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Lullaby制作ノート

2020年7月31日にリリースした初のソロアルバム「HAPPY SAD」について1曲づつセルフライナーのような、制作記のようなものを書いていこうと思います。
今回のアルバムは、全曲誰かにサウンドプロデュースしてもらう形で作ったので、サウンド面より、どちらかというと曲を作った時や詞を書いた時の回想録になるかもしれません。今回は1曲目「Lullaby」。


この曲は、ソロアルバムの制作の最初に書いた曲。
つまり、悲しみの真っ最中で書いた曲とも言える。でも、どちらかというと「悲しい」というよりも歌詞の中にも出てくる「不安」という感情でいっぱいの頃に書いた。会社があったので、毎日かろうじて起きて出勤はしていたけど、今みたいなリモート期間だったら、食えない、寝れない、動けない状態で絶対おかしくなってたと思う。会社員でよかった。

それでも、こんなに軽快でどこか爽やかな曲に仕上がってるのは、やっぱりアレンジが上田修平くんだからだと思う。この「キャッチーでポップな悲しみ」みたいな感触がこのアルバムの象徴的な曲になったと思う。

上田くんには、ソロアルバムを作ろうと思って最初に相談して、この曲のアレンジと全ての曲のミックスをお願いした。この時はまさか、制作に4年もかかってリリースする頃には年号が新しくなってるなんて思ってもなかった。

最初の相談から、最後のマスタリングまで懲りずにというか、気長に制作に付き合ってくれた上田くんには本当に感謝しています。

デモ音源
今までやったことないけど、デモ音源を公開してみます。
消したくなったら消すかも!

こうして改めてデモを聞いてみると、やっぱり上田くんのアレンジでだいぶ空気感が変わってて面白い。こういう、悲しみを少しずつ別のものにアレンジしていくことが、このアルバムの制作期間中、長い時間をかけて僕の中で行われていたもう1つの作業のように感じる。

あと、デモにあった「忘れたいのに」という歌詞がなくなっている。

デモ音源を聞かしてすぐ、上田くんからTodd Rundgrenの「Long Flowing Robe」みたいなクラビを入れようというアイデアが出た。

そこで、アナのレコーディングやライブでサポートしてくれてて、信頼しているキーボーディスト植木晴彦くんにクラビをお願いした。

このアルバムの最初のレコーディングは、当時まだ京都にあった上田くんのスタジオで行なっていて、夜行バスで京都に行っては4日間くらい泊まり込みでレコーディングしていた。

レコーディング中に植木くんからクラビの素材が送られてきて、ちょうど別曲のレコーディングで来ていた古川雄大くんにSAXを入れてもらって曲が一気に華やかになったのを覚えている。

その後、上田くんは東京に引っ越してきて、東京のスタジオでカンバスの小川タカシくんと、当時アナでサポートをお願いしていた菱川浩太郎くん(exカンバス)にギターとベースを弾いてもらい2016年中にはほとんど完成していたと思う。


君が思うより僕は きっと君にとって確かな光さ

この曲で一番好きなライン。余白みたいなこれからの人生に不安を抱えていた時期に、こんなことを言えちゃうのだから音楽ってすごいなと思う。






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