龍が如く7 クリア感想(ネタバレあり)

【前置き】

自分は、龍が如く1〜6とジャッジアイズはプレイ済みで、0はこれからプレイ。
OF THE ENDや維新など外伝的作品、リメイクの極シリーズはまだ触れていません。
龍が如くONLINEもインストールしたけど、秋山さんを引きたかっただけであんまり触れていない、ガチとも言い切れない中途半端な立ち位置のファンです。
(愛はあるつもり)
〈2020.6.11追記〉
龍が如く0をクリアして極もプレイしてるし、龍が如くONLINEもバチバチにハマってます。
0はめちゃくちゃ面白いし、ONLINEの一番もめちゃくちゃいいやつだし、龍が如くシリーズは最高やで……。

あくまでその自分の目線ですが、過去最高に楽しめました。
ナンバリングでは0と僅差で一番好きな作品です。

ここからもそういうやつの個人的な意見と感想を垂れ流します。


※龍が如く6に多々納得いっていない部分がある人間なので、6が大好きな人にとっては嫌なことを言うかもしれません。

我ながら余韻に浸っていて整理がつききってないので、ざっくり項目ごとに感想を。


【主人公の変化】

長年にわたった桐生一馬の物語が終章を迎え、突然スマホアプリの主人公として現れた「春日一番」

最初は俺を含めて「誰ぇ!?」という感じがみられたけど、今作を通して、主人公としてまったく文句のないキャラクターだと感じました。
早い人はアプリの時点でそう思ってたのかもしれない。


まず性格が良すぎる。
いい子すぎて好きにならない理由がない。
粗暴に見えてその実優しく、人情に熱く、決して諦めず一本気。
バカなんだけど人としての賢さはちゃんと持ち合わせている。
桐生ちゃんは「完成された男」であったのに対し、イチはどん底から「成長していく男」なんですね。
だから桐生ちゃんとは別の意味で目が離せない。
少年漫画の主人公のような男です。


桐生ちゃんが、「クールな男なのに、バカなサブイベや街の人に全力で付き合う」というギャップの面白さがあったのに対し、イチの場合は彼自身がバカなノリとの親和性が高すぎるので、龍が如くの世界観やゲーム性とのマッチ度合いもまったく問題なかった。

見た目もモジャモジャしてて、芸能人だとなすびさんに似てるなと思うこともあるけど、その髪型にも理由があるし、実は顔のつくりは男前の部類だと思います。

主人公で敬遠してるファンの方はやってみて損はないと思う。体験版からでも。

(と、すぐ下でネタバレするつもりの文章に書くのは間違っているかもしれないけど)



【ストーリー全体に対する感想】

一言でいえば「春日一番が現在を取り戻し、過去と決着をつける物語」。
ジャンルでいうなら「バカゲーの皮をかぶった人間ドラマ」。

ん~~。うまく一言にできたかあんまり自信がないな。
書きなおすかもしれない。でも今の気分で表現するとそんなところです。

龍が如くシリーズ自体、もともと「ハードな極道ものかと思いきや、バカゲーかと思いきや、人間ドラマ」みたいなところがあったのは確か。


だけど、あらかじめ体験版や公式アカウントのツイートで、あそこまでバカゲーっぽさが前面に押し出されていながら、蓋を開けたらゴリゴリの人間ドラマだったというギャップにやられた。

ちゃんと従来シリーズ通り、極道のドラマもあり、「東城会はその後どうなったか、どうなっていくか」というのも描かれていて、まさに「龍が如く」シリーズでなければいけない作品だった。

最初「新作はコマンドRPGだよ」と言われたときに、「それ龍が如くである必要あるの???」とツイートしてしまった自分に札束ビンタ・究極をくらわせたい。

序章で丁寧にイチのバックボーンや、荒川真澄との絆、沢城や若との関係性を描いておき、ユーザーを引き込むと同時にのちへの伏線を張っておいてから、イチが沢城の(実際には若の)罪をかぶって服役。

(ここで二つ返事で「恩返しできるこんな日を待ってたんです!」とイチの声で言われた場面、すでにちょっと泣けそうになる)

我慢を重ねて18年後に出所したものの、親っさんからの不可解な裏切りと銃弾を胸に受ける…………「ってどこからバカゲーが始まるの!?」と理不尽なツッコミを入れたくなるほど、しっかりしたストーリーでした。


