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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」オーナンバ(5816) 2009/01/06

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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 億の近道火曜日の大人気執筆者、石川臨太郎が皆様へお贈りするメールマガジンの第2回目です。週に1回(火曜日を予定)配信いたします。
 2009年1月20日配信分まで無料でお読みいただけますので、まずは内容を吟味いただき、納得いただきましたら有料購読をお願いいたします。
 なお、この有料メルマガの売り上げの一部は、億の近道の発行運営に活用されます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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            ◆Contents◆

   ◇有料メルマガの方針について
   ◇銘柄研究「オーナンバ(5816)」
   ◇コラム「インカムゲインの投資判断基準」
   ◇コラム「株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント」

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◇有料メルマガの方針について

 このメルマガでは、
1.企業研究
2.コラム
・自分の決めたことを実行に移すために役立つ考え方を紹介
・調査に使うツールなどについて紹介

以上のコンテンツを週に1回配信いたします。

1.企業研究
A)「将来に向けて株価が大きく回復する可能性を秘めた、将来を託すのに
   不安の無い企業群」
 ・時価総額が数百億円規模と、それなりに大きくて日本を代表するような企業
 ・自己資本比率が主に50%以上の企業
 ・事業価値の高い企業
B)「いま現在の収益を上げるため、株価の上昇が期待できなくてもインカムゲインという高い経済的効用を得られる企業群」
 ・配当と優待を合わせた総合利回りが高い企業(今の相場環境では6%以上)
 ・低PBRかつ低PERのバリュー株。
 ・過去に蓄えた資産(現・預金+投資有価証券+不動産)が時価総額の2倍を超えるような配当優待総合高利回り企業。

以上、二つのカテゴリーの企業を取り上げていきます。

2.コラム
 銘柄研究も大事ですが、自分が考えたとおりに投資を実行できなければ、成果を得ることは出来ません。
 多くの投資家は、自分の買い値より安くなってしまった含み損のある株を売って、新しい株に投資することに精神的に苦痛を感じて、ポートフォリオの組み換えが出来ない方も多いです。また銘柄シフトを実行しても、損をしたことで精神的に病んでしまったり、自分を責めすぎて暗い人生を自分で作り出してしまっている方も多いです。
 投資が自分の思惑通りにいかずに精神的に苦痛を受け続けるのは、あまり有意義なことではありません。そんなとき、どう考えて、自分を納得させていくのか。そのためのヒントになるようなことも取り上げていきます。

 株式投資を実践していくのは、舗装されていない悪路を車で走るのと同じようなリスクが伴います。アップダウンが激しく、がけ崩れや、落石もときどき起こす株式市場という舗装されていない変化に富んだ悪路、厳しいけれど、目的地にたどり着けば、大きなお宝の山が待っているという、素晴らしい黄金道路でもある道を、なるべく安全に運行し、完走するための技術を身につける。そのための努力を、ごいっしょにさせていただくことが出来たら、とてもうれしいです。

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◇銘柄研究 オーナンバ(5816)

 オーナンバはインカムゲインを確保する目的で投資する企業と判断します。
まずはインカムゲインの利回りから確認していきます。
 株価は12月30日時点では282円です。配当(予定)は年12円。優待は100株でクオカード500円分です。配当優待総合利回りは6.02%に回ります。実はキャピタルゲイン狙いも可能と判断しています。それほど魅力が高いです。しかし、今回は配当優待利回り株という点を強調して調べていきます。

 当初、オーナンバを研究銘柄として選定して、資料を作り始めた12月初旬の株価は200円前後で配当優待利回りは8%を超えていました。それまで数ヶ月間200円前後で推移していた株価が12月19日あたりから急に上がり始めて、40%も上昇しているので、利食い売りの出る可能性もあるし、今すぐ投資すべきかどうかは躊躇する状況です。ただこれから調べていくように、まだまだ割安で将来性はあるので、投資対象としてウォッチしていく価値は高いと考えて、予定どおり第2回目の研究銘柄としました。
 
