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セビージャひるね暮らし(4)

※2021年の記録です。

9.19 日 晴れ España旅行第4日目 Sevilla

 昨日(つか今朝)は6時台に下の階で何やらガサゴソしてたり話し声が聞こえたりが気になって二度寝できず、そのまま今日に入る。

 朝食は昨日買ったパン、ケソ、トマテ、エスパッラゴ。スペイン朝ご飯はこんなんで十分。トマテ丸かじりじゃなく、ちゃんとナイフで切って皿に盛れるのは、アパルタメント暮らしでのカイゼン。

 必要なものがあれこれ見えてきた。身体洗う石鹸的なもの。歯磨き。ティッシュ…はあるのだろうか? ゴミ出し用の袋。ああそうだ。ゴミ出し場も確認しておかにゃだ。でっかいコンテナが路上に並んでる奴。お湯は電気ポッドで沸かせるのを今確認。ああ、茶碗が無いんだ。食器はプラスチックとガラスのみ。床が石貼りなんでガラスは極力使いたくない。ステンレスのマグ見つけたら買おう。何週間も居るんだし。で、問題は今日が日曜でスーパーの多くがお休みということ。幸いグーグルマップで開いてる店を探せる。

 日本から持って行こうと思って忘れたもの。水着…は多分使う機会が無い。バンダナ…これは痛恨。脳天が日焼けする。

 ゴミ箱発見。ベランダから下見たら、建物の真ん前にある。でがけに缶を捨ててこ。

 徒歩出立。生ゴミ用ゴミ箱だった。先にペット、缶その他の箱があったのでそっちに入れる。右方向の橋の道を右折。ほぼ唯一開いてるスーパーへ。リンゴ、キュウリ、ミニ白菜?、マッシュルーム、パン、安赤ビノ、セルベッサ缶2、ハモンぽいの(帰宅後見たらイベリコ豚のカシラ肉)、それにティッシュ。11.34エウロス。カルフールミニよか安い。

 帰路もどっこも開いてないのを確認。カフェテリアと八百屋が1軒ずつ。さて、こういう日こそ「観光地」ですよ。

 イサベル橋渡って対岸へ。まずは次とその次に泊まる予定のアパルタメントを確認してみる。通り名でざっくり所在地はチェック済み。まずはサラゴサ通りへ。分かりにくかった。「終点」まで行って、戻りながら一軒一軒確認して、やうやつと見つけた。アリのような字で「Nueva Plaza Apartamento Sevilla」(ヌエバ広場アパルタメント・セビージャ)と書いてある。入り口はナンバーキー。多分、直前に住所とキーナンバーを知らせてくるのだろう。次はヘスース・デル・グラン・ポデール通りへ。道が入り組んでてたどり着くまでが大変。迷ったり戻ったりして、何とか到達。これも超目立たない。ちうか看板も何も出ていない。隣のチナ店のおねいちゃんに番地を聞いて「ここ」と分かる。反対隣りがカフェテリア(日曜休み)で同じ建物なので、そこでマネージしてんでしょ。

 たったか歩いてベティス通りに戻る。十分徒歩圏内であるが、重いスーツケースゴロゴロはしんどい距離。

 で、昼飯バル探し。12時を回っているのだが、今まさに準備中の店ちらほら。「昼」の概念が違ってたことを今更ながら気づく。一本裏に回って歩いたら、良さげなバルがあったので入る。カウンターでカーニャ。唯一出来てたタパスのトルティージャを注文。待ってる内にカーニャもう一杯。ファストフード並みの早さで飲みかつ食う。勘定は5.6エウロス。カーニャ1.3でトルティージャ3。もちろん観光客値段だろうが、そんでも安い。サクッと飲んで食って出て、帰宅後飲み直し。赤ビノにイベリコ豚カシラハムと切り落としをミニ白菜で巻いたん。ビノ、このお値段で悪くない。

