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バリュー&グロース銘柄発掘情報 #2【グロース】イビデン(4962)2021/03/16


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       バリュー&グロース銘柄発掘情報 第2号

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 プロフェッショナルの執筆者を中心に、グロース銘柄&バリュー銘柄を毎回1銘柄発掘してレポートする内容です。
 毎月第1第3火曜日配信、1回に1銘柄の深掘りレポートです。


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               【目次】


■はじめに
■【グロース】イビデン(4962) 客員アナリスト 水島寒月


※本メルマガの一部内容を、億の近道へ抜粋の上掲載することがございますので、あらかじめご了承下さい。


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■はじめに


【バリューグロース銘柄プロジェクトより】

 当サービスは、金融のプロフェッショナルを中心とした執筆者が、その時々の注目銘柄の中からバリューもしくはグロースの企業をピックアップし、分析するものです。
 スタンスは中長期投資です。
 ぜひあなたの株式投資ライフにお役立てください。


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■【グロース】イビデン(4962)

【注目ポイント】


 内外の株式市場では目下、景気敏感株、バリュー株が買われ、グロース株が売られる傾向にあります。
 米国で3月11日に1.9兆ドル(約200兆円)規模の追加経済対策が成立しました。また、バイデン大統領は5月1日までに成人希望者全員に新型コロナのワクチンを接種できる体制を整え、7月4日の独立記念日までに生活正常化に道筋をつけるとしました。
 巨額の追加財政出動、ワクチン接種の体制整備の加速により、米国の景気回復に弾みがつくとの連想から景気敏感株が買われ、景気回復を背景に長期金利への上昇圧力が増すとの見通しから、バリュエーションが高めのグロース株が売られる展開となっています。

 しかし、米国の景気回復は過去、日本株にとり、強い追い風となってきました。ドル高・円安の進行などと相まって、時価総額構成比の高い、加工型製造業(機械、電機・精密、自動車)などの業績向上につながるからです。
 4月以降は徐々に米国の景気回復を背景とする加工型製造業の業績拡大を評価する動きが強まるものと思います。

 グロース株のグロース株たる所以は「EPSの成長スピードが速い」ことです。株価の短期調整により、バリュエーション面で再び投資妙味が高まり、グロース株が買われる局面が到来するものと予想します。

 今回は、そのような銘柄の中から、イビデン(4062)に注目したいと思います。

【会社概要】

◆沿革


 同社は半導体パッケージの世界最大手企業の一社です。
 パソコンやスマートフォンなどに使用されるICパッケージ基板やプリント配線板など高い技術力が要求される高付加価値製品の製造・販売を得意とするほか、DPF(ディーゼル排出ガス浄化フィルター)などの自動車排気系部品も展開しています。

 1912年、揖斐川を利用した水力発電・電力供給を目的に、揖斐川電力として設立されました。1940年に揖斐川電気工業に商号変更しています。
 戦後、電力の有効活用のために、カーバイド(炭化カルシウムなど炭化物の総称)の製造を開始しました。これが現在のセラミック事業につながっています。

 さらに1972年、プリント配線板やICパッケージ基板の生産に成功。
 現在の主力事業である電子事業が誕生しました。
 いわゆる「第2の創業」です。1982年には、イビデンに商号変更しました。


◆事業概要


 同社は「コア技術をベースに、これから社会が必要とするものを作る」との理念に基づき、事業を展開しています。
 20/3期のセグメント別連結売上高構成比(外部顧客への売上高)は、電子事業45%、セラミック事業30%、建設事業2%、その他事業(建材、合成樹脂加工、農畜水産物加工、石油製品販売、情報サービスなど)24%です。

 同じく全社費用等調整前の営業利益の構成比は、電子事業75%、セラミック事業▲5%、建設事業8%、その他事業22%となりました。
 21/3期からは、建設事業をその他事業に含めています。

 主力の電子事業で扱うプリント配線板は、様々な電子部品を搭載し電子回路を構築するための板のことです。
 ICパッケージ基板は、配線幅が10億分の1メートル単位であるICチップと配線幅が100万分の1メートル単位であるマザーボードを電気的につなぎ合わせる橋渡しをし、ICチップをホコリや湿気から保護する役割を果たしています。
 同社はパソコン(PC)のMPUやチップセット、ゲーム機器向け製品など、最先端のフリップチップ(FC)実装用ICパッケージ基板(FC-PKG)を中心に供給しています。CPU大手の米インテルなどが主要顧客であり、その技術力に対し、世界的に高評価を得ています。

 セラミック事業では、世界で初めて実用化したSiC(炭化ケイ素)製DPFや、触媒担体保持・シール材といった自動車排気系部品、特殊炭素製品などを製造販売しています。
 SiC製DPFは、ディーゼル車の排ガスに含まれる黒煙を99%以上捕集することが可能な能力を有し、排ガスのクリーン化に大きく貢献しています。また、SiCの持つ高熱伝導性、高強度、高耐熱性を生かし、分割組立方式の高い熱応力に耐える設計によって、多様な形状に対応しています。


◆中期経営計画


 同社は現在、5カ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」(19
/3期~23/3期)を推進しています。会社側は、電子事業、セラミック事業など既存事業の着実な成長を図り、新規事業の育成を進め、バランスの良い事業ポートフォリオの構築を指向するとしています。

 中計の定量的目標は当初、最終年度の23/3期に売上高4300億円、営業利益450億円、売上高営業利益率10.5%を目指すとしていました。
 しかし、新型コロナの感染拡大に伴う市場環境変化などを踏まえ、売上高の目標を4000億円に引き下げましたが、高付加価値製品へのシフトを進めるとして、営業利益目標は450億円で変更していません(売上高営業利益率の目標は11.3%)。

【成長ドライバー】

◆ICパッケージ基板の拡大

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