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バリュー&グロース銘柄発掘情報 #1【バリュー】三菱商事(8058)2021/03/02


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       バリュー&グロース銘柄発掘情報 第1号

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 プロフェッショナルの執筆者を中心に、グロース銘柄&バリュー銘柄を毎回1銘柄発掘してレポートする内容です。
 毎月第1第3火曜日配信、1回に1銘柄の深掘りレポートです。


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               【目次】


■はじめに
■【バリュー】三菱商事(8058) 客員アナリスト 水島寒月


※本メルマガの一部内容を、億の近道へ抜粋の上掲載することがございますので、あらかじめご了承下さい。


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■はじめに


【バリューグロース銘柄プロジェクトより】

 当サービスは、金融のプロフェッショナルを中心とした執筆者が、その時々の注目銘柄の中からバリューもしくはグロースの企業をピックアップし、分析するものです。
 スタンスは中長期投資です。
 ぜひあなたの株式投資ライフにお役立てください。

 本日初回はバリュー銘柄として三菱商事をレポートします。


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■【バリュー】三菱商事(8058)

【注目ポイント】


◆投資家なら誰もが名前を知る国内首位級の総合商社です。
 現在、株式市場では世界的にグロース株物色一辺倒から、バリュー株にも注目が集まりつつあります。
 今回は、分散投資の観点からバリュー株として注目してみたいと思います。


◆バリュー株としてみた場合の同社の注目点は、現在の中期経営計画(20/3期~22/3期)で、株主還元方針として「累進配当」(毎期、配当金を増額していく)を採用していることです。
 このため、配当利回りは直近で上昇の目立つ総合商社株にあって、高めであり、2月26日(金)の終値ベースでは、伊藤忠(8001)が2.77%、丸紅(8002)が3.52%、三井物(8031)が3.53%、住友商(8053)が4.54%、三菱商(8058)が4.46%となっています。


◆環境対応については、既に一般炭の上流権益からの完全撤退を実現しています(上記5社の中では同社と丸紅のみ実現)。石炭火力発電についても、撤退を進め、資源の上流権益は、天然ガス、原料炭、銅に集中しつつあります。
 再生可能エネルギー事業も強化しており、20年3月には約5000億円を投じて再生可能エネルギー事業に強みを持つオランダの総合エネルギー企業Eneco社を買収しました(出資比率は同社80%、中部電20%)。


◆コロナ禍に伴う世界的な景気の落ち込みに対応、主要国政府および中央銀行は大規模な財政出動および金融緩和を進めていますが、これらの効果で世界景気および資源市況は回復傾向にあります。資源・非資源の両分野に幅広い収益基盤を有する同社にとり、経営環境は改善しつつあると言えます。


◆20年8月には、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが日本の5大総合商社株に投資したことが明らかになりました。バークシャーとの協業の可能性を含め、同社にとり、事業投資の機会拡大などにつながるものと考えます。

【会社概要】

◆沿革


 1918年に三菱合資会社営業部が独立して発足し、戦前から三菱財閥の総合商社として活躍しました。
 戦後、連合国総司令部(GHQ)の命令により解散しましたが、1950年、(旧)三菱商事の第二会社「光和実業」として設立。1952年に三菱商事に改称し、(旧)三菱商事の系譜を継ぐ企業群が再結集しました。
 戦後は資源の乏しい日本にあって、三井物産(8031)とともに、国策的な資源確保の事業を推進。また、三菱グループ各社の代理店として貿易の拡大をはじめ各種のニーズに応えながら、業容を拡大。代理店業務、トレーディング業務から事業投資、事業経営に軸足を移しつつあります。

 長らく、純利益額、株価水準、時価総額で総合商社首位を維持してきましたが、直近では伊藤忠に抜かれるに至っています。しかし、世界的な景気回復、資源市況の上昇、グループ企業の収益構造改革の進展などを背景に巻き返しが見込まれます。


◆事業概要


 歴史的に資源関連事業(原料炭、銅、LNG=液化天然ガス=など資源の上流権益の保有、トレーディング)に強く、機械、生活産業、化学品など非資源分野にも強い収益基盤を有しています。

 資源分野では、原料炭事業を豪州において世界的資源メジャーBHPビリトンと合弁(折半出資)で展開しており、年間生産能力は6300万トンに達しています(20/3期実績)。また、原油・天然ガス上流持分生産量は
 24.1万バレル/日(2019年平均実績)、銅の持分生産量は23.8万トンです(2019年実績)。
 それぞれ、価格変動が純利益にもたらすインパクトは(年間ベース)、原料炭が1ドル/トンの上昇(下落)で22億円程度の増益(減益)、原油・天然ガスが1ドル/バレルの上昇(下落)で25億円程度の増益(減益)、銅が100ドル/トンの上昇(下落)で13億円の増益(減益)と推定されます。
 さらに大口案件の開発も進めており、12年に参画した北米のキャメロンLNG(液化天然ガス)プロジェクト(年間生産能力1200万トン、同社の出資比率33.3%)は今21/3期にフル生産に達しつつあります。
 また、ペルーのケジャベコ銅鉱山(生産開始後10年間平均の年間生産量30万トン、同社の出資比率40.0%)は22年中の生産開始を予定しています。

 非資源分野でも、19年12月にはNTTとDX(デジタル・トランスフォーメーション)による産業バリューチェーンの変革と新たな価値創出を目的とした業務提携に合意しました。DXの取り組みを食品流通分野および食品以外の流通分野、プラント、鉱山等の操業分野、スマートシティ開発等の都市運営分野に拡充する方針です。

 また、既述のように、20年3月には欧州で総合エネルギー事業を展開するEneco社を買収しています(出資比率は同社80.0%、中部電20.0%)。
 主な連結子会社はローソン(2651)、三菱食品(7451)、メタルワン(非上場)など。持分法適用会社は千代田化工建設(6366)、三菱自動車工業(7211)、三菱UFJリース(8593)などです。

 20/3期の売上構成比は(外部顧客からの売上総利益ベース)、天然ガス1%、総合素材8%、石油・化学3%、金属資源13%、産業インフラ5%、自動車・モビリティ7%、食品産業14%、コンシューマー産業43%、電力ソリューション2%、複合都市開発2%となっています。

【財務分析】

◆累進配当の持続性

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