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セビージャひるね暮らし(23)

※2021年の記録です。

10.8 金 晴れ España旅行第23日目 Sevilla

 今日も昨日同様朝寝。10時17分に活動開始。トレーニングしっかり。旅行に出て以来、一段と筋肉が付いたように思う。特に二の腕。形が変わっている。で、腕立てが楽になっている。クローズも、あれほどキツいと思っていたダイヤモンドも。これが「鍛える」ということなのだと実感する。

 朝食はごく軽く、パン、キュウリ、トマテ、スモデナランハ、それに食い忘れてたグローリア土産イチヂクを5個ばかり。こんなんで十分なんだよな。玉子2個のオムレツは多過ぎ。まして「朝からステーキ」なんざとんでもない。

 家計簿をつける。

 ああそうだ。「日本でも売ってるスペインビノのスペインのスーペルメルカドでのお値段をまとめて記録しておこう。

 Campo Viejo 3.89。Cune Reserva 6.55。Matsu(の若い男)7.99。

 ユーロ130円で換算すると506円、852円、1039円だから、ざっくり日本の半額だと思う。

 昨日、日本でけっこうでかい地震あったらしい。東京で震度5とか。家族LINEで「大丈夫?」と聞く。

 セビージャ外食事情について、さらに考察する。昼飯にソバ、ラーメン、パスタ、炒飯、牛丼などが食えないのが一番の問題(笑) 炒飯は「東海城」だが、開くのが20時近い。その時間帯に中華たらふくというのは望ましくない。バルは有用なようでいて、朝カフェか昼セルベッサか夜ビノ。簡便昼飯はボカディージョしかない。そこがもどかしいところ。

 あらためて、日本はファストフードが充実してると思う。おそらくは江戸時代から。まあセビージャも本気で住み着くつもりなら、町中精査してどっかしら探し当てると思うんですがね。今はそこまでの気力と根性が湧いてこない。

 12時50分に徒歩出立。ゴミの袋を下げていく。エルクレス公園で廃棄。さて、ちょっとは歩かんとな。この2日ばかりは「執筆」に時間を取られていた。運動しなきゃ。今現在1849歩。最低でも8000歩、いや1万は歩かんと。

 で、歩く。川沿いの大通りへ出て左折、適当行って左折して、しばらく歩いて右折して川と平行、と。旧市街とは違って、カジェが直行しているので方向感覚が分かりやすく思う。

 美術館前の公園の日陰の石ベンチでポメっている13時過ぎ。やっとこさ5000歩だ。

 ゴミの分別について記録する。でっかいコンテナがそこかしこに置いてあって、その色で区別。マゼンタは可燃ゴミ。黄色は缶とプラスチック。青は紙類。緑が瓶。焦げ茶色が生ゴミ。紫が衣類。けっこう細かい。捨てる際に中を覗いてみるが、おおむねちゃんと分別されているようだ。自分は最初の何回か間違えている。lipasam(リパサム)というのがゴミ回収車らしい。早朝回ってきて、コンテナごと持ち上げて、イッキに荷台にぶちまける。凄い音がする。それとカジェに水を撒いて洗っていくのもリパサム? よく分からん。クルマ進入禁止のカジェ入口に「リパサム以外」的なことが書いてある。

 上天気だが暑くない。今はもう秋、ですよ。小バエが鬱陶しいニャー。さて、もちっと歩くか、の13時43分。

 シェルペス通り抜けてヌエバ広場。何か催し物の準備してた。でかい声で一人でプロテストしてる親父がいた。ダンボールに何か書いてあったが、よく分からんかった。叫ぶ乞食の会? 戻りはティトゥアン通り。

 マス(スーパー)で買い物。セルベッサ2缶、トマテ3個。それに前とは違うエンパナディージャ(ミートパイ)。3.57。50エウロス札崩す。店出たところで8000歩達成。

 帰宅して昼飯。缶セルベッサにエンパナディージャ。中身はトマテ的なペースト。前のよりは旨い。ヘレスに塩豆サラディトス。またーりし始めた14時51分。今日はしっかりシエスタすっぞ。

 レシート見直したら、エンパナディージャ付け間違えてるじゃん。自分買ったのはpisto(ピスト)1.35だかだったのだが、前買ったのと同じアルヘンティーナ1が付いてる。ま、いいか(笑) pistoって分からずに辞書引いたら「野菜煮込み」。なるほど。

 執筆。書きながらウオトカ水割り数杯。今16時14分。ここらへんで寝るが正解?

