短編小説『月明かりに照らし出される幻想』
「そろそろ閉店の時間になります」
追い出されるように二人はカフェの外に出た。
「随分、遅くなってしまったね。申し訳ない」
「私の方こそ、引き留めてしまいまして、申し訳ありません。時間を忘れて、話し込んでしまいまして、すいません。貴島支店長、夕食はどうなさいます」
「そうだね、スーパーも終わってしまっているので、近くのコンビニで何か買って帰ることにするよ。香田さんは、どうするの?」
「何にも食べません。普段は、自炊しているのですが、さすがにこの時間になると、健康に悪い