秘密計算Acompanyで4ヶ月インターンしてみて学んだこと、学ばなかったこと
はじめまして、立命館大学 理工学部 機械工学科 2年生の岡田拓真と申します。
Acompanyのマガジンをお借りしています。突然なのですが、7月からインターンとして働いていたAcompanyを卒業することにしました。
そこで代表の高橋さんから、「ぜひ卒業noteを書いて欲しい!」ということで、Acompanyでインターンしてみて思ったことを学生の目線からカジュアルに書こうと思います。これからAcompanyで働こうと思っている人の役に立てば嬉しいです。
入社する前は自分がどんなふうに働くかも何をするのかも分かっていませんでした。確か面談の後で滋賀からリモートってできますよね?って聞いてたくらいです(笑) Acompanyのインターンはしっかりお給料の出るタイプなので、責任を持って仕事する環境が整っています。
秘密計算Acompanyとは
Acompany(アカンパニー)は、なめらかなデータ活用社会を実現する秘密計算テクノロジーカンパニーです。 プライバシー情報や機密情報などの機微データをセキュアに分析するソリューションを提供します。
Acompanyってなんぞや、秘密計算ってなんぞや、っていう感じなんですけど、端的に言えば秘密計算とはデータを秘匿化したまま計算する技術のことで、Acompanyはその難しい技術を誰でも使えるように頑張っている技術系スタートアップです。先日2億円調達して現在プレシリーズAになりました。
暗号化と違うの?っていう話ですが、Acompanyが取り組む秘密計算は、データを暗号(秘匿)化したままAIなどの分析ができる点が大きく異なります。普通の暗号化だと、一度暗号化を解除しないとデータの分析はできません。
インターンを始めたきっかけ
インターンしたいと思ったきっかけは、代表の高橋さんに僕の温めていたアイデアを褒められたからなんです。
エスプレッソの技術で〇〇っていう機械系の技術の内容ですけど、当時は自分のアイデアをいいね!って言ってくれる人はあまりいなくて、びっくりした記憶があります。
褒められてインターンも募集してるよ!って言われて、言われるがまま波に乗ってAcompanyに辿り着きました。なので、他の企業は考えていなかったし、落ちたらどうしようとかはなかったです。それに、その前までは本などからインプットばかりをしていたので、大学2年生になってアウトプットの場所を探していたというのもあります。
インターンを始めた理由
インターンを始めたきっかけは上の通り偶然なんですけど、インターンで経験を得たかった理由は明確で、自分がやりたかったのは
「技術の事業化」です。何かの技術があって、それをどう人の役に立つ形にするかということです。
高校生の時にRaspberry Piでガジェットを作ったんですがけど、メンテナンスも必要で使いにくい。自分以外は誰も使わないだろうなと感じた経験があり、事業として人に使ってもらうってどんな感じなのだろうかと知りたい気持ちが強かったです。技術を開発して、それを収益含めそれをどう人の役に立つようにするかを学びたかったのでAcompanyに入社しました。
インターンを始めて思ったこと
唐突ですが、インターンをして最初に思ったことはNotionすごい、でした。
Acompanyの場合は会社のことや、今までどんなふうにやってきたのかがNotionに書いてあったので、本を読む感覚で全部読んで事業内容を理解しました。
使ってみてすぐ自分のWikiも作りましたし、自分のプロジェクトにも、学校の企業提案用にもnotion Wikiを作りました。今でも全部いい感じで運用してて、僕はNotionがないと回りません...。他の人が何しているのかとか、今までどうしていたかが他の人に聞かずに分かるので、このnotionの存在が自走する自分には本当にありがたかったです。
もう1点いいなと思ったことがあるのは、月に1回、1on1があったことです。
1on1とは、メンバーのため方向性確認のための機会のことで、いくつかの質問の中で、自分が抱えている不安や悩み、業務量などをマネージャーに聞いてもらえます。この1on1を受けると、上の人がちゃんと自分のことを考えてくれているということが実感できます。
特に入社直後は周りの人の人柄がわからないので、自分が変な風に思われているのではないかという不安があったり、悩みがあっても抱え込んでしまいます。そんな時にそれを聞いてくれる機会が定期的に実施されるのはメンタルの安定上とても重要でした。改善点としては、入社直後は毎週1on1を実施した方がいいかもしれないということです。頻度を多くすることで不安や悩みが解消し、早く会社に馴染め、より活躍できるようになります。
入ったチームはBizDev
技術の事業化に興味があることや営業の経験があったという理由で、BizDev(事業開発)チームに入りました。そこには代表の高橋さんともう一人、コンサル出身のバリバリの方がいらっしゃいました。
そんな社会人チームに学生が入ると一体どんな業務をすることになるのでしょうか...?
