音楽:楽曲における作詞・作曲・編曲の比重について2

※正直なところ私個人の趣向的によい/それほどでもない、という意見はあるのですが、出来るだけ中立を保とうと言い訳していたらかなりの長文になってしまいました汗

前回の続きですが、私は楽曲制作において「編曲」が最も重要と考えていたが「作詞作曲」もともに重要と改めて近年、気が付かされたアーティストおよびアルバムがあります。それは「楽曲を持たないパンクバンド」でお馴染みの「BiSH」の「アイナ・ジ・エンド」さんのファーストソロアルバムを聴いた時でした。

アルバム楽曲全ての作詞作曲をアイナさんが行っていて、ほぼ全ての曲のプロデュース&編曲を「亀田誠治」さんが行っています。
亀田誠治さんは初期の椎名林檎さんのプロデューサー兼ベーシストとして、そして今は同じく椎名林檎さん率いる「東京事変」のベーシストとしてその名を高め、様々なアーティストのプロデュースや楽曲提供も行い、そういった曲のヒット(売れる)率がかなり高いことから「名曲製造マシーン」といわれているとかいないとか。
亀田さんはかなりのインテリ・分析家であり音楽理論にも精通されている(意外なようで良くあるみたいですがバンドマンは早くても中学、遅くて大学まで(しかも音大ではない)楽器経験がなく、音楽理論に明るくない人が多いようです(ピアニストは音大出てる率が高いので音楽理論に精通していることが多いようです))、彼独自の楽曲制作のメソッドがあるようで、彼の手がける楽曲には良くも悪くも「亀田印」のようなモノがあるような気がします(どんな特徴・傾向があるかは長くなってしまうので省略)。
なので、第一線のキャリアも長く、彼が手がけたヒット曲も多いこともあり新しく手がけた曲も「既視感(どこかで聴いたことがある)」があるのは少し否めないと(個人的に)感じています(よい意味でもわるい意味でも)。

アイナさんの歌唱に関しては、特にファンでもない私を含む多くの人が魅力的だと言っているし、同業者からの評価も高いと聞いています。
アニメ映画「シング」という劇中に音楽を楽しめる作品があり、シリーズ1のMISIAさんの歌唱が素晴らしく(英語版の原曲と聴き比べましたか、個人的にはMISIAさんの方が、より素敵と思いました)、シリーズ2も観ていて、アイナさんも吹き替えで歌唱しており、共演しているMISIAさん、B'zの稲葉さんと比べても、私はアイナさんの歌唱が劇中で最も素晴らしいと思いました。

アイナさんのファーストソロアルバムの話に戻りますが、歌唱は素晴らしかったのですが、楽曲に「新鮮な驚き」のようなものは(個人的に)感じられませんでした(アイナさんのファンの方がいらしたら本当に申し訳ございません汗。素人の個人的な感想なので多目にみてやってくださいmm)。
そんなアイナさんの歌唱している楽曲(動画)をご紹介します。

【アイナさん作詞作曲、亀田さん編曲】
・アイナ・ジ・エンド - 虹:

【アイナさんはヴォーカルのみ】
・A _o - BLUE SOUL:

皆さまは聴き比べてみてどのように感じられたでしょうか?(曲調も違いますし皆さまそれぞれ好みがあると思うのでどちらが良い(好き)悪い(嫌い)楽曲という話ではなく、ポイントは「作り物でない生のアイナさんのポテンシャルを感じるか」です)
私の個人的な感想ですが、いくら編曲が秀逸で楽曲のクオリティが高くてもやり過ぎると「借り物」みたいな感じがしました(良くないという意味ではなく)。一方、作詞と、特に作曲は高いスキルがある人に任せた楽曲の方が、より客観的にアイナさんのポテンシャルが活かされており、アイナさんのすばらしい歌唱も、より新鮮な気持ちで「素敵」と感じました(繰り返しますが「個人的に」で「よいわるい」という意味ではなく)。
その証左に、セカンドアルバムはアイナさんが「全曲の作詞作曲に携わる」と記載されている(作詞作曲編曲の明確なクレジットがいくら探しても分からなかったんですが、編曲については亀田さんをはじめとしたベテランと新進気鋭の方など複数人が関わっていて、ファーストとそんなに期間が空いていないのにあまりにも曲構成の傾向が違うので、作曲も供作しているはず)、と楽曲制作に対するポジションが少し後退していますが、(個人的に)セカンドアルバムの方が遥かに好きです。
結論にもどりますが、こういった経験から、
「作詞作曲も重要じゃん!」と思うようになりました。

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