坂本龍一さんと電子音楽

たまたま入った町田市の書店・久美堂で手に取った書籍をパッと開くと書かれていた一節(坂本龍一さん著『音楽は自由にする』(新潮文庫)所収)。

「電子音楽に興味を持っていたのは、「西洋音楽は袋小路に入ってしまった」ということのほかに、「人民のための音楽」というようなことも考えていたからなんです。つまり、特別な音楽教育を受けた人でなくても音楽的な喜びが得られるような、一種のゲーム理論的な作曲はできないものかと思っていた。作曲は誰でもできるはずだ、誰でもできるものでなくてはいけないはずだ、と思っていました」

私がちょうど、Sonic Pi というRubyを書いてプログラミングしながら作曲できるソフトのようなものを、またやってみようと思っていたからか、強く響いた。1970-1970年に坂本さんは、すでにそのようなことを考えていたのかと知り、あらためて驚く。坂本さん自身は特別な音楽教育を受けながら、そうでない人にも「作曲はできるはずだ、作曲はできるものでなくてはいけない」と考えているのがまた素晴らしい。

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