 ではオーナンバの資産価値から、まずは調べていきます。
http://ir.nikkei.co.jp/irftp/data/tdnr1/tdnetg3/20081112/5co2pn/140120081110009531.pdfhttp://ir.nikkei.co.jp/irftp/data/tdnr1/tdnetg3/20081112/5co2pn/140120081110009531.pdf

 平成21年3月期第2四半期の決算短信で調べました。

 現・預金43.1億円+投資有価証券9.0億円+売掛債権(売掛金+受取手形)87.2億円+在庫56.9億円+土地簿価13.1億円-全部の負債(他人資本全部)132.7億円=76.6億円

 時価総額は35.2億円です。

 私は有価証券報告書の主要設備欄にある日本国内の所有土地と公示地価格との比較で含み益を計算することにしていますが、日本の土地だけで約11億円の含みがあると判断しています。

 282円で全株取得できれば、流動資産を全て回収できれば投資額の1.8倍程度の現金と国内外の工場が手に入ります。過去4年平均で毎期8.6億円の経常利益を生み出す工場がタダで手に入ることになります。

 次に事業価値を調べてみます。いま述べたように直近の四季報(2009年第1集)で調べられる限り、赤字になったことはありません。

 事業は、家電や情報機器など民生機器用の電線ハーネス(機器内接結束線)の国内トップ企業です。昔から海外展開の好きな企業で、従業員6022名(2008年3月末の正社員)のうち日本にはたった317名しかおらず、残りは全て海外です。ヨーロッパや北米は日本と同じ程度ですが、アジアの生産拠点には5101名を配しています。

 中期事業計画↓にあるとおり、従来の主力、薄型テレビ向けワイヤーハーネスは微増で、太陽光発電配線ユニット、自動車用ワイヤーハーネスなど新分野への取り組みを強化しています。

 自動車関連は自動車減産の影響で計画を達成できないようですが、これは将来の楽しみとして、いま一番期待できるのは太陽光発電配線ユニットです。

 全体の売上低迷をカバーしているのが、この分野です。
 http://www.onamba.co.jp/pdf/whatsnew20071019.pdf

 太陽光発電関連事業は急速な勢いで伸びており、いままでは業界団体や統計資料が整備されるほど、規模が大きくありませんでした。私が独自にシャープやオーナンバなど太陽光発電関係の企業のIRに取材した情報をまとめると、太陽光発電配線ユニットの世界市場規模は1600億円程度と、まだ小さいです。しかし富士経済のレポートにあるように太陽光発電市場は急速に伸びており、太陽光発電配線ユニットの市場規模も拡大すると判断できます。
 国内で太陽光発電配線ユニットの製造に参入している企業はオーナンバを含め4社程度です。オーナンバのシェアが大きく50%を確保し、世界市場に占める日本企業のシェアから、オーナンバのホームページのトップには「世界シェアトップ」と書かれています。

 ただ、シャープのIRに確認したところ配線ユニットの耐用年数は20年を要求しているとのことで、オーナンバのIRの答えも耐用年数20年を求められているとのことでした。素人目には20年の耐用年数は、けっこう厳しい要求だと感じます。

 IRに質問して判明したのは、国内パネルメーカーが海外受注した時は配線ユニットとセットで販売するので、日本のパネルメーカーの売上が上がれば、オーナンバの売上も自動的に上がっていくということです。

 海外メーカーはパネルと配線ユニットは別売になるので三井物産と組んで販売推進中で、この海外向け販売も順調とのことで、期待が大きいです。

 10月時点では自動車関連と建設関連が不調で、主力の家電、民生機器用電線ハーネスは堅調、太陽光発電ユニットは好調とのことで、今期については予想通りの業績を期待できそうです。ただし円高などの為替についての影響は不明です。円高の影響は海外子会社の売上や利益が海外通貨建てなので、決算時点の為替によって円換算で目減りすることもありますが、円高で採算が合わなくなる可能性は、かなり低いと判断します。

