短編小説『伝えることが難しくなったこれからの仕事の価値』
宮大工の世界は妥協の許さない厳しい世界です。
到達点と言うものはありません。
常に理想を現実に変えて行かなければなりません。
私たちの仕事の成果の判断を下すのは、百年先の人々かもしれませんし、もしかすれば千年先の人々かもしれません。
ですから、私たちは、今ここにある現実ではなしに、その先にある理想を現実に変えて行って、それらの未来の人々の鑑賞に堪えるものを作りだして行かなければならないのです。
しかし大御所様(徳川家康)の時代に入って、やたらと規制が多くなりました。