見出し画像

地元

仕事がシフト制で祝日がなく、2日以上の休みが基本的にないので
あまり地元には帰らない。

実家の最寄り駅は、大阪のなんば駅から一本。
一見するとアクセスが良さそうに思えるが、駅から実家まで徒歩で30分ほどかかるし、
近くに飲み屋もないので、飲み会に行くと基本的に送迎の車が必須。
地元の飲み会や帰省の際は、母に車で毎回迎えにきてもらっており、頭が上がらない(上げたことはない)。

基本的にどこに行くにも車が必須。
道路の左右に見えるのは没個性化した店々。
小中学生時代に通った駄菓子屋などは軒並み潰れ、
全国チェーンのドラッグストアやファーストフード店、ファミレスばかり。
どの店も共通して、店舗よりも駐車場が大きい。

大学時代は京都に住んでいた。
河原町や烏丸なんかは個人店が多く、日に日に新しいお店がオープンする。
一つ通りを変えるだけで、新しい店が見つかり、常に新鮮な気分だった。

そんな京都と比較してしまうせいか、
個性にかける地元を、物足りない街だと感じてしまっていた。
実際は表面的な部分でしかなく、探すと面白いスポットもあるのだろうとは思うが、探す気力も起こらない。

自発的に地元に戻ることはほぼなく、
実家に用があるか、飲みに誘われたときぐらい。


長らく、実家には戻っていなかった。

以前のブログで、行きつけの銭湯について書いた。
https://note.com/okunonigemichi/n/n423763179656

銭湯の近くの家から、新しい家に移ったこともあり、
行きたいなと思いつつ、足を運べていなかった。

久しぶりに銭湯の近くで仕事を終えたので向かうことに。

以前銭湯まで向かっていた時と同じ道を歩く。
当時は、うまく仕事ができずに色々と抱え込み、一回頭をリセットしようと思いながら銭湯に足を運ぶことが多かった。
今は余裕も出てきて、多少の大変な仕事もそれなりに対応できるようになった。成長を噛み締めながら同じ道を歩く。


扉を開けるといつもの番台の大将。
シャンプーを買いたいと伝える。耳が遠いので大声で伝えた。
当時はたまに雑談もしていたが、忘れられていたようだ。少し悲しい。

脱衣所に向かうと、常連さんが。
いつもサウナ室でプロ野球についてベラベラ話していた人。

「久しぶり」と声をかけられ、
ここ数ヶ月でサウナ室の温度が上がったと伝えてくれる。
(以前風呂釜の修理をしてからサウナ室の温度がなかなか上がらなくなってしまっていた)

サウナ室に入ると、凄まじい熱気。
風呂釜修理以前より熱く、温度は120度を超えていた。

2セット目で、さっき話していた常連さんと合流。
数分後、また別の常連さん二人組もサウナ室に。

たまに投稿していたサウナサイトのレビューもここ最近はかけておらず、
やめてしまったのかと少し心配していたらしい。

数ヶ月間で行ったサウナの話や、僕がいなかった間の銭湯内でのエピソードを教えてくれた。
その後肩が凝っているという話になり、
銭湯の休憩スペースですいだまのマッサージをうける。

かなり肩が凝っているらしく、悶絶する声が出る。
それをみて笑う他の常連さんたち。

名前も知らなくて、年齢層もバラバラだが、
いつも銭湯にいて、いつ帰ってきても迎えてくれる空間。

待ってくれている誰かが居るから帰ってくる。

街として個性があるかどうかを勝手に決めつけて、
つまらない街だなと思い込んでしまっていたが、
地元の良さをそんな視点で見るのはナンセンスだったなと。

翌日、地元の友人に連絡を取り、
早速帰省した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?