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猫のご飯を手作りした話

はじめに

猿に味覚はあるのか ケーキの甘さを感じとれるか わからないーー

これは、90年代に一世を風靡し社会現象となったバンド『たま』が、代表曲『さよなら人類』をフジテレビ『夜のヒットスタジオ』で披露した際、ボーカルの一人の柳原陽一郎さんが間奏にアドリブで歌った詞である。

猫に限らずペットのエサを手作りするというと、しばしば僕は敬遠してしまう。人間にとって美味しいものが動物にとって美味しいとは限らないし、栄養面を考えれば完全食を与える方がずっといい。子どもの誕生日を祝うことは心の発育に良いとされている(発達的に?)が、ペットに暦はわからない。
つまりこの類の話は、飼い主の自己満足であるケースがほとんどだからです。それか自然派。

そういった自己満足や、SNSで注目を浴びたいなどの理由でペットのエサを手作りすることは、僕はしてはいけないと思っています。

当然ですが個人の意見です。『たま』のメンバーさんと関係はありません。また、この記事の内容は、僕が様々なメディアを通じて得た意見を、拙い僕の科学の知識で判断して書いた、メモ程度のものです。猫のご飯を作るときは自己責任で。

これは、お世話になっている本。

目的

今回僕が愛猫のエピの誕生日にエサを手作りしたのは、子孫を残す楽しみのない家猫にとっての幸せの一つである食事に、メリハリをつけるためです。
このメリハリというのは実はほとんどのペットや動物園の動物にとって結構大事なことで、退屈・孤独・単調な毎日というのは動物の一生における幸福を大きく損なうことになるからです。実際、ネコ科のエサを毎日違う場所に配置することで楽しませている動物園もあるといいます。
市販のエサは意外と種類が豊富で、毎日違う味のエサを与えるだけでもメリハリはあるのかもしれませんが、見た目にはほとんど大差ないです。いわゆるシーチキン状か、カリカリ。メリハリをつけるためには、このあたりを攻めたい。

注意① 与えてはいけないもの

犬や猫に与えてはいけない食材を皆さんはご存知でしょうか。
チョコレート? ネギ類? アボカド? いやいやまだあります。
ナッツ類、カフェイン、アルコールももちろんNG。

動物の生活にメリハリをとは言いましたが、色々な食材を試すのはダメです。食材のミスは、贖罪しきれません。新たに挑戦するのではなく、誰かが与えているのを見たことのあるものを与えましょう。それでも正しいとは限りませんが。

注意② お肉について

次に、トキソプラズマという寄生虫について。まぁ知らなくても大丈夫なんですが。これに寄生されたネズミは脳を侵されて怖いもの知らずになって、猫の前にも平気で飛び出してくるようになるってやつです。猫の腸で繫殖するための知恵ですね。怖っ

こういった寄生虫が生肉にいるかもしれませんってだけの話です。脂が少ない鶏ささみを、しっかり茹でたり蒸したりしてから与えましょう。

じゃあ馬肉は? 羊肉は? タンは? ホルモンは? と聞かれても知らないです。専門家じゃないので。無難な鶏ささみだけで、どうにか食事にメリハリをつけましょう。

注意③ 魚について

イカや貝など寄生虫の心配のあるものは避けるのが吉。エビなども消化不良を起こすかも。
小骨を取り除いて、身の部分だけをすり潰して与えればOKです。
刺身用なら生食でも一応可ですが、あげすぎは注意です。ビタミン不足になります。特に生のマグロや青魚は注意。

注意④ その他

他にも色々ありますが、いずれもあげすぎは注意です。

例えばお米。犬猫はアミラーゼをそんなに持ってないので上手く消化できません。ヒトにとってのセルロースみたいなものです。

また上記の食材でも、あげすぎると栄養が偏ります。
もう一度言いますが、栄養面を考えるとキャットフードが一番良いのです。

実践

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そして今回僕が作ったのが、これ。まさかのイラストです。
note用に写真を撮るという文化がまだないので、勘弁してください。

ポイントは、
・ぶんぶんチョッパーでミンチにした生のマグロ赤身を少し、室温で
・猫用のかつお節からとった出汁を人肌の温度にしてかける
・カリカリのキャットフードを出汁でほぐす

ということです。温度や匂いに関しても猫にとっては大事なのです。

結果発表

エピにとって、初めての生魚。
「え、これ大丈夫なの?」という感じで何度も僕の顔を見てきますが無視。それとなく様子は見ますが。
恐る恐るマグロをペロっと……すると……普通に食べてました。
そしてあっという間に完食。生魚の味を覚えてしまったのか……

急な変化に戸惑ったのだと思います。そこは反省。エピはすぐに適応してくれましたが、いつもと違うご飯は食べない猫もいるとは思います。

無理に食べさせず、徐々に慣らすか諦めること。
そして何度も作らないこと。栄養が偏ります。
普段はキャットフードが最適。

最後に

この記事書いてるとき『夏の前日』がイヤーワームだった