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完璧なフィナーレ『美しい彼』より

 2023年5月23日huluの解約をした。次の日までは視聴が可能ということで、せっかくだから何か観ようとふと目に止まったのが、『美しい彼』だった。
以前から名前は何となく聞いていたが、なに分タイトルのあまりのパワーワードさでやり過ごしていたドラマだ。ただその時はなんとなく気に掛かり見始めた。その美しい世界観に引き込まれるのに時間は掛からなかった。あっという間にシーズン1を見終わり、勢いシーズン2までを夢中で見入っていた。
 主人公の吃音持ちの平良の視点から語られるプロローグ。いかに彼の絶対的神である清居の美しさが綿々と綴られる。清居の美しさは平良の視線と物理的効果によりさらに盤石になる。
平良に振り回された清居が気付けば、平良のことが気になるというありがちな展開だが、平良の清居に対する常識を超越した神への信仰心似たそれは、清居にとっては戸惑いしかなかった。そんな勘違いやすれ違いを乗り越えるまでがシーズン1に収められている。
途中からは清居視点で語られることで2人の気持ちや感覚の違いが浮き彫りになり、どちらの心の流れも分かりやすく描かれていた。
清居が平良の家で住み始めるも、2人の社会的立場の違いに苦しむ平良、対してごくごく普通の恋愛がしたい清居と気持ちの距離が出来る。そんな彼等を気遣い手を貸してくれる友人、小山により平良は尊敬するプロカメラマンの野口にアシスタントの口を見つける。平良がようやく前を向き始めたところまでがシーズン2である。
 もうこれでも充分な多幸感を味わえたが、折しも映画版が上映中と聞き、慌てて映画館へ走った。
 ちょうど2度目のギャラクシー賞受賞のタイミングだった。
 映画は2人が同じ方向を向き始めたところからの話だ。映画はシーズン1、2の回収が想像以上に展開して観る者を釘付けにする仕上がりに脱帽しきりだった。
 紆余曲折あった2人のエピローグの清居の『俺、すっげぇ おまえのこと すきみたい』の台詞に
完全ノックアウトされた。この多幸感はちょっと他では味わえないくらいだ。と、同時にロス感にも襲われ、結果数週間で7回も観てしまうスルメのような映画である。
 ちなみに、副音声はバックヤードや2人のわちゃわちゃが楽しめる2倍お得な内容だ。

 文字ではこのドラマの素晴らしさを語ることは不可能なのでとりあえず、性別を軽く超えてくる『美しい彼』の耽美な世界観に浸りたい方には絶対にオススメです。

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