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セビージャひるね暮らし(27)

※2021年の記録です。

10.12 火 晴れ España旅行第27日目 Madrid

 8時台に目覚める。ゴンサロとメールやりとり。待ち合わせを決める。これで一つ。次は明日のPCRだな。

 PCRについてネットで検索。マドリ市内の近くの病院で受けられると分かり、電話をしてみるが自動音声で繋がらない。「イスパニアデ-」だから?

 ロビーに降りてってフロントのねいちゃんに話し、今日か明日の予約を取ってもらうことに。部屋に電話してくれるというのだが…話通じてるよね? 費用は500ナンボとか。クソ高いがしょうがない。

 部屋に戻って10時。トレーニング。マドリでもしっかりやるぞ。続けられてる限り、大丈夫。何でもどうとでもできる自信がある。ドゥチャールセして身体を洗う。

 朝食は、お湯を沸かしてインスタントカフェ。昨日ディア(スーパー)で買ってきたパンの残りとハモン、ケソ。

 戦闘機の4機編隊が3組(4組?)オテルの頭上を通過していった。輸送機を中心にした3機編隊が続く。赤とオレンジ色の練習機、さらにヘリコが多数。「イスパニアデー」関係であろうな。最後?は曲技飛行チームらしき7機編隊。こんなお祭りやってんじゃ病院も検査もお休み? 困ったね。

 再度フロントへ。チェックアウト立て込んでてねいちゃんたち忙しそう。で、人がハケたところで訊いたら「まだ予約してない」ちうんで、予約ついでにクレカ使えるか確認してくれ、ダメなら金下ろしに行かなきゃだから、
と。で、改めてお値段を確認したら、500じゃなくて105エウロスだった。ヒアリングダメぷーじゃん。その程度なら手持ちで大丈夫。その場でねいちゃんが電話してくれて、今日の16時に予約。オテルの部屋まで来てくれるんだと。支払いは現金のみ、と。

 ディア行ってプチ買い出し。お土産はメヒジョネス(ムール貝)の缶詰にした。4個買う。それとディアブランドのカップ麺。

 帰オテルしてカップ麺で朝飯の補填。ヤキモト(カップ麺の別ブランド)よか旨い。魔法(化調)味満点だけど。

 まあ、何とかかんとか進行してるかな。我ながらよくやってると思う。で、旅の最後にマドリ3日とった嫁さんの「先見の明」に感心する。これで最終日前日の明日13日をマドリ観光に使える。14日は早朝出立だしな。13時半のフライトってことは、10時には空港に着いていたい。9時にはチェックアウトして出立だ。

 家計簿をつける。

 さてと今13時07分。検査のひとが来るまで3時間弱。自分の「スペイン旅行史」をざっと振り返ってみるか。

 16時ちょうどに「クリニカ・セダール」のねいちゃんが来てPCR検査完了。明日同時刻にクリニカまで来いってさ。そこで日本用書類に判子その他くれるって。丸一日かかるんなら、今日やっておいて良かった。明日じゃ間に合わん。これをクリアするのが、今回の旅行の最終課題であるようだ。

 ひと仕事片付けて缶セルベッサぷしゅー。さらに赤ビノでパタリとシエスタしよう。目覚ましちゃんとかけて。

「旅行史」調べて分かった。今回が6度目のスペインなんだ。4度目が最長の丸々1か月で、一人旅の前半と、嫁さんとレンタカー借りての後半の2部構成だったから、記憶が2回分にカウントしてたんだ。「旅」的には、この4度目が一番ハードであり、冒険に近かった。よくもまあ、あんなにあちこち回ったもんだよ。今回が一番「楽」。「旅」じゃなくて「住」だから。

 それにしても「初旅行」が11年前で、2度目が6年前。本気旅行がわずか4年前というのは、ちと驚き。もっともっとずーっと前からスペイン行ってて、ハマりまくってたように思ってたから。これじゃまだまだ「にわか」じゃんよ。

 いや逆だ。スペイン語学び始めて6年。その間に自分の中のスペインとスペイン語が、すごい勢いででっかくなってきたんだ。晩年を大きく変えるほどに。社畜人生に見切りをつけて、早期退職したのも、その流れ。人生を大きく変えて、変わる前の「人生」を「何であんなことしてたんだろ」と思わせる。こういうのを「福音」と呼ぶのだと思う。まさに福音。

 さらに言えば3年前の「無茶」の反省としてトレーニング始めて、「生涯最高筋肉量」を更新し続けてるのも、福音もしくは「おかげさま」だ。「悪いこと」は何一つない。逆に「日本」がちょっとずつ嫌になっている。コロナなんちゃらで「善良な、いちスペイン旅行者」の自分に無駄な手間と無駄金を遣わせる厚生労働省とかさ。

 シエスターの17時42分。

 目覚めて18時半過ぎ。やっぱ「1時間」が定量なのよ。

 朝やってなかった、ストレッチを入念にやっておく。スペイン旅行4度目じゃ、最後の最後に腰痛発作起こしてるからな。あれは飛行機のビジネス席で熟睡したのが原因だった。鉄道の寝台車でも同じことがあった。以後「ビジネス」は忌避してる。高いお値段払って腰痛めたんじゃ割に合わんですからね。

 さて、ゴンサロとデートだ、の19時56分。

 20時ちょい前に出ようとしたところで電話が鳴ってゴンサロだった。久闊を叙す。で、前に何度か行った「壁画」の店に行く。メチャたんと話す。いやホント。自分自身、話し相手に飢えていたのかもしれない。PCR検査のねいちゃんとも自分にしちゃ、けっこう話したもんな。逆にあまり飲み食いしなかった。自分がカーニャ3つにゴンサロがコーラみたいなの2つ。つまみはカレー味の鶏肉のピンチョとクロケタをラシオン(1人前)。あっと言う間に時が経ち、22時過ぎに店が閉まり始めたところで出る。勘定は無理くりゴンサロに奪われる。ま、「次」はおいらだ。オテルまで歩いて、そこでバイバイ。「次」はぜひとも嫁さんも一緒に、と。

 部屋で赤ビノ飲みつつ、日記をしたためてる22時55分。

 やっぱスペイン移住しよう。この国で死のう。セビージャでもいいし、最後の最後は大都会のマドリでも、逆に思いっきり田舎でもいい。ユーラシア大陸の東の端の島国で生まれて、西の端の半島で死ぬのが自分の人生。おお、壮大じゃん。距離だけ見れば(笑)

「旅行史」パラ読みしてあれこれ思い出したんだが、嫌な思いをしたことが皆無の国って珍しいよ。フランスは確実にダメ。気取ってて冷たい。隣国なのにどうしてこうも正反対なんだろ。ドイツも違う。堅苦しすぎ。やっぱスペインがいい。特に南。アンダルシーア。ゴンサロがコルドバを褒めてて、ああ、あそこも悪くないかな、と思った。グラナダも。セビージャのアパルタメント暮らしは、今回の「滞在」で分かったと思う。来年は、どっか安いところを1か月通しで借りよう。そんで、そこをベースにして、小リュック一つの身軽さで、いろんな町へ一泊旅行をしてみよう。

 スペイン語をもっともっとできるようにならんとな。ロサもゴンサロも褒めてくれるけど、評価基準が思いっきり低いから。それは分かってる。

 こうやって「前に進む」感があるならば、年を取るのも悪いことじゃない。「継続は力」的に着実な成果が得られる。残り寿命との等価交換として?(笑) いいじゃんそれで。それ以上、何を望むと言うのだ? 若返り? 勘弁してちょである。

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