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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」日本フイルコン(5942) 2017/04/11

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

    ◇研究銘柄 日本フイルコン(5942)
    ◇コラム 今年も日本株が大きく下げる時がやってきた

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◇研究銘柄 日本フイルコン(5942)

 本日は、1916年(大正5年)創業の製紙用ワイヤー、電子部材、フォトマスクの製造と、不動産賃貸事業を主力事業とする日本フイルコンを研究銘柄として取り上げます。

 日本フイルコンは、製紙用ワイヤー(抄紙網)の自給を目的に主要な国内製紙会社からの出資により創業した企業です。1916年以来、世界一高度な品質を要求される日本国内産業界からの要請に応えて、各種素材に物理的・化学的な加工を施す技術の研鑽と適応領域を拡大してきました。

 2016年に創業100年を迎えた、激動の1世紀を生き抜いてきた企業です。現在は産業用機能フィルター・コンベア事業、電子部材・フォトマスク事業、環境・水処理関連事業、賃貸不動産事業を主力事業として各種機能性資材と生産材を供給する企業グループへと成長しています。

 各事業のコア領域において、高品質かつ革新的な製品およびサービスを供給できる『アジアのリーディングカンパニー』を目指し、新たな時代に向け、一歩先行く製品開発を模索しながら、更なる進化と成長を加速していく努力を積み重ねている企業です。

 日本フイルコンの主力製品である製紙用ワイヤー(=網)は、私たちの生活に欠かせない「紙」の誕生を左右する産業資材であり、その日本国内シェアは60%を超えています。

 今ではあまり耳にしなくなりましたが「紙は文化のバロメーター」という言葉がかつて言われていました。日本フイルコンのワイヤー(網)は、まさしく、紙を支えて文化の創造と社会の発展に寄与してきました。

 また日本フイルコンは、近年には紙関連技術の応用で不織布生産工程へ展開し、不織布用途の製品開発、販売強化にも取り組み、顧客より高い評価を得ています。

 一方、半導体製造に欠かせないフォトマスクや、精密部品を作る際に必要なエッチング技術なども手がけており、とくに大型タッチパネルセンサーフィルムに注力しています。

 さらに、吸着材によるレアメタルの回収、消臭材としての製品開発も進めています。

 現在、日本フイルコンの主要取引先である日本の製紙業界は大きな転換期にあります。こうした中、日本フイルコンは紙の生産量が拡大している東南アジアをはじめとする新興国での販売力強化を進めているところです。

 時代の変化をチャンスととらえ、グローバルな資材調達や海外生産拠点の強化を通じて、ビジネスの拡大につなげることを狙っています。

 本日の研究銘柄として日本フイルコンを選んだ一番の理由は、4月3日に2017年11月期第1四半期の決算短信を発表すると同時に、業績上方修正を発表したことです。

日本フイルコンの業績上方修正のIRです。
http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20170403/aezgjw/140120170330430796.pdf

 従来の通期一株予想利益52.27円⇒(収益後)85.95円

〇修正の理由

『当社は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号平成28年3月28日)を当第1四半期連結会計期間から適用し、最近の業績動向等を踏まえ繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討いたしました。この結果、当第1四半期連結会計期間において繰延税金資産を追加計上し、法人税等△709百万円を計上しております。』

 この発表を受けて日本フイルコンの株価は上昇しましたが、投資環境の悪化で押し戻されました。資産の割安株である日本フイルコンに安く投資するチャンスだと考えたことが日本フイルコンを研究銘柄に選んだ一番の理由です。

日本フイルコンの株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=3month&scode=5942&ba=1

 日本フイルコンは保守的な業績予想を行ってきた企業なので、事業業績の伸びによる業績上方修正が再度行われる可能性もあると考えています。

 日本フイルコンは前期に関しても最終的に業績を大きく上方修正しています。

 1月10日のIRです。修正前の54.60円の通期業績予想より実績の通期一株利益は75.51円となっています。予想より38.4%も増益となっています。

平成28年11月期通期連結業績予想と実績との差異に関するお知らせ
http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20170110/aa2dvk/140120170106469216.pdf

 続いて、更に具体的に日本フイルコンを研究銘柄として選んだ財務的な理由やビジネス上の強みを説明します。

1.日本フイルコンは、低PBRかつ低PBRの企業であること。

 日本フイルコンの4月7日の終値は569円です。
 日本フイルコンの2017年11月期の一株利益予想は85.95円です。
 日本フイルコンの一株純資産は2016年11月末で766.91円です。
 4月7日の終値569円で計算したPERは6.6倍、PBRは0.74倍です。

 PERは一桁であり、またPBRは1倍未満と投資指標的にとても割安です。

2.日本フイルコンは創業100年と歴史が古いため、含み益が大きな賃貸不動産や自社使用の土地を大量に保有していること。

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