 ああそうだ。旅行始まって以来、スペイン語修業が日常となっているのだが、一番深まったのはロサ&グローリアとの2回のお食事だったとして、二番目はNetflixの「魔女の宅急便」だ。こんなに分かりやすいとは思わなかった。「紅の豚」の数倍。「豚」は大人向けだから、言い回しをひねるのはもちろん、スラングも汚い言葉もアリアリだが「魔女宅」はこども向けだからだな。で、舞台であるヨーロッパのどこかの古い都会の雰囲気に合わせた、そこそこ気取って洗練されたスペイン語を声優さんが話してくれてる。そうだ。キキがNiki(ニキ)になってるのは響きが良くないからだろう。quique(キケ)が南米語でイタチの一種。niqui(ニキ)はポロシャツ。

 ググったら「Nicky, La aprendiz de bruja」(ニッキ- ラ・アプレンディス・デ・ブルーハ)がスペイン語タイトルなんだ。「見習い魔女ニッキー」ね。アメリカ女ならフツーの名前だ。

 てあたりでシエスタ-の16時38分ニダ。

 目覚めて18時前。シエスタはだいたい1時間なのかな。それ以上は眠れないのかも。しばしベッド内でゴロゴロ。

 19時過ぎにパセオに出立。エルクレス公園からその先の、多分新しい公園(町地図には載っていない)をぐるっと一周してくる。帰宅して20時。1万3270歩。

 でもって「食前酒」にヘレスを舐めている20時32分。3度目の「東海城」を考えているところ。やっぱおいらはチノなのだな、と自嘲する。

「東海城」へ。今回は先客がいた。女子二人。自分のちょっと後に男女カポー。で、男4人。繁盛してるじゃん。今夜は「鶏とマッシュルームのスープ」と「三種焼きそば」。どちらも「当たり」だった。これまで外れだったのが1回目の「エンサラーダ・チナ」。イマイチが2回目の揚げ肉まん。2品とも当たりは快挙。スープはトロミがついてていかにも中華。焼きそばはビーフンだった。三種は牛豚鶏肉…なんだろな。1回目の炒飯同様、ちと量多すぎ。日本人的には3分の2でちょうどいい。勘定は10.30。

 訃報 9月30日 すぎやまこういち 敗血症性ショック 享年90

「新国歌」が懐かしい。ようつべで聴いてしまった。

 うーむ、ビーフンがっつりでしばらく寝れそうにない23時33分。酒も入らんし。ま、ウオトカ水割りじくーり舐めつつ、あれこれやりましょう。花金で賑わっているから、どの道寝づらいしね。

 リパサムの散水車が来て、前の公園に水を撒いて清掃。なるほど、クルマじゃなく、組織名なのだな。

 今夜は下のテラサ席でダミ声がバカでかいおばちゃん中心の中年男女4人組が歌ったり手拍子したり大騒ぎしてたのだが、0時を回ってちょっとしたところでお開きになった。今覗いたらアントニオが席片付けてた。でもこれはコロナの営業時間規制があるからで、それが無かったら2時3時まで続いてるんだろうなあ、と思うと「暮らす」にあたってはちょとどうかと思う。ちょっと寂しいくらいの2番目アパルタメントの方が良いのでは、と。

 今読んでる「安達としまむら」2巻にこんな一節があった。
「以前にだれかが言っていたけど、一人で完成されて生きる人間は、もう人の範疇からはみ出している、らしい。人間という生き物としてのバランスが崩壊しているのだから、別種の生物と捉えるべきだ、だったかな」
 自分が今目指しているのがまさに「それ」だ。そうか、「ジョジョ!俺は人間をやめるぞー!」だったわけか。

 集団主義と指摘されることの多い日本人よりもスペイン人の方が「群れてる」ように見える。こどもや若者は、まず確実にグループを形成してる。日本だと学校や塾や習い事の行き来で、一人で歩いている少年少女をフツーに見ることができるが、スペインじゃ最低でも二人。一人を見ない。高齢者もそう。公園とかで一人でいる爺は日本じゃ珍しくないが、スペインじゃ常に複数。一人でいるのは乞食や辻芸人だけ。「そういう感覚」があるのかもしれない。一人で行動しているのは、社会から脱落した人間だけ、的な。

 セビージャ人ちうかアンダルシーア人の特徴かもしれない。田舎者で本など読まずに「内面」が無く、常に「仲間・絆・ワンピース」で生きている。日本の田舎者と一緒か。で、マラガ辺りに移住してるアメリカ人、ドイツ人はインテリで一人が基本だったり。でもまあ孤独なんだろうな。Españaを愛し、闘牛を愛したヘミングウェイも最期は自殺だったし。

 と、今wikiったらヘミングウェイが散弾銃で自殺したのは61歳。それも誕生日の19日前。今まさに「自分」がそれに近いところにいるじゃんよ。大丈夫だよな、自分? 別にヘミングウェイはスペインで死んでるわけでもないし、死んだのはアイダホ州ケッチャム(どんなとこだ? ポテトが旨いのか?)だし。

 群れてちゃ本は読めないし、まして書くのは絶対不可能。

 と、ポテトに引っ張られてポテチかじっちまった。歯磨いてたのに。うむ。だったらば赤ビノも少ーしだけ喫しますかね。

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