インターンでした業務
Bizチームの場合のインターンとしての業務はリサーチや企業向けの提案を作ることと決まっていましたが、めっちゃ仕事振られるというわけではなく、仕事を探してどんどん取りに行く感じです。初期の頃は必要なリサーチが大量にあったわけではないので、Bizチームに限っては仕事を自分から探す必要がありました。
得意なことややりたいことがあれば、それに結びついた仕事をさせてもらえます。
自分の場合はいくつかの仕事をやる中で、調べ物をしてまとめて、出てきた根拠をもとに方向付けをすることが得意だと分かったので、業務の後半はリサーチをしていました。当時はリサーチを褒めてもらってめっちゃ嬉しかったです。リサーチをまとめたものはWebで公開する予定です。
今だと広報チームの仕事が多くなっているし、開発チームに人員も必要なので、そこにインターン生が多く所属していて、そこへの支援は手厚いと思います。やってほしい仕事もあると思うので、インターン生の育成のサポートも手厚く、羨ましいです。
卒業せずにもっとBizリサーチしたかった...(未練)
社会人BizDevチームに学生が入ると一体...?
BizDevチームなので、リサーチだけでなく提案企業についての進捗MTGもあり、社員と同じように参加させていただきました。Acompanyの場合はどのチームでもインターン生が活躍できる場所がとても多いです。Acompanyでインターンしているメンバーはどのメンバーも責任ある仕事をしています。
自分はリサーチの部分でBizDevチームに貢献しました。
具体的には、Acompanyで活用できる国の制度を調べてまとめたり、秘密計算を使った製品を作っている海外の企業を調べてまとめていまいした。海外のリサーチに関しては、秘密計算が特定の分野に使われることが多く、その分野から外れた特徴のある企業はここ、この領域は取り組まれていない、などを調べました。翻訳機能を用いてざっと調べますが、ビジネスモデルを理解するためには原文で読まなければ理解できないところも多く、かなり骨が折れる作業でした。しかし、やってみたら意外とできたというのが感想で、新たな知識を検索しながら習得できるという点、それが人の役に立つ形になるという点で自分に合っていました。したい仕事、得意な仕事で貢献できるのはとても楽しいです。
とはいえ、インターン生が社会人と同じパフォーマンスを出せない部分もあり、それは自分の場合はリサーチからの資料作成でした。今までにパワポ資料作成の経験がなかったのでかなりの時間がかかってしまいました。このように時間がかかったときでもちゃんと伴走していただいて、ホワイトだなぁと...(笑)
結果として、社会人Bizチームの中では貢献できるところは貢献して、学ぶところはちゃっかり吸収しました。
会社はどんな感じか
業務の中で必要な改善点があればフィードバックをもらえます。目標も自分で設定できて、自分が負担に思う決まり事もなく、改善点は気づいたら誰かが改善している感じです。これはまさに会社バリューの「Be Cool」「Be Hacker」です。
経験が少ない中での話ではありますが、全体のためにBe Cool, Be Hackerしたくてもできなかった経験が結構あって。
この仕組みはとても美しく、自分がAcompany大好きで残りたいと思う大きな理由の一つです。
もう一つ驚くことは、たくさん本読む人がかなりいることです。自分が本をかなり読むのですが、チームメンバーの方が自分より本を読んでいて驚きました。そのような人はチーム以外でもおり、slackにはおすすめ本を推薦するチャンネルがあります。大学生活の中で自分より本を読む人に出会ったことはなかったので、成長環境にいることが実感できました。
