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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」ベルク(9974) 2012/04/10

割引あり

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

  ◇銘柄研究「ベルク(9974)」
  ◇コラム 急速に投資環境が悪化してきたのでキャッシュは退避させる

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◇銘柄研究 ベルク(9974)

 本日は、1959年(昭和34年)創業の食品スーパーであるベルクを研究銘柄として取り上げます。

 ベルクは、埼玉県大里郡寄居町に本部を置き、埼玉県および群馬県南部を中心に東京都、千葉県、栃木県にも店舗を拡大して急成長しています。

 ベルクは、かつてはシジシージャパン(CGC)に加盟して、社団法人全国スーパーマーケット協会の会員でしたが、2006年7月にイオンと業務・資本提携を行い、2006年8月にイオンに第三者割当による新株式発行を行い、イオンはベルクの第2位の株主(出資シェア10%)となりました。その後もイオンによる株式の取得が進み、2006年11月にイオンはベルクの筆頭株主になり、さらに2008年2月期からベルクはイオンの持分法適用関連会社となり、イオングループとなりシージーシージャパンからは脱退しました。その時からイオンのプライベートブランドであるトップバリュ商品の販売に切り替えを行い、イオングループの役員を社外取締役に迎えました。

 イオンとの提携後に、ベルクの急速な利益成長がスタートしました。地方の食品スーパーには、地方の消費者に信頼されて根強いファンを持っていることで、業績の良い企業が散見されます。しかし、株価は安値に放置されているものが多いです。ベルクも、PERやPBRの投資指標や業績の成長力から見てとても割安な企業の一社です。

 ベルクの経常利益と純利益、一株利益の額を2006年2月期から並べてみます。

2006年2月期 30.04億円 16.14億円  87.5円
2007年2月期 36.06億円 18.35億円  92.2円
2008年2月期 42.19億円 22.56億円 108.1円
2009年2月期 42.96億円 22.62億円 108.4円
2010年2月期 46.30億円 24.42億円 117.1円
2011年2月期 52.43億円 26.66億円 127.8円
2012年2月期予64.00億円 34.08億円 163.32円

 ベルクの利益は、2011年2月期から増益幅が大きくなってきたように見えます。この理由をIRに質問すると、事業規模が大きくなってきたので、従来よりも立地の良いところに店舗を新設する力がついてきたことが要因だという説明を受けました。新設の店舗数は、従来と同様に1年間で4店舗程度と増加数が加速しているわけではありません。したがって、既存店での利益がベルクの業績を支えているのだと考えました。

 食品スーパーやドラックストアーなどの小売業は、月次の売上高情報を開示してくれている企業が多いですが、ベルクは月次指標の開示をしていません。その点についてIRに質問しましたが、IRからは『売上などがそれほど急に変動することは無いので月次の業績推移を開示しても、意味が無いと考えている。』というそっけない回答が返ってきました。

 多くの食品スーパーやドラックストアーなどを見ていても、既存店の売り上げなどは前期比マイナスの企業も多く、利益拡大は新店舗の出店に依存していることが多いです。しかしベルクのIRの話では、2012年2月期も、2011年2月期も既存店売上は前期比プラスを維持しているとのことでした。

 イオンと提携し、イオングループに入ったことから、信用力も格段に増加して、資金調達力や商品の安定確保力も大きく増加しました。この提携は成功だったと考えます。

 店舗展開も従来同様に堅実に行っており、大手のイオンの持分法適用関連会社となり、共同仕入れによる仕入れ価格競争力が強く、更にイオンのプライベートブランド「トップバリュ」の拡販などで、できるだけ安い商品を求める日本の消費者にアピールしやすい商品構成で、業績を伸ばすことが可能になったのだと判断しました。

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