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オンライン薬局待ち望む

「30分ほどお待ちいただきます」
調剤薬局に処方箋を提出したらそう告げられる。
病院で1時間ほど待った。
更に薬局でも待ち時間がある。
病院に行くのに半日がつぶれてしまう。
最近の病院は、土曜日の診療を止めるところも出だした。
私の職場も、残業の上限規制など厳しくなってきている。
日立製作所では、週4日の勤務にするなどと報道されている。
医療関係者の働き方改革もわかる。
しかし、合わせて待ち時間の改革をしてほしい。
利用者にとっては、サービスダウンになるだけだ。

アメリカでは、アマゾンがオンライン薬局を開始した。
病院からの処方箋が必要だが、医療保険で薬が購入できる。
プライム会員になっていると、送料が無料であったり早く手元に届く。
決済もその場で終わるので、薬局で精算を待つ時間も省略される。

もちろん提供するアマゾン側にもメリットがある。
これらの医療情報を活用して医薬品のプライベートブランドを作成できる。
アマゾンの収益は、サーバー利用料である。
医療保険で薬を処方するためには、処方箋が必要になる。
最初はFAXでもよいが効率がわるい。
病院と連携して、処方箋を送るシステムから入り、電子カルテなどに展開できる。
アマゾンのサーバーに情報があれば、病院独自で持つよりセキュリティーが良くなる。

日本にもオンライン薬局のサービスがスタートしている。
NTTとメロディーという医療情報会社が提供を始めた。
ファミリーマートのオーナー企業である伊藤忠も参加して、全国へ配送ができるようになっている。
しかし、なかなか広がらない。

病院の横にある薬局は門前薬局と言われている。
その病院の処方箋は、目の前にある利便性からほとんど取り扱う。
これは病院と薬局の利益と害が一緒になった関係だ。
薬局が売上の一部を医師にリベートとして渡す関係を生んでしまう。
クリニックの従業員を連れてハワイ旅行にいく。
薬を積んだ車を丸ごと医師に贈与する。
などの関係が今まで普通に行われてきた。
薬剤師が処理できる処方箋は1日当たり40枚までと決まっている。
これ以上になるとさらに薬剤師を雇わなくてはならない。
その結果、人口10万人あたり190人の薬剤師がおり、世界最多となっている。
薬局も6万施設あり、コンビニエンスの5万7千店舗を抜いている。
これまでの収益がなくなるので、オンライン薬局には医薬品業界が反対している。
患者よりも業界の利権、利益を優先しているかたちになってしまっている。

現在、薬は製薬メーカーのほうで小分けにされている。
薬剤師が調合する必要もない。
AIを導入すれば、判断業務も少なくなる。
2045年には、現在31万人の薬剤師が12万人不要になるという試算がでていくる。
薬剤師も、日本の規制の中の収益に固執するのではこれから生きていけない。
AIが導入されて、オンライン薬局になっても患者に提供する有用な情報はある。
その人に効果がある薬を提供するなど、個人の状況に合わせてやれることがあるはずだ。
次の時代に合わせて変化してほしいと考えている。

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