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セビージャひるね暮らし(19)

※2021年の記録です。

10.4 月 España旅行第19日目 Sevilla

 バタバタとしている2番目アパルタメントの最後の朝である。

 8時台に目覚める。睡眠十分。8時35分に活動開始。トレーニング。

 ドゥチャはせずに朝食の準備。昨日作っておいた、きのこ炒めの残りと目玉焼き。トマテ、キュウリ。ああ、今10時だ。後はあれこれ片付け、荷作るだけ。大丈夫。時間には十二分に余裕がある。

 チェック完了。しばし座って心を静ませて、そして出立である、の10時30分。最初は天井が高くて無意味に広くてがらんとした部屋だな、と思ったが、1週間暮せばそれなりの「家」感がある。この先の一生、二度と訪れることは無いだろうと思うと、寂しくもある。と、それもこれも「次」をキッチリ確保してからだ。まだ疑惑の余地十分なのだから(笑) いや、笑ってる場合じゃなく。ああそうだ。荷物運びで腰を傷めないこと。これは絶対。こっちの方が百倍重要だ。

 よし、行くか、の10時35分である。ゆっくり、ゆっくりね。

 スーツケースをゆくーり転がしていく。で、無事3番目のアパルタメントに辿り着いた。下のバルの親父に言ったらすぐ鍵を出してくれた。荷解きして、もっぺんバルへ。パスポートの顔写真ページををスマホで撮影。それで終わり。カフェコンレチェを注文。ごっそさん、と店を出てしばらく歩いて、金払ってないのに気がついて戻る。「He olvido pagar」と言ったが、間違ってましたね。正確には「Me he olvidado pagar」(払い忘れた)じゃん。…合ってる? ま、意味は通じた。1.20。「上にいるんだから取りっぱぐれねえよ」てなことを言われる(多分)。客の親父にもウケてたし、とりあえず場は暖まったか?(笑)

 この3番目のアパルタメントがいっちゃん安い。部屋も狭い。窓を開け、鎧戸も引き上げて空気を通す。ちと寒いねえ。もう秋であるなあ。電気ポットがあるのはありがたい。久びさに「鍋湯以外カフェ」を喫す。

 しっかし、すんなり部屋に入れたのは有り難いことだった。今12時48分。「チェックインは15時だよ」的に厳格なとこだったら、まだ2時間以上外をさまよってるわけだ。

 さてと、だ。町内一周に出立せんとしている13時01分。

 出立し、ぐるりと歩くがスーペルメルカド無いぞ。アルマダ・デ・エルクレス広場まで行ったら、ちっこいディア(スーパー)があったんで、缶セルベッサ4缶買う。袋付けて2.46。ぐるっと回って戻る。ここいらへん…サン・ロレンソ地区はカジェ(通り)が直行してるんで分かりやすい。で、アパルタメントのすぐそばに大き目ディアがあるのを発見。赤ビノ3エウロス購入。ホントは2.99なんだが釣りくれんかった。いいけどね。で、店出たところで「カバジェーロ!」(直訳:紳士。「旦那!」て感じ)とレジのねいちゃんに呼ばれる。ビノ忘れてるじゃんよ。「Me he olvidado」(忘れた)。今度はちゃんと言えた。しっかし、何ですか? おいら、常に何かしら忘れる「ボケ爺」でつか? すぐそばに大きなマス(スーパー)もあった。反対方向行きゃ簡単に遭遇したんだ。

 帰宅して収穫物を収納。で、下のバル「リオハ」へ。改めて主人に挨拶。名刺くれた。アントニオちう名前と電話番号。「お前はアミーゴになったから、次は直接電話しろ。そっちのが安いぞ」的なことを言われる。で、wifiあるか?と訊いたら、つなぎ方を教えてくれた。

 カーニャ2杯にプルポ(タコ)で5.60。カーニャ1.40とウンポコ高し。でもオケー。タコ2.80の方が有り難い。

 うむ。これでアパルタメントでの生活は確定した。部屋に上がって機器をwifi接続。おーるおけー。

 日が照って暖かくなってきた。窓と鎧戸を開ける。外はコンコルディア広場。パリのコンコルド広場よかじぇんじぇん小さいが、秋の日差しの下、行き交う人々は皆楽しげ。おいらもほろ酔いで楽しい(笑) おお、セビージャ住んでる感満点じゃんよ。

