

ただ、ブサイクが必ずしも健康にとって不利に働くかというとそうでもなくて、実際今回の研究でも、

  • 非常に魅力的でないと評価された人は、10年後の心代謝リスクが低かった

って結果が得られてたりします。メカニズムは全く持って不明ですけど、イケメンとブスメンが異なる経路で健康を実現しているとか考えてみるとなかなか面白いっすね。

まあそうはいっても身体的な魅力を操作するのは難しいですから、今回の研究から我々が得られる教訓としては、生活習慣を見直しときましょう、といういつもの落としどころになるわけですが(身体的な魅力の高さも喫煙や運動習慣が媒介して健康状態の改善に資する可能性も指摘されてる)。

結局昼寝は脳にいいのか?

昼寝と脳の健康の関連については賛否両論あって、例えばアルツハイマーに関しても、昼寝がリスクファクターになるってデータもあれば予防の役割を担ってくれるなんてデータもあってまだまだ結論が出せる状態ではないわけです。

そんな中で最近出てたデータでは、おなじみメンデルランダム化(遺伝子型に基づいて因果関係を推定する方法)によって昼寝と脳のボリュームを比較してくれていて、参考になりました。

こちらは英国バイオバンクから約40万人の成人のデータを分析したものとなっていて、昼寝に関わる92の遺伝的変異が脳のボリューム、海馬のボリューム、反応時間、記憶力に与える影響を評価した結果、

  • 昼寝をしがちな遺伝子を持つ人は、脳のボリュームが大きく、これは2.6~6.5年の脳の老化に相当していた

だったらしい。まあこの研究では昼寝の定義もあいまいだし、昼寝をしている人を直接評価したわけでもないしで、限界も多いですけど、昼寝はすべき!派に一票加わった感じですかね。

個人的には相変わらず、「夜の睡眠が不十分なら昼寝をとった方がいいんじゃない?」ってスタンスですけど、気になる方は昼寝の習慣をつけてみてもいいかもしれませんな。

畏敬の念と強烈なストレス下でのレジリエンス

畏敬の念がすごい!ってのはよく言ってることですけど、最近の研究では畏敬の念はCovid-19下でのレジリエンスも高めてくれるぞ!みたいな内容になってました。

念のため確認しておくと畏敬の念ってのは、自然や芸術などに触れて感じる、美しさや素晴らしさに圧倒される感情で、自分よりも大きなものにつながっているという感覚を生み出してくれるあれですな。

この研究では、COVID-19パンデミックの初期段階において、米国の成人170人にオンラインでアンケートを行って、みんなの宗教性、畏敬の念を感じる頻度、COVID-19に関する不安やストレス、レジリエンス(困難な状況に直面しても適応し、成長する能力のこと)などを測定してそれぞれの関連性を評価したらしい。その結果、

  • 畏敬の念を感じる頻度が高い人ほどレジリエンスが高く、COVID-19に関する不安やストレスが低かった

  • また、この効果は宗教性とは無関係で、畏敬の念は宗教的な信仰とは別の要因としてレジリエントに寄与していることが示唆された

だったらしい。要するに、"畏敬の念を感じることが多い "とか "自然の美しさを圧倒される機会が多い "みたいな記述に同意する人は、"COVID-19の危機による変化にうまく適応できている "や "COVID-19に関連するストレスに対処することで強くなった "といった記述にも同意する傾向が強かったんだとか。

ってことで、Covid-19に限らず、強いストレスに曝されがちな人は畏敬の念を感じる機会を増やしておくとよいかもです。最近ではタブレットで壮大な自然を感じるだけでも畏敬の念を感じられることが実証されてますし、とりあえず頻度を増やしていただくのがよろしいではないかと。

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