 シエスタして目覚めて17時過ぎ。

 で、「おやつ」。つか昼食の補填でパンに肉類、ケソ、白菜を合わせて食う。ミニ・ボカディージョ的な。それにトマテ1個。セルベッサ1缶。

 シエスタはともかく、生活時間を全体に1時間から2時間遅らせたい。「12時に昼食」じゃ早すぎて店が対応していない。14時が適当。それをコアにして一日を組み立てる。昼食後、16時にシエスタして目覚めて19時。パセオして21時夕食。夜中の3時頃寝る、と。で、朝は8時起床。筋トレしっかり。10時に朝食。睡眠時間は計8時間。

 で、パセオに出立した19時過ぎ。右方向へ歩き、サンテルモ橋を渡る。アルカサルの城壁に沿って適当歩いて、ロス・ガジョス(老舗のフラメンコタブラオ)がある小公園にたどり着く。日曜で閉まってた。ここらへんの道は足が覚えている。で、懐かしの「プエルタ・デ・ラ・カルネ」に入ってしまう。3年前とまったく変わってない。サッカーの中継を地元爺どもが観てる。この地元臭が肝。3年前同様に平気で割り込んでカウンター席へ。カーニャとサルピコン。サルピコン酸っぱい。オリーブオイルとワインビネガーをたっぷり利かすのがコツなんだ。簡単じゃん。具は海産物がエビ、タコ、カニカマ。パプリカとタマネギ。キュウリもトマテも入ってない。とってもシンプル。勘定は4.30エウロス。このお手軽さも魅力。

 適当歩いてカテドラルからシェルペス通り。この辺も歩き回ったっけ。調子に乗ってよく分かんないところまで歩いていってしまい、グーグルマップ頼りに戻る。イサベル橋渡る。満月が美しい。写真を何枚か撮る。

 帰宅して21時過ぎ。けっこう歩いた。ドゥチャールセ。赤ビノを喫す。本来はこれからが「晩飯」なんだが、サルピコンで済んじゃったかも。そっか、家でのいつものカニカマ酢と一緒なんだ。

「歩いて回れる町」であるのがセビージャに限らず、ヨーロッパの古い町の特徴で好きなところ。京都もそうでしょう。マドリは大きすぎる。それは東京も同じ。

 パンとハモン切り落としを追加。これで晩飯ですがね。

 ミニ白菜にチョリソ追加。野菜も食わにゃだよね。

 さて、今夜はちと飲むか。日本から持参の「いいちこ」を開ける。

 セビージャで暮らすのに必要なこと。それは町を知ること。どこに何があるか。それを「使う」ためにはどうすればいいか。「銃」を考えればいい。暗闇の中でも自在に分解し、組み立てられる。そのくらいに「銃」を「理解」してこそ、使いこなせる。同様にセビージャを理解し、使いこなすこと。人間関係は無問題。つか、貨幣空間が重要で友達空間は不要。これが可能なのが都会。東京がそうであるところの。

 町の向こう側で花火が上がっている23時30分。何なんだろ?

 都会だから可能なことで、田舎じゃ無理。極端な話、田舎には本来の貨幣空間は存在しない。友達空間に侵食され歪められている。友達値段は安く、究極はロハ。その分「非友達」がワリを食わされている。一事が万事そう。自分みたいな「友達いない人間」は、都会でしか生きていけない。

 でも、モノホンのシビアな都会…ニューヨークとか…じゃ暮らすに辛い。そこそこ田舎感覚が残ってて、友達空間も少しはある「都会」(カッコつき)がいい。東京の板橋赤羽界隈はそう。セビージャも、そんな「匂い」がする。

 バルの存在が大きい。それも安価な。カウンター席か立ち飲みで1杯1タパスで5エウロス以下。円換算で千円未満。そんな店があるってだけで、スペインに行く意味があるし、セビージャに住み着こうとする意味もある。バルセローナじゃダメ。マドリも難しい。これはしかしフビラド(退職者)特権。仕事しなきゃじゃ、セビージャじゃ難しかろう。

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