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『自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語』を読んだ

(2020/11/03 加筆修正しました)

よく行く本屋ではAI関連の並びに置いてあり、そこらへんの棚が好きな私は発売当初から気になっていたんですが、なかなか入手するまでに至らず、結局図書館で偶然の再会を果たしたのをきっかけに読みました。

プログラミングと贖罪

ストーリーはシンプルだけど、「ロボットに指示を出す=プログラムを書くとはどういうことか」と「自分がしてしまった過ちとどう向き合うか」とが、並行して語られていて、今までに読んだことのない読後感でした。

王子やら魔法使いやら出てくるおとぎ話風なんだけど、プログラミングあるあるがちょいちょい出てくる。プログラム書いたことがある人なら「おばあさんメソッドきりだしてるやん...」と唸るはず。

一方で、王子と王子を支える人達が過ちから発生した危機に向き合い、学びながら対処していく姿も描かれています。恥ずかしく思う、過ちを認める、謝罪する、という態度だけじゃなくて、具体的にはどうすればいいのかを考えて実行する、何がダメだったかを正直に振りかえりながら次のアクションを決める、という地道な積み重ねが「起きてしまったことに対して最大限できること」を引き出せる。贖罪とは行動ありきだな、と思わされたストーリーでした。

最初はなんかイライラするかも

王子が主人公なのですが、最初の方は「こんなわからずやの主人公に感情移入できない」と思って読むの挫けそうになりました。そういう設定なのでそれだけよく書けている、ということなんですが。なので、感情移入したいタイプの人は最初は少し我慢が必要かもしれないです。最後はハッピーエンドなので気持ちよく読み終えることは保証します(ネタバレ)。

加筆修正について

ひさびさにログインして読み直したら恥ずかしい部分があったので。また気が向いたときに投稿します。。

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