 株式会社 富士経済の世界の太陽電池市場の動向調査に関するレポート↓も一読をお薦めします。
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/080808_08060.pdf

 このレポートによると、世界の太陽電池需要は
2007年 1兆2,008億円⇒2012年予測 4兆6,751億円
の3.9倍になるとのことで、オーナンバも老後を託せる安心企業だと判断しています。もし長期投資対象とする場合は、配当優待総合利回り最大化のための1単位投資ではなく、優待権利以上に投資することも視野に入れるといいでしょう。
 ただ現状は、太陽光発電関連として急速に資金が入り込み株価は短期間に30%以上上がり配当利回りは低くなりました。
 配当銘柄としてではなく、環境関連銘柄として投資しても良い企業だと判断していますが、単位株以上投資する場合は次回の決算短信後の株価の動向を見ながら投資判断をすることが必要だと考えます。
 人気だけで急速に上がる場合は、直ぐ利食いで下がる可能性が大きいです。長期投資をするならば、安い時に買う、安くなるまで待つという忍耐力をつけることも大切なことです。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◇コラム:インカムゲインの投資判断基準

 私が株式投資を行なう目的は、安定的な配当や優待で経済的なメリットを
享受することです。配当と優待で生活費を賄えるほど稼げれば、理想ですが、なかなかそうは問屋がおろしません。優待は1単位で持つ場合に、一番配当優待総合利回りが高い場合が多いので、必然的に分散が計れて、リスク分散ができることも投資メリットとして考えることができます。

 優待については、いろいろな楽しみ方がありますが、私の場合は優待銘の
うち1)金券優待2)特定の食べ物優待3)選べる食べ物ギフト券という順
位付けをしています。当初は選べる食べ物ギフト券のほうが、選択の幅が広
いので第2順位としていましたが、例えば郵便局の選べるギフト3000円
がもらえる場合など、送料が3000円の中に入っているので、割高感が出
てきます。そこで特定の食品で自分にとって満足の高い優待品をいただける
銘柄の優先順位を上げました。

 金券にも、いろいろありますがクオカード、ギフトカード(VISAカー
ドなど)、全国百貨店共通商品券、図書カード、お米券などは税金も課税さ
れないために、配当より有利です。

 クオカードでは新日本石油系列やJA系列のガソリンスタンドで使えるの
で、我が家では6か月分のガソリン代をカバーできるようになりました。お
米券もお店によっては他の商品を買える場合もあり、金券ショップでも高く
引き取ってもらえます。我が家はお米の年間消費量以上のお米券をもらえる
ようにしています。四季報や投資関係の図書はすべて図書カードで賄えるよ
うになりました。また年間に飲むコーヒーも優待で全て賄えるようになりま
した。日本茶の好きな我が家では農林大臣賞を常連で受賞するような農園の
質の高い新茶をいただける優待で新茶1キロ分も確保しています。福井の銘
酒「黒龍」の大吟醸や青森のサンふじりんご6キロ、三ケ日青島みかんも5
000円分確保しています。

 食べ物は生きていくためには必要不可欠なものなので、貰えなければお金
払って買うしかありません。必要のないものを優待でもらう気もないし、あ
くまでも自分にとって経済的効用のあるものとして、配当と同レベルで考え
て、その企業に投資するかどうかの判断をしています。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◇コラム:株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント

 株式投資でリスクを軽減する方法として損切りということが、いろいろな
株式投資の本で触れられています。買った株が買い値より値下がりした場合、買い値より、どの程度下がったら自分の投資ルールとして強制的に株を売るかという、取り決めをしておくべきだと書かれている本が多いです。しかし自分の投資の手法によっては一律的な損切りルールが、相応しくない投資手法もあります。バリュー株投資というのは、一律の損切りルールを持つことが、取引手法と矛盾してしまうものであるという意見も多いです。