どん底の底まで落ちたイチが、かけがえのない仲間を得て成長していく、と表現してみれば、王道RPGのようなストーリーです。


序盤からラストまで、イチと親っさん、イチと異人町、イチと若の関係性から生まれたドラマが盛り込まれていて、「春日一番でしか主人公はあり得ない」物語になっています。

サブタイトルは「光と闇の行方」ですが、
最初は大きな力に揺さぶられる、表の世界と裏の世界を「光と闇」だと表現したのかと思っていましたが、
最後の最後で、イチと若のことを指していると明示されます。

作中では若が光で、イチが闇ということなんですが、
実際にはそれは途中から変わっていき、イチが光で、若が闇になっているといえます。
そういう意味で、光と闇の「行方」なのかな。


もしくは、青木遼と荒川真斗も「光と闇」を体現しているので、
彼の行く末、物語のラストへ向かっていく過程も「光と闇の行方」ですね。

……などと色んな考えが巡ってしまうサブタイトル、クリアしてから秀逸すぎて唸っていました。


【RPGへの変化】

今作はアクションからコマンドバトルRPGという大胆なシフトチェンジがありました。

それが最初はめっちゃくちゃに賛否両論、主に「否」を呼んでた気がする。

でも実際にプレイしてみると、ちゃんと「龍が如く」らしさを損なっていなくて、イチを主人公とするなら、この路線で大正解だったなと思います。

桐生ちゃんは伝説の極道で、1vs100くらいなら割とよくやってるタイプの最強の男です。
パーティーを組む理由が薄い。


一方でイチは、それなりにケンカが強いといっても、伝説の極道には程遠い。(わかってたけど、実際に戦ってみて改めて実感した)
ぽっと出の主人公が同格の強さを持ってるのもおかしいしね。
「どん底に落ちて仲間に救われて、仲間との絆を育てながらイチ自身も成長していく」というストーリーと、パーティーを組んで冒険するゲーム性の親和性はかなり高かったと思います。


ソープランド生まれで、部屋にあったドラクエだけが娯楽だったというイチは、勇者になることを密かに夢見ていて、「勇者っぽくねえ」という理由から相手が弱くても一方的にボコボコにすることはなく、相手の技をあえて受けるスタンスをとっています。

……ということを序盤のうちに弟分のミツに指摘されているので、ターンを待って戦うバトルシステムが今作の作風にもマッチしていることに早めに納得できた。


妄想のケが強いイチは、バトル中は相手の姿が変わって見えるので、面白おかしい見た目の敵が多く登場してきます。

従来通り、リアリティを追及するとどうしても敵の見た目を面白くするには限界があるのだけど、今作はその設定のおかげでバトルの絵面もかなり面白くなっているし、「見た目である程度の系統が判断でき、戦闘方針を決められる」というRPGのモンスターとしての役割もきちんと果たしているのがいい。


従来の路線でいくと、バトルを面白くしていくには、細かな調整ももちろんそうですが、アクションを派手にするのがわかりやすい一つの手段です。

さらにその中でわかりやすいのは、「よりバイオレンスにしていく」ことだと思うのですが、ゲームとして楽しめるバイオレンスさには一定の限度があり、どこまでもエスカレートできるものではない。

今作は、前述の舵取りのおかげで、別の角度からバトルを面白くできているのかなと思います。

派手さとコミカルさはパワーアップさせつつも、リアルタイムに状況やキャラクターの位置が変化していく中で、技に巻き込める範囲が変わってきたり、近くにあるアイテムを拾って戦える点は既存作の流れを汲んでいる。

でもこのあたりはいまでも賛否両論ありそうですね。

でも、舵取りして最初の作品だから、もし続くのだとしたら今後洗練されていくことを期待してます。


バトルだけがRPGライクになったわけではなく、ストーリーやゲーム性もきちんとRPGにマッチしていました。
イチがドラクエをプレイして育って勇者に憧れているとか、勇者にしか引き抜けない(と思い込んで)バットを引き抜くとか、途中に出てくる桐生ちゃんをドラゴンと呼称したり……
無職だからハローワークでぽんぽん転職して、ジョブごとの戦いを行ったり、桐生ちゃんみたいに何でも使えるわけではなくてジョブごとに装備できる武器が限られてたり、装備を強化したり。


