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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」日本タングステン(6998) 2018/10/30

※このレポートは2018年10月に作成されたものであり、企業情報や数字等は当時のものです。またリンクの変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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       石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆


 ◇銘柄研究 日本タングステン(6998)
 ◇コラム 企業のファンダメンタルズをチェックしてリバウンドを取りに行く準備をするとき

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◇銘柄研究 日本タングステン(6998)


 本日は、1931年(昭和6年)に創業されたタングステンを主体としたレアメタル材料製品や、ファインセラミックス製品を製造している日本タングステンを研究銘柄として取り上げます。


 10月に入ってから2月と同じように米国株が大きく下げると、日本株は米国株以上に大きく下げて、過去最高利益を更新し続けているような日本企業の株価も大きく下落しました。

 ここまで一気に下げると、信用取引で買っていた投資家が、生き残るために持っていた業績の良い企業を投げ売りしたり、信用の担保になっていた株が、追証を払えなかった投資家の強制退場で、売られたりすることで、下がることも多いです。

 したがって、いくら業績が良くても、企業のファンダメンタルズが良好でも投げ売りされることがあると覚悟を決めて、決算発表を確認し、米国株などの動きなどを米国中間選挙が終わるまで確認してから、新たな投資行動を始めることが必要だと考えています。


 今日は第1四半期の決算短信発表時に、業績上方修正を発表した日本タングステンを研究銘柄として取り上げますが、第2四半期の決算発表を確認した上で、米国中間選挙の結果や米国株の動きを確認してから投資判断をすべきだと考えています。


 日本タングステンは設立以来、レアメタル材料製品やファインセラミックス製品をはじめ、時代のニーズを満たす様々な製品を製造しています。
 日本タングステンが製造する製品は、創業の事業である電球フィラメント用タングステンワイヤーなどの金属材料製品から、不織布用ロータリーカッターなどの産業機械装置までと多岐にわたり、「自動車、半導体、電子部品、電池、衛生、医療」といったグロ―バルの様々な分野で活躍しています。

 日本タングステンは、世界シェア約75%という高いシェアを持つハードディスクドライブ用の磁気ヘッド基板などを持っている企業です。


 日本タングステンの主力事業は次の3つです。


1.タングステン、モリブデン、その他の金属の精製、加工ならびに販売

 粉末冶金技術をもとに、高融点、高密度というタングステンの特性を活かして、抵抗溶接電極向け銅タングステン合金製品、カテーテル用タングステンリボン、遮蔽材などの様々な金属材料製品を製造しています。

2.ファインセラミックその他窯業製品の製造ならびに販売

 金属材料で培った粉末冶金技術を活用し、炭化物、窒化物の様々なファインセラミックス材料や超硬合金材料にてHDD用基板、摺動製品、特殊刃物など様々なセラミック製品を製造しています。

3.産業用機械装置および機械部品の設計・製作ならびに販売

 不織布・フィルム・金属箔などの製品輪郭を高速で切断することが可能なロータリーカッター「NTダイカッター」のほか、様々な機械装置を設計・製造しています。


 日本タングステンの得意とするのは、タングステンを材料に使用する製品ですが、タングステンには次のような特徴があります。

1.タングステンの融点は金属の中で最も高い摂氏3380度で、沸点は摂氏5000度を超えます。
  比重は19.3と金とほぼ同じで、鉄の約2.5倍の希少金属のひとつです。
  この熱に強いという性質を利用して、電球のフィラメントや電子レンジのマグネトロンに、また硬くて強いという性質を利用して、コピー機や空気清浄機に入っているコロナ放電線などに使われています。
  日本タングステンでは、照明・OA機器用のタングステンの線や、液晶関連部材用のタングステン・モリブデン棒製品等を生産しています。特にハロゲンランプのフィラメントに使用されているタングステン線・B701ロットは、世界的に高い評価を受けています。

2.タングステンは世界各地に埋蔵されており、その埋蔵量は全世界でおよそ7百万トンといわれています。その57%を中国が占め、産出量からいくと中国が83%を占めています。
  日本にもタングステンは埋蔵されており、かつては日本でも産出が行われましたが、現在、商業ベースでの生産は行われていません。

3.タングステンは幅広く使われています。例えば、比重が大きいという性質を活かして、釣りのおもり(シンカー)、ゴルフ道具等のウエイトや、鉛に替わる放射線の遮蔽用として使用されます。
  また、音響インピーダンスが高いにも関わらず高い音速を持つという特性を活かして、楽器やオーディオ関連の部品としても利用されています。
  そして、耐摩耗性を利用してタングステンと銅の合金による電気接点、電極に使用されます。
  さらに、炭素とタングステンの化合物は、ダイヤモンド、炭化ホウ素に次ぐ超硬合金として切削工具や耐摩耗工具に使われています。

 本日の研究銘柄として日本タングステンを取り上げた一番大きな理由は、8月10日に2018年3月期第1四半期の決算短信を発表するとともに、第2四半期(=上期)の業績上方修正を発表したことです。

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