 私はバリュー株投資系の投資スタイルですが、私は自分の買った値段より
下がった株価でも、平気で売ります。それは損切りという考え方ではなく、
他の株に資金を振り向ける。または市場が混乱してきて、持ち株が更に下が
る可能性があり、一旦手放して下がったところを買い戻した方が、お得だ。
そんな判断のもとに投資行動、売買を行ないます。

 もちろん思惑に反して売った株が上がってしまうことも良くありますが、
気にしません。それでストレスを溜めることはありません。こういう投資ス
タイルなら、こうしなければならないという、固定的な、頭の固い考え方で
は、参加している投資家、投機家たちの感情の渦が巻き起こす株価の乱高下
に、対処することができないと考えています。

 私は優待株投資が好きで優待族であるという自覚は持っています。しかし、自分の老後を託せるような企業が優待制度を持っていなくても、平気で買います。優待銘柄の株価が上がって割高だと感じたら、優待品にこだわらずに手放すのも平気です。ただ、自分の住んでいる町では、手に入らない、福井の銘酒「黒龍」の大吟醸がいただける優待や、市販されていないので優待でもらうしか手に入れる手段のないダイオーズのコーヒー、簡単には買えない栽培ノウハウの優れたお茶農園の100グラム2000円以上する新茶の優待などには、株価の割高感など無視して所有し続けます。優待に目がくらんでいるわけです。なぜこんなことが出来るのかは、自分にとって何が価値があり、何が価値が無いかをしっかりと見極めているからです。だから株価が上がろうと下がろうと気にすることはありません。もちろん絶対売るつもりがないので、上がった方がうれしいですが・・・。

 自分がどのような投資スタイルで投資しているかを把握して、自分のルー
ルに従って投資を行っていくことは、大切です。しかし自分の健康状態、家
族の状況(子供が生まれるとか、大学院に進学するとか)、収入の状態。こ
れらは常に変っていきます。その時々にあった投資ルールを、新たに構築す
る能力も、自分で投資を実践していくことによって、始めて養われてくるも
のです。そうでなければ、生き残っていくことは出来ません。

 進化論のダーウィンは「最も強いものが生き残ったのでも、最も賢いもの
が生き延びたわけでもない。唯一生き残るのは変化できるものだ」というこ
とを「種の起源」のなかで述べているそうです。その時々の環境の変化で、
自分も変ることができる。それが生き残るための最大のポイントなのです。

 人は一旦手に入れたものを手放すことを嫌います。また失ってしまったも
のを嘆き悲しむことも良くあります。投資でも株価が下がって金融資産が減
ってしまったことを嘆きながら、文句を言いながら、つまらない人生を生き
ている人々が多いです。

 しかし失ったもののリスト(=不幸のリスト)を作って、更に失ってしま
った原因を他人のせいにして他人を恨みながら生きている人の未来は、とて
も暗いです。そのことによって愛する家族を失ってしまう愚かな人もいるよ
うです。呪いは自分に降りかかってくる。「人を呪えば、穴二つ。」その穴
に自分も落ちることを経験則として昔の人は教えてくれています。

 たとえ失ったものがあったとしても、まだ持っているものもたくさんある
と思います。失ったことを悲しんで、まだ持っているものさえも、更に失う
のは愚かです。まだ持っているものを、いかに有効に使って将来に生かすか。
そう考え行動することによって、未来は開かれていくのだと信じています。
砂漠で遭難して水筒の水が半分になったとき、もう半分しかないと恐れて行
動できなくなる人の生存率は低くて、まだ半分もあると勇気と希望を持って
生き抜く努力をする人の生存率は高い。当たり前のことですが、投資家にと
っても忘れてはいけない大切なことだと思います。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:magazine@iforum.jp
 http://www.iforum.jp/
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