今日の日経(1)~香港国家安全法、明日にでも制定方針採択へ~
さて、昨日宣言の記事を投稿しまして本日1本目!今回取り上げるのは香港国家安全法についてです。朝のニュースしか見ていないので分かりませんがコロナや木村花さんの死、手越君の活動休止などの話題が多く、これはあまり取り上げられていないような気がしています。そこで、私がしっかり深掘りして皆さんにお届けしたいと思います。
1、香港国家安全法の制定方針が採択される話の概要
まずは記事ベースから今回取り上げる香港国家安全法とは何か、これの制定方針が採択されることで何が起こりえるのかを説明していきます。
今中国で開催されている全国人民代表大会(全人代)は、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を採択しようとしています。香港国家安全法とは国家分裂や政権転覆、組織的なテロ活動、外部勢力による内政干渉を禁止するものです。
ここまで見るとまともな法律に見えますね。しかし、問題はここから。今回採択されるのはこの香港国家安全法の骨子だけ。詳細はまた後々決まります。そして、それは香港立法会(議会)の承認を経ることなく施行されるのです。
家庭に例えてみると自分がお母さんから毎月のお小遣いとして1000円もらっていたとします。しかし、それは明確な規定があったわけではなくなんとなく決まった1000円でした。そこでお母さんが「今度ちゃんとお小遣いのルール決めるからそれに従ってね。家族会議もせずに来月からそのルールね」とだけ言います。自分はそれを了承します。その後作られたルールを見たら今までの月1000円が500円に変えられていたのです。でも既にそれに従うことは了承しちゃったし、会議も行われないので反論のしようもありません。この状況、許せないですよね?これと同じ事が香港では起ころうとしているのです。
ただ、今回の採択は中国の独断で行われたものと言い切るのも難しい。どのみち香港では国家安全法の制定をしなければならない事情がありました。それは1990年に全人代で成立した香港基本法(憲法のようなもの)の23条によるものです。そこには香港政府が自ら国家分裂や政権転覆などを禁じる法律を制定しなければならないと記してあります。しかし、その法律を作れずに今に至っているわけです。そこで中国が代わりに制定してあげようと言うことです。ただそうはいっても民主国家でない中国が決めたルールによって自分たちの活動が制限されてしまうのではないか。そんな懸念は当然のように感じます。大規模デモも敢行されましたが今回は屈してしまうことになりそうです。
ではここから深掘りしていきましょう。まずは中国と香港の関係に付いてからです。
2、中国本土と香港の関係性
ここまで読んできて「そもそもなぜ香港の法律を中国が決められるのだ」と思った人も多いと思います。それは中国と香港の関係性や近年の香港事情が深く関わってきます。
一国二制度という言葉、聞いたことあると思います。簡単にいうと一国の中に、政治制度・経済制度の根本的に異なる地域が複数ある状態を指しています。香港もこの制度によってイギリスから中国に返還された後も民主主義、資本主義を貫いていますし、法制もイギリス時代のコモン=ローが基軸になっています。しかし香港が中国に返還されるのに際し、全人代が香港に関する法令を作りました。それが前述の香港基本法です。そして、その中の規定に今回中国が国家安全法を制定できる根拠が示されています。
それが香港基本法18条が定めた「付属文書3」と呼ぶ例外規定です。これは中国本土の法律を香港に適用できるというものです。しかしこれは国防や外交関連の法律か、自治の範囲に属さない法律にのみ追加が可能という但し書きがあります。今回の香港国家安全法は自治の範囲に属するような法令に見えます。ではなぜ中国は国家安全法が18条の適応範囲としたのか。
それは昨年6月の逃亡犯条例制定時に起きた大規模なデモ活動にあります。約三ヶ月間、逮捕者6000人以上出した大規模なデモ。このデモに対し、中央政府やその強い影響力の下にあるメディアは度々外国勢力や一部の過激な国家分裂主義者が「中国の内政問題」である香港問題に介入してきたと批判してきました。そういった勢力による香港での反政府的活動が国家安全(国家=中国)に関わっている。こうなってくると香港の自治の範囲を超えています。これをきっかけに国家安全法を例外規定を用いて制定しようとしたのです。
3、香港国家安全法が制定されると懸念されること
では香港国家安全法が制定されると何が起きるのか。一番は言論の自由が奪われる恐れがあるという点です。この香港国家安全法は国家分裂や政権転覆、組織的なテロ活動、外部勢力による内政干渉を禁止するものです。しかしなにをもって国家分裂を企んでいると言われるのか、何を持って組織的なテロ活動の可能性があると言われるのか。非常に曖昧であります。そして中国は共産主義国家ですから上の決定には誰も逆らえません。そうなる半ば強引なロジックで『こいつは国家分裂を企てる者だ』といわれてしまうかもしれません。政府がそう思えばそうなるのです。
このように香港の言論の自由に対し中央政府の機関が中国本土の法律によって直接的に介入するという点で懸念が集まっているのです。
うーんタイムアップです・・・・。本当はもう少し細かく書きたかったですし、逃亡犯条例についても補記したかったのですが時間足りず。
今回のトピックは過去の積み重ねからきているものであり、深掘りするには背景の理解が不可欠ということも有り時間取られましたね。
こんな感じで次回はより上手くまとめられるように頑張ります。
ではまた次回!!
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