ベートーベンの成功を人口比率で見るとするならば

音楽が数取ゲームで考えることほどばかばかしいことはない
少し前であればCDの売上げ枚数
今であれば再生回数

そんなことが音楽の本質とは関係ないことは誰もがわかっている
しかし、それが一定数の人の何かしらの指標になっていることも否定はできない

ということで、ベートーベンという人の成功を数取ゲームで考えてみようではないか

ベートーベンが活躍したウィーン
多くの音楽家を輩出したヨーロッパの音楽都市
こちらの人口からベートーベンの音楽について見ていきたい

ベートーベンがウィーンに移住したのは1792年
当時のウィーンは約15万人の人口だった

ベートーベンが亡くなる1827年には約30万となり、およそ倍の人口となる

1827年の約30万人いう数字を軸に見ていくことにする

そのうち、約1万人が実業家、芸術家、学者であったらしい
そして、約17%のおよそ5万人が外国人移住者
(ベートーベンもそのうちの1人)
中産階級は約15%のおよそ45000人

これ以上の細かいデータを収集できなかったので、ざっくり大まかに話を進める

貴族なんてのは数%ほどだと考えると、残りの大多数が市民
中産階級以上と貴族の数は多く見積もっても10万人以下だと仮定して、10万人という数で考えてみよう

何の話をしているのだ?
と思われるかもしれないが読み進めて頂きたい
ここから話の核心にはいる

つまり、当時のウィーンでベートーベンの音楽を聴いたことがあるのは、10万人程度だったのではないか?
という話(あくまで妄想)

当時、いわゆるクラシック音楽(19世紀の後半にはこの名称で呼ばれていたらしい)を楽しんでいたのは貴族階級

いくつかの音楽好きの貴族が自らのオーケストラを抱えており、定期的に演奏会を開いたり、中産階級の人たちも私的サロンで音楽愛好家に向けて演奏会を開いていた

今のようにスマホで簡単に音楽を聴くなんてことはできない時代
こういった機会に演奏を聴くことができるだけで、普段は楽譜を購入して自分で演奏するということが音楽の大きな楽しみ方だったらしい

つまり、乱暴に言えばベートーベンの音楽の需要は10万だったということである
10万人と言えばさほど大きくない都市の人口程度
自分の住んでる市は人口何人か比較すればイメージしやすい

もちろん、ウィーンだけでなく、フランスやイギリスにもベートーベンの名前は轟いていたわけだが、それでもミリオンセラーなんてものはなかっただろう

仮に自分が小さな市の全員に知ってもらうと考えたら、結構実現可能な感じはする
なんなら、今の時代ベートーベン越えのYouTuberなんてたくさんいるわけで、、

ちなみに1827年当時の日本で言えば、江戸はすでに100万人都市
同時期に活躍していた人物としては葛飾北斎がいる
絶対数で見ると北斎の方が認知度があったと言える

余談ながら、ベートーベンは引っ越し魔として有名だが、葛飾北斎も生涯に何度となく引っ越しをしている
その数は90を越えており、ベートーベンを超える
この時代の天才はじっとしていられなかったのだろうか。。

今のように録音によって音楽を何度も再生して聴くことができない時代
完成した一つの作品を聴く機会は生演奏のみ
そう考えると、実際音楽をちゃんと聴いた人数はどれくらいだっただろう?

認知度は10万人でも音楽を聴いたことがある人は1万人にも満たなかったかもしれない

今回は聴衆の人口比率から「成功」を考えてみた
ベートーベンの主な収入は貴族からの年金であり
必ずしも作曲料や著作権だけで成り立っていたわけではないので、お金に直結していないということは理解しておかなければならない

最後にもう一度だけ言っておくと
音楽の本質とは関係のない話

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?