見出し画像

30分歯磨きするというおっちゃんは突っ込みどころ満載だった

先日診た60代男性のお話。
クリニックはまだ二回目の受診で、前回の受診の際に色々と質問が多い方であったと記録がありました。

右下の奥歯が真っ二つに割れているのですが、「痛みがないから大丈夫ですよね?」と言う💦
「大丈夫ではありません!」

今、痛くないから大丈夫だと言って欲しい方ってたまに存在します。

ほんま、あかんで。

この日は歯のクリーニングをするのですが、おクチの状態を診ると
毎日歯磨きをしているのは感じ取れますが、肝心な所に磨き残しがありました。

これをお伝えして、どこが磨けていないのか、どう歯磨きをするのがよいのかをお伝えしていきます。

この患者さんが言われた事は
「僕はね、毎日30分歯磨きをしていますから。でも、歯グキが下がるのは怖いから、優しく歯ブラシをくるんくるんと縦に動かして(ローリング法という方法)1本1本意識してやっています」と。
ええ、やっているのは感じ取れますよ。でも方法がね・・・💦

本人はやっている自負が強いので、私はどうツッコミを入れようかと考えます笑

「〇〇さんがやっている方法は昭和ですわ。残念ながら古いんです。今は歯と歯グキの境目の歯垢を落とす方法でやらないとあきませんわ。
1本1本を意識しているのはとても良いのですが、肝心の歯垢が落とせていないなら磨いていないのと一緒ですよ」
と伝えました。

「なるほど!」と患者さん。

やっている自負が強めだったのですが、上記の話を進めて行くと、
「実は磨けていないのではないかと感じていたんです」
と変化していきました。

良い感じ!
気づくって大事ですから。

「で、肝心の歯と歯の間はデンタルフロスはしてますか?」
とお聞きすると
「やりません。歯と歯の間の隙間があくでしょう」
と我流満載😆
「どこかで言われましたか?」
と聞くともちろん自己判断。
いやいや、フロスは必要なアイテムですから!なくてはならん!

正しい知識と方法を身に着け、継続的に取り組むこと!
そうグキ活が本当に大切
なんです。
これを患者さんにお伝えしました。
帰りに
「こんなに色々と教えてもらったのは初めてです」
と喜んでくださいました✌

歯磨きをやっているから、できていると自負が強めな方が多いのも事実。

私は現状をお伝えして、改善を目指します。

が、歯科衛生士の風潮として「患者さんを誉めて気分よく帰ってもらう事が良い事だ」という考えが根強いのです。
業界の内部事情になってしまいますが、またこの件についてはまとめたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?