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『天国へ届け、この歌を』スマホ版

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#私の作品紹介

短編小説『金曜日が待ち遠しい』

ワタシは、今までのワタシではなくなった。 過去を脱ぎ捨てた。 赤子のように未来だけを背負…

18

短編小説『ずっと二人で夕焼けを眺めていたい』

胸騒ぎがした。単身赴任をしている部屋へ、内緒で1日早く行ってみた。 やっぱり私の予感は、…

39

短編小説『いつもと違う、何かが違う』

裕司の部屋。 裕司の香り。 うずたかく積まれた本。 皺のない真白いシーツときちんと四角形…

29

短編小説『美しさの代償』

カーテンの開く音。 部屋中に満ち溢れた光で目を覚ます。 手を伸ばした。 美月はいない。 …

31

短編小説『朝日の中で蘇るゆうべの記憶』

となりで眠っている貴島さんの心地よい寝息。 カーテンの隙間から、こぼれ出た朝日に照らしだ…

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短編小説『私は、ひとりぼっち』

本当はオトーサンの後ろを歩きたかった。 オトーサンの背中を見ながら歩きたかった。 その方…

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短編小説『そよ風にかき消された私の中に潜む悪魔』

二人並んで歩く。 駅前の歩道橋を渡り,香田美月が住んでいる反対側の,自分が住んでいる方へ向かった。 駅に向かう人々とは、逆方向に歩いている。 私にとってそれがささやかな反抗のように思えて心地よかった。 行き交う人が振り返るような浴衣姿の美女と一緒に居ることが、勲章を与えられた兵士のように誇らしかった。 先程から、娘のカンナと一緒に歩いているような錯覚に囚われていた。 家族三人で岐阜の長良川の河川敷に座って見た花火が、今まで見た花火の中で一番感動したという話が自然に