 今まで三つアパルタメント暮らしてみたが、一人暮らしなら「ここ」が一番かも。川大好き嫁さんと二人なら最初のベティス通りかな。2番目は広すぎで静かすぎ。近場に良きバルが無かったのもダメ。ま、自分の探し方が悪かったんだと思うが。

 しばし執筆。

 書かなきゃ始まらない。書くこと、すなわち「頭の外に出す」ことにより、初めて世の中に生まれ出る。それがどうなるかは、そっから先の話。少なくとも自分自身は「読者」だ。何にも増してそのために書いてるんだから。

 赤ビノ。さらにウオトカ水割りでシエスタ体制。

 目覚めて18時半。19時過ぎにパセオに出立。適当に西に歩いて、南下してグアダルキビール川へ。河川敷を歩いてみる。トレーニングしてる連中多数。ジョギング、サイクリング。運動部みたいに階段ダッシュしたり、縄跳びしたり。ああ、おいらもがんばんなきゃだな。適当歩いたらイサベル橋へのおなじみの道に出る。

 戻りがてら、マスで買い出し。オリーブオイル3.04が一番高い。計16.17。帰宅して冷蔵庫その他に格納。

 再出立。で、20時50分に「東海城」(中華レスタウランテ)に初めて入ってみる。自分が口開けだった。エンサラーダ・チナと三種炒飯を注文。飲み物は瓶セルベッサ小。エンサラーダは外れ。レタスてんこ盛りに人参と安ハモン細切りにしたのがちんまり乗ってフレンチドレッシングを、親のカタキ並みにかけてある。そんだけ。どこがチナ? 炒飯の「三種」は、安ハモンとミックスベジタブル。多分冷凍の。でも、ちゃんと炒飯だった。そんだけでもう有り難い限りである。ダメだねえ。勘定は9.50。レスタウランテにしちゃ馬鹿安だ。自分の後に英語喋る女性二人(母娘?)が来店。飲み物は水で、あれこれ注文してた。で、ウーバー的なのがたて続けに来てた。そっちが稼ぎのメインであるようだ。

 昼酒が抜けきれてないところに炒飯詰め込んだんで、腹がキツい。帰宅してしばしベッドでゴロゴロ。で、日記したためつつ、ウオトカ水割り舐めてる、はや23時10分。

 しばし執筆。

 今1時44分。外は静まり返っている。これってばやっぱコロナ関係の「0時閉店」のおかげ? それが無かったら深夜2時3時まで賑わっていた? どうなんだろう。

 でも、下のバルの客がご歓談してるレベルの「音」なら、自分はとりたてて気にせず眠れる。周囲に人の気配を感じつつ、自分自身は絶対不可侵のシェルターに籠もってる的な安心感で。逆に静まり返ってる方が神経張り詰めるかも。ああそうか。これは旧石器時代以来の「自然な感覚」なんだ。「仲間」であるところの「人の気配」は安心。何か危険が迫ったら自分以前に「仲間」が反応する。それが無く静まり返っている場合は、いきなりダイレクトに危険に襲われる可能性がある、と。

 明日朝は存分に朝寝しよう。その上でしっかりとトレーニングするところから、明日という一日を始まる。それが可能なのが、プロ無職エン・セビージャの特権。その特権を得るために35年半社畜をやってきたんだし、その後の4年間をキッチリと生きてきたんだ。今更チャラにはせんですよ。無職のプロとして(笑)

 ニューズピクスにコメ。

言わずもがなですが、お金は雨みたいに天から降ってはきません。ここで給付するお金を最終的に負担するのは、未来のわたしたちです。
その「未来」に確実にいるであろう若い人たちと、いないだろう高齢者たちとは「判断」を共有することはできません。
岸田さんが前者をこそ重んじてくださることを期待します。


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