Acompanyでのインターンをおすすめする人
以上の点からAcompanyのインターンをおすすめする人をあげてみます。
のちに述べますが、自分のように起業や自分のプロジェクトを持ちたいと考えている人には、初めにスタートアップでのインターンを経験することが役に立つと思います。
その他には
・自走できる人
・得意なことがある人
・意欲があって学べる人
・知的刺激のある成長環境が欲しい人
があり、特にデザインや文章書き、広報、リサーチなどで、やったことがないけど興味があってやってみたいということなら、学びながら成果が出せる環境なのでとてもおすすめです。エンジニアも育成枠があるとかないとか...カジュアル面談でやりたいこととのすり合わせをしてくれます。もちろん得意なことがある人は活躍間違いなしです!
Acompanyでのインターンのデメリット
実家は名古屋で、滋賀在住なのでフルリモートでした。ほとんどのメンバーは名古屋にいますが、出社は自由で、働き方自体がリモート前提になっていましたので、リモートで効率よく働けました。
しかし、オフィスに出社した方が学生として成長のチャンスが多かったように思います。対面勤務できたらより強い繋がりが作れ、横の繋がりもより強固になり、会社がより楽しくエネルギッシュなものになることで、よりたくさんのことを学べるように思いました。
人間的に完成された人ばかりなので、同じ空間で同じ時間を共有したかったです。(泣)
なぜAcompanyを卒業するのか
業務量としては、フルタイムのように働くこともあったし、インターンの業務量で働くこともありました。つまり問題なく学校と業務の両立が可能です。ではなぜ辞めるのか
それは自分の実現したいビジョンが明確になり、その世界を実現したいからです。
実は入社前から大学の仲間と2人でスタートアップ的なアイデアを持っていました。それでも入社前の段階では構想の文章を書き始めたくらいで、まさかインターンを4ヶ月で卒業することになるとは思っておらず、最低でも1年くらいは働くつもりでした。
スタートアップの運営や拡大、技術の事業化の方法を学んで、1年後には自分のアイデアに生かせたらいいなと思っていたのですが、思ったより早く時が流れてしまいました...。
インターンと並行してプロトタイプ作成や仮説検証、製品改善を行なっていく中で、12月に大学の大きなコンテストに出させていただくことになり、メンタリングを受ける中で「明日生きるのが楽しくなる仕組み」というもともと持っていたビジョンが明確になり、それをビジネスにのせるというより大きな責任を感じるようになりました。今はそれを実現することで人の役に立ちたいと考えています。
このように起業するために卒業していくのは僕で2人目だということです。もっとAcompanyで働きたかったのですが、自分を見つめ直して決断し、代表の高橋さんにその決断を応援していただきました。高橋さんには感謝しかないです。この恩は社会に還元する形で返せばいいと勝手に思っています。
後書き
ここまで、Acompanyに入ったきっかけ・貢献したこと・学んだこと・Acompanyの環境・卒業の理由を書かせていただきました。
自分が同じ人生を再度10回生きれるとしたら、10回ともAcompanyに申し込みます。それは、Acompanyのためではなく、人のため、自分のためで、その次にAcompanyのためです。学生のうちに、このような素晴らしい環境に身を置けたことは一生の財産です。家宝にします。
一方で、インターン生以上の責任を果たして役に立ちたいと言うのが自分の希望です。重い決断でしたが、今までありがとうございました。