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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」岡谷鋼機(7485) 2017/10/31

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

  ◇研究銘柄 岡谷鋼機(7485)
  ◇コラム 21年ぶりにやってきた勝ち逃げのチャンスを最大限に生かす

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◇研究銘柄 岡谷鋼機(7485)

 本日は、1669年(寛文9年)創業で1937年(昭和12年)に設立された岡谷鋼機を研究銘柄として取りあげます。

 岡谷鋼機の歴史は、江戸時代の1669年(寛文9年)の名古屋にさかのぼります。1937年(昭和12年)には株式会社岡谷商店を設立、その間大阪・東京にも進出を果たし、着々と専門商社としての地歩を固めてきました。
 現在の岡谷鋼機株式会社に改称したのは1943年(昭和18年)のことです。

 348年に及ぶ岡谷鋼機の事業展開は、常に時代の先を読み、築き上げてきたノウハウを武器に、企業成長のために突き進んでいます。

 岡谷鋼機は現在、「鉄鋼」「情報・電機」「産業資材」「生活産業」という4つの事業分野において9部門のビジネスフィールドを擁する独立系商社です。

 その中でも基幹分野である「鉄鋼」の事業は、売上高の約40%を占めています。大手鉄鋼メーカーの一次指定商社として安定的、かつ品質の高い鉄鋼を世界に販売しています。また、340年以上の歴史に伴う実績と信頼により、主要取引先とのパイプも強く、健全かつ安定的に事業を展開しています。

 鉄鋼業界は神戸製鋼所の不正問題で揺れています。しかし神戸製鋼所以外の鉄鋼メーカーから仕入れられる企業にとってはチャンスです。

 鋼材の価格は上昇しており、新日鉄住金や東京製鉄などの電炉メーカーの売上高も伸びており、新日鉄住金は前年同期比で大きな増収増益となりました。

 新日鉄住金の2018年3月期の第2四半期の決算短信です。
https://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20171027/apb7h7/140120170919475067.pdf

 新日鉄住金の業績の概略を簡単にまとめると、2017年4~9月期の連結決算は純利益が前年同期比9倍の991億円となりました。原料高を鋼材値上げで吸収しました。

 売上高は27%増加して2兆7450億円になりました。設備トラブルや天候不順で生産出荷は減りましたが、販売価格が上昇しました。自動車業界や建設業界の需要が強く、価格も上がったことが主要因です。

 経常利益は5.6倍の1576億円になりました。原料炭など主原料の高騰分は、鋼材価格引き上げで吸収しました。

 2018年3月期の連結純利益の見通しはこれまで未定としてきましたが、前期比30%増の1700億円との予想を発表した。

 岡谷鋼機は、大手鉄鋼メーカーの一次指定商社です。個別の決算内容で投資有価証券や主要な売掛債権などを開示していた2013年3月期の有価証券報告書を確認しました。

 買掛金が大きいのは大同特殊鋼、JFEスチール、JFE条鋼、日立金属などです。投資有価証券では鉄鋼関連では新日鉄住金、大同特殊鋼、日立金属、東北特殊鋼などに投資しています。

 主要な買掛金にも、投資有価証券にも神戸製鋼所は無いので、取引があったとしても、それほど大きな金額ではなく、今回の神戸製鋼所の問題は岡谷鋼機に関してはメリットになると考えました。

 鉄鋼以外の事業分野は、鉄鋼を機軸に時代のニーズを見越して経営の多角化を図ったことによって生まれており、今では売上の約60%を占めるまでに成長しています。

 現在、岡谷鋼機の戦略拠点は、日本国内はもとより、1964年(昭和39年)の米国岡谷鋼機の設立を皮切りに、海外21カ国にそのネットワークを広げてきました。いま、岡谷鋼機はグローバルな視野に立って、アジアを、そして日本を見つめなし更なる成長を目指そうとしています。

<岡谷鋼機のネットワーク>
http://www.okaya.co.jp/network/japan/index.html

国内:25カ所 関係会社43社
東京、名古屋、大阪、福岡、仙台、新潟、富山、静岡、浜松、広島など

海外:21ヶ国 関係会社46社
アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、ドイツ、チェコ、オランダ、インド、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、インドネシア、中国、台湾、韓国、オーストラリア、UAE、ミャンマー、フィリピン、ポーランド

http://www.okaya.co.jp/network/overseas/affiliates_list/index.html

 まず、本日の研究銘柄として岡谷鋼機を選んだ理由をまず説明します。

1.岡谷鋼機は、名古屋の名門企業として、トヨタ自動車をはじめ業績を伸ばしている日本の大手企業を取引先に持っており、今後も業績を伸ばすことが期待できること。

 就職情報(=マイナビ)で主要取引先を確認すると次のような企業名がでてきます。

 各官公庁、トヨタ自動車(株)、新日鐡住金(株)、JFEスチール(株)、三菱電機(株)、スズキ(株)、東京ガス(株)、(株)不二越などです。

2.岡谷鋼機は、着実に利益を確保している企業であること。

〇岡谷鋼機の財務ハイライトのページ
http://www.okaya.co.jp/ir/financial/highlights/index.html

岡谷鋼機の経常利益の推移は以下の通りです。

 2012年2月期 112.1億円
 2013年2月期 134.0億円
 2014年2月期 167.5億円
 2015年2月期 195.2億円
 2016年2月期 205.2億円
 2017年2月期 180.5億円
 2018年2月期予195.0億円

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