桐生ちゃんでは強すぎてやらなかったこと、やる必要のなかったことをあえて逆手にとってゲーム性に落とし込んで、新鮮なものにするというアイデア力はさすがだなあと。


RPG化の話題にも関係ありますが、ドラクエ、ポケモン、FFあたりをめちゃくちゃにパロディしまくってるのが、バカゲーっぽさを加速させています。

ただドラクエに関しては割とストーリーにしっかり絡んでくるから、ただのパロディというよりオマージュみたいな。スペシャルサンクス堀井雄二さんとあり、ここは許可もしっかり得ている様子。

ポケモン、いやスジモンに関しては大丈夫か??? と思ったけど、「セガさん大丈夫か???」は前からいい意味で思ってたから問題なかったわ。


街中を歩くアドベンチャーモードも龍が如くシリーズの肝ですが、歩き心地はもう何作もノウハウが重ねられていて、さすがの安定感。

いつもと同じ神室町でも、今回は「常に複数人で行動する」「自販機やゴミ箱を漁る」という新たな要素が増えているので、パーティーチャットや食事の会話なんかでみんながワチャワチャしてるのも楽しめるし、「この街ってこんなに自販機多いんだな~」とか、小さなことだけど「新しい角度からいつもの街を見る」みたいな経験ができた。
現実でふと近所を歩いてて、「近所にこんなお店があるなんて、長年住んでたのに知らなかったなぁ」って、人に話すほどでもない「小さな新鮮な発見」をすることがたまにあるんですけど、まさしくそんな感じ。
ゲームの中でそんな経験するとは思わなかったです。



【ラスボス】

今作のラスボスは、
近江連合の古株で元ボクサーの《天童》……ではなく、
名前と人生を変えてのし上がり、絶大な権力を手にした都知事の《青木遼》……でさえなく、
たったひとりの《荒川真斗》という男。


個人的にはラスボスには「強さ」「格」「必然性」が必要かなと思っていて、
6のラスボスには特に「強さ」と「格」が足りないという声もちょこちょこ聞かれました。正直俺もそう思う。
確かに倒さなくちゃならない敵なんだけどね。

今回、《天童》が「極道としてのラスボス」のような位置づけです。(だと解釈しています)
従来シリーズのラスボス的な。

元ボクサーで近江きっての武闘派幹部という、これまで登場してきた極道らしい「強さ」と「格」を備えています。
「必然性」という意味では、最初は「こいつ急に裏切ったな!」と思ったりもしましたが、よく考えたら裏切りとは急であるべきだし、それだけの野心を持っていて然るべきキャラクターだし、じわじわと腑に落ちた感じ。


《青木遼》は、ヤクザを操る堅気ということで、これまでのボスとはやや趣を異にしますが、絶大な権力という「強さ」と「格」があります。

彼個人はもちろん喧嘩は弱いわけだけど、本来なら権力者には喧嘩の強さは必要ないので、その点はむしろリアリティがあって好ましい。堅気だし。
「必然性」についてはいうまでもなく、異人町を壊し、脅かす元凶であり、尚且つイチの仲間である野々宮、星野会長、そして親っさんを殺させた仇で、文句なしだと思います。


しかし、そんな条件を満たしたふたりを差し置いて、今作の本当のラスボスは《荒川真斗》。

「強さ」ありません。
最後には守る部下もいなくなり、イチとただふたりで殴り合うんだけど、重ねてきたもの(経験であり、「経験値」でもある)の違いがあらわれるように、イチのパンチは重いのに対し、若のパンチはヘロヘロです。
(イチもあえてそれを顔で受け止めてから殴り返す演出が、イチの「相手のターンを待つ」というスタンスや、若に対する「受け止めてやるぜ」という気持ちを感じてめちゃくちゃエモかった……)  


「格」ありません。
彼は権力という形での「強さ」や「格」を欲していたからこそ、荒川真斗であることを捨てて青木遼になったので、その仮面を剥ぎ取られた若はただのひとりの弱い男です。


