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74冊目【本のはなし】家族の冒険譚を聞くなら、自分も冒険したっていいじゃん!/朝活52日目

まずは、「自分」から。
そうしたっていいんです!

「私は、私の時間を犠牲にしてきたんだ!」
この感情がどうしても拭えない。


子どもができてからの話だ。
かわいい、愛おしい、全ての時間をこの子と過ごしたい。この感情の反面、私は私でなくなる感覚というものが、数秒ごとに侵食していて、気づいたら「犠牲になってる」という感覚に陥った。


これを噛み砕いてパートナーでもある夫に伝えた。全く伝わらなかった。言葉は違うかもしれないが、私は「親なのだから仕方ない」と受け取った。その言葉を吐いた彼は、どこかへお出かけしに行ってしまった。


「親とは、私一人のことなのだろうか…」


表情筋が強張った。思考がどこか遠くの彼方へ旅立ってしまった。一本の狭いスポットライトに照らされて、真っ暗な舞台に立っているようなイメージ。早く大人になってくれ、そう念じ続けた数年間は、去っていった。


気づけば、子どもは成長して私との時間よりも自分の時間を大切にしている。夫は変わらずだ。では、私は?


何もない。
それが答えだった。あんなに好きだった、舞台や音楽や絵なんか観ても、聞いても響かない。


十数年前、私は舞台役者になりたくて、ワークショップというものに参加した。小劇場界隈では、有名なお二方とともに本番の舞台に立った。下北沢にある本多劇場だ。


本多劇場は、バンドマンなどが目指す武道館のような存在だろうか?演劇人にとって憧れの聖地である。


右も左もわからぬど素人をあげるほど、容易いものではないのだが、お二方の名前があったからこそ上がれた舞台。そこにもう一度、自分の力で立とうと夢を見た。ただし、自分に課した期限付き。


それは、あっという間にやってきた。辞めるという意思を曲げるほどの情熱は、もうなかった。情熱というよりも、天秤にかけたのだ。 

「夢」か「子ども」か。


女性は一度は、どこかでこれを考えるのではないだろうか?30才目前、それが私のタイミングだった。


27,8才、卵巣のう腫の手術を受けた。初潮を迎えた頃、異変を感じて受診した結果、卵巣のう腫になる可能性があるから、定期的に検診して経過を見ることと言われていたのが、ついに手術をすることになったのだ。


手術は成功し、術後も順調だった。そのときに担当医に「妊娠」について説明を受けた。その言葉がひっかかった。断定していない。



今ならば、どんな病状でも様々なリスクを考えているため、断定しないということを知っている。しかし、当時はそれを知らなかった。


大丈夫だが、大丈夫ではないのでは?
自分との対話の結果、いずれは子供を授かりたい、夢と子どもと天秤にかけると明らかに夢の方が軽くなってしまった。


幸運にも子どもはやってきて、幸せだと感じることが多くなったし愛おしいと思う回数も毎日更新するほどだ。


ただ、一人の時間が、ぽっと生まれてしまった。それはいずれ来るだろうとわかっていたことなのだけど、思った以上に早かった。子どもが作り出した世界を壊すことほど酷なことはないだろう。


子どもに向けてばかりいた視線を少し外して、自分と話し合いを試みた。好きだったもの、やり残したこと、全部を思い出す作業。


ふと浮かんだことがある。
この世にある本をなるべく多く読んでみたい!!それならすぐにでも始められそうだ。そうして私は本を読んでいる。


本を読んだら、アウトプットをすることになって、文章について学んでみたくなって、朝活をすることになって、コンテンツブログをやってみたくなって…世界がどんどん広がってきている。


今一度、時間の使い方を整理しよう、そう思っていた矢先に本書を見つけた。


ME TIME 自分を後回しにしない「私時間」のつくり方(池田千恵


朝は、満足感のある時間を過ごせている。問題は夜と昼。それぞれに「ME TIME」つまり自分時間を設けられると知った。まだしたいことが残っている。


それぞれの理想と現状のすり合わせを行って、定期的に振り返りを行う。なんだか、仕事をしているみたいだと感じるが、人生を戦略的に楽しく充実させるには…と冒険をしているような気分になる。


まずは「自分」から、冒険へ旅立とう!!
そうすれば、家族の冒険譚を笑顔で聴けるんだと実感している最中だ。

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