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ヘッドパーツ規格の覚え書き

自転車をフレームからバラ完で組むときに直面する最大の難関はヘッドパーツ規格。今回は必要なヘッドパーツを選ぶまでの流れに沿って説明します。

参考資料
https://www.cb-asahi.co.jp/contents/category/howto/variation_head/
https://www.hozan.co.jp/mechanic/mechanical_advice/repair_help/page4.html
http://www.raleigh.jp/Image/Info_top/space/740.gif
https://www.diatechproducts.com/download/data/canecreek/headset-info.pdf
この4つの記事を読めばだいたいは分かります

ヘッドパーツを選ぶのに必要なものは
「フレームのトップ内径」
「フレームのボトム内径」
「フォークコラムの径」
「クラウンレース径」
の4つです。

ヘッドパーツ

図ではトップ内径=ボトム内径、コラム径=クラウンレース径になっていますが最近のはテーパー(上下異形)なことが多いのでこの4点が必要です。

フォーク側の規格について​

フォーク側はほぼ規格が統一されています
①ノーマル 1'' 
コラム径=25.4mm
クラウンレース径=26.4mm
②オーバーサイズ 1-1/8''
コラム径=28.6mm
クラウンレース径=30.0mm
③スーパーオーバーサイズ 1-1/4''
コラム径=31.8mm
クラウンレース径=33.0mm
④1.5(ワンポイントファイブ) 1-1/2''
コラム径=38.1mm
クラウンレース径=39.8mm

フレーム側の規格

問題はフレーム側です。各社作った規格が無限に存在します
まず大きく4つに分類できます
・スレッド
 フォークにネジが切られている。ママチャリ、競輪フレーム、ビンテージなフレームに採用
・アヘッド(プレスフィット)
ヘッドパーツを圧入します。ベアリングはヘッドチューブの外に位置します。クロモリフレームとかに採用
・ゼロスタック(プレスフィット)
ヘッドパーツを圧入します。ベアリングがヘッドチューブの中に位置します。ヘッド剛性が必要なMTBとかに採用
・インテグラル
ベアリングを’’置く’’。最新のロードバイクとかに採用

「ノーマル」と「アヘッド」は径(後述)が同じであればフレームへの互換性があります。

スレッド・アヘッドとゼロスタックは外見はほとんど同じです。一目でわかるのは「スレッド・アヘッド・ゼロスタック」か「インテグラル」かという区別です

画像2

          図2 スレッド・アヘッド・ゼロスタックの形状

スクリーンショット (304)

                                         図3 インテグラルの形状

フレーム側の径

①スレッドとアヘッド
スレッドとアヘッドはフレームの内径が同じです
1"=30.10mm
1-1/8"=33.95mm
1-1/4"=36.95mm
1-1/2"(1.5)=49.61mm

②ゼロスタック
1"=41.40mm
1-1/8"=44.00mm
1-1/2"(1.5)=55.95mm

③インテグラル
インテグラルタイプはフレームにヘッドパーツが付属している場合が多いことと、規格が多岐に渡るため、詳細を確認してください。以下では主流のものについて触れています。
インテグラルで現在主流のものにはケーンクリークタイプとカンパニョーロタイプの2種類があってそれぞれベアリングの角度とシールの色が違います
①CaneCreekタイプ 36°/ 45° ブルーベアリングシール
②Campagnoloタイプ 45°/ 45° ホワイトベアリングシール

さらにヘッドチューブの内径は主に以下のようになります
1"=38.15mm
1-1/8"(ケーンクリーク IS41)=41.10mm
1-1/8"(カンパニョーロ IS42)=41.80mm
1-1/4"=47.00mm
1-3/8"=49.10mm
1-1/2"=52.10mm

これで一通りの規格・径の説明は終了です

ヘッドパーツ確定フローチャート

ヘッドパーツフローチャート (2)

このフローチャートにしたがってヘッドパーツの種類を確定したら、上の内径一覧と照らし合わせながらヘッドパーツを選びます。ここからは具体例で考えましょう。

実践編

例1
トップ内径44mm →ZS(ゼロスタック)
ボトム内径56mm →ZS
コラム径28.6mm→1-1/8"
クラウンレース径40mm→1.5
(コラム径が1-1/8"でクラウンレース径が1.5のフォークを1.5 テーパードと呼びます)

この場合以下のようなヘッドパーツが使えます

画像5

  Chris King INSET2    上:44mm + 下:56mm Press-in Cup / 1.5 Tapered Fork

例2
トップ内径44mm
ボトム内径44mm
コラム径28.6mm
クラウンレース径40mm
これはゼロスタックの44mmのフレームに1.5テーパードのフォークを入れるという場合です。この場合ボトムのヘッドセットがZSだと狭くてフォークが入らないので上はZS44mm、下はアヘッド(EC)の44mmになります

この場合以下のようなヘッドパーツが使えます

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Philwood 1.5 tapered headset ZS44/28.6(UPPER) EC44/40(LOWER)

例3
トップ内径41.80mm→1-1/8" IS42
ボトム内径52.10mm→1.5 
コラム径28.6mm→1-1/8"
クラウンレース径39.78mm→1.5
ボトムのベアリング角度が36°/45°だとすると

この場合以下のようなヘッドパーツが使えます

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FSA NO.42/48/ACB 1-1/8" 45°/45° ACP 1.5 36°/45° ACP

例4
トップ内径 34mm→1-1/8"
ボトム内径 34mm→1-1/8"
コラム径 28.6mm→1-1/8"
クラウンレース径 28.66mm→1-1/8"

この場合以下のようなヘッドパーツが使えます

画像8

Philwood external headset 1 1/8"


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