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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」日本高純度化学(4973) 2012/07/10

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

 ◇銘柄研究「日本高純度化学(4973)」
 ◇コラム 材料出尽くし感の売りがあるも、優待権利月の近い銘柄は堅調

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◇銘柄研究 日本高純度化学(4973)

 本日は、1971年(昭和46年)創業の研究開発型の貴金属めっき薬品メーカーである、日本高純度化学を研究銘柄として取り上げます。

 日本高純度化学は創業以来、常にエレクトロニクス分野を最大のターゲットとしており、エレクトロニクス業界の伸長に伴い、半導体パッケージとコネクタ用の金めっき用薬品、銀めっき用薬品、パラジウムめっき用薬品を上市してきました。特に、製品開発においては海外からの技術導入に頼らない自社独自の開発技術体制で臨んでおり、長年にわたって技術の集積を行っています。

 貴金属メッキ用薬品は、半導体などの電子部品や電子機器内部の接合、配線に不可欠な製品であり、エレクトロニクス産業を支える存在でもあります。パソコン・携帯電話などの電子機器は、非常に多くの電子部品の組み合わせでできており、部品同士の接合がうまくできないと、機器そのものが作動しません。つまり、日本高純度化学の製品が電子機器には不可欠です。

 めっき用薬品の中でも、日本高純度化学が重点を置いているのは、電子部品・機器用向けのハイエンド品です。たとえば、コンピュータ、サーバーの心臓部であるMPU。このMPUをプリント配線基板に接合するときに使用される金めっき用薬品で、同社は世界シェア50%(推定)を持っているといわれています。

 金めっき液は金(シアン化金カリウム)と、薬品で構成されています。薬品の性質によって金被膜の厚さや特性が変わり、電子部品の性能にも影響を与えるので、新しいめっき用薬品へのニーズが常に生まれています。日本高純度化学は、こうした納入先の要求に応じて成長を遂げてきました。

 日本高純度化学が貴金属めっき用薬品を販売する際、貴金属(貴金属化合物)と薬品とを併売するケースと、薬品のみを販売するケースがあります。貴金属は高価なため、併売分が増えれば売上高も大きく増えますが、利益額にはあまり影響がありません。また貴金属相場の変動も、相場リスクをヘッジしているため利益額には影響がありません。従って、日本高純度化学の業績を正しく理解するには、売上高ではなく売上総利益に着目する必要があります。

 日本高純度化学の有価証券報告書には、『貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行うため、利益額については貴金属価格の変動の影響はほとんど受けません。ただし、回転在庫を確保しておくことによる価格変動リスクが発生するため、納期の短縮や、在庫量を最小限に抑えることで、影響を最小限にとどめるよう努めております。』と説明されています。

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