でも、今回はそれで良かったと、むしろそれが良かったと思います。


同じ日に産まれて取り違えられた(と若本人は知らないが)、すべてにおいて対照的な人生を歩んだイチと若。

異人町を救うためには「青木遼」を倒せばいいんだけど、イチと若の関係にケリをつけるなら、「青木遼」としてではなく、どうしても「荒川真斗」が相手である必要があったと思います。

そういう意味ではぶっちぎりの「必然性」を備えていると思います。
さらに随所の演出にそれらが肉付けされて、クオリティの高いラストバトルになってるのかなーと。

スーツをカチッと着て仲間を呼び寄せる知事のときのボステロップは「青木遼」
それを撃破してひとりの人間としてイチと対峙するときは「荒川真斗」と変化する演出も最高。


よわっちい若との「一人の人間としての喧嘩」を見てると、弱いラスボスなのに(だからこそ)なんかグッとくるというか、何も持たない状態に戻ってしまった若のことを可哀相と思ってしまう気持ちも出てきたりして、ただぶっ飛ばすわけではない、複雑な気持ちにさせてくれる良いラストバトルだった……


イチも、若のことを憎んでいるわけではなく、「俺が止めなくちゃ」としているところが良かった。
「罪を憎んで人を憎まず」を地でいっていた。

「止まり方がわからなくなってるんじゃないか」「一からやり直そうとしているんじゃないか」と若のことを理解していたイチが、コインロッカーに辿り着いて若を発見するのも良かった。


最後はふたりの始まりの地、コインロッカーの前でサシで話し合う。
イチの熱いセリフと熱い演技でめちゃくちゃ心が揺さぶられました。

若が「一からやり直す」ことを意識した刹那、久米くんにお腹を刺されるんだけど、
我が家では「下半身不随になって車いす生活に戻ることが『一からやり直す』とかかってるのかな?」なんて予想していたけど、逝ってしまいましたね。
死んでほしくなかったけど、でもその後の彼が幸せになれたかというと、難しいところ。


一言、なにごとかを言い残して、エンディング「一番歌」へ。
めちゃくちゃ良い演出やん……なに……

湘南乃風さんは、人間性は好きなのに、音楽はべつに思い入れはなかったんだけど、今回の「一番歌」はめちゃくちゃ良かったなあ。

余韻に浸りながら鬼リピしてます。


若が言い残した「お前は生きろよ、イチ」という言葉を胸に、元東城会からの「親っさんがやり残した仕事」のスカウトも断って異人町とともに暮らすことを選ぶという終わりもよかった……

親っさんが、若が生まれたときに抱きかかえて走ってたのと同じように、イチも若が死にそうなときに抱きかかえて走ったのもアツかった。


最後にイチの言葉に心を動かされて、若はたしかに自首しようとした。
彼の行動だけでなく気持ちも止めてやれたことが、「荒川真斗というラスボスに勝った」ともいえるのかな、と思いました。


【対比】

サブタイトルも「光と闇の行方」とされているように、「対比」がテーマのひとつでもあるかなと思うのですが、
新主人公であるイチと色んな人との対比がものすごくちりばめられているなと。


・イチと若
前述のとおり、光と闇ですね。

同じコインロッカーに入れられた赤子たちだけど、
じょうぶで元気な身体だけもって、ソープランドで生まれ育った「どん底の一番」と、
元気な身体以外は何もかも与えられた若。

裏切りを受けても折れずに進んで、かけがえのない仲間を得て、どんどん異人町の人々に好かれていくイチと、
顔も名前も捨て、邪魔なものはすべて切り捨てて、周りに残ったのはうわべだけの部下と権力だけに従う近江連合と、本当の人望には程遠い孤独な青木。

・荒川真斗と青木遼

これも前述のとおり、惨めだったころと栄華を極める青木としての人生は「光と闇」なのかなと思います。
ただここでの本題(イチと他人との対比)とはズレるけど。

・イチと桐生
これもまたまた前述のとおり、
完成された最強の男、クールで渋い漢「堂島の龍」桐生一馬と、
何も持たない未完の大器、明るくて気のいい人情家のイチ。

ここは対比が強く意識されていたと思われ、服装もちょうどカラーリングを正反対にしたような形になっています。

極道としては東城会の四代目と、三次団体の下っ端。
天と地ほどの差があるはずなんだけど、今作では肩を並べたり、「借りができたな」といわれたり、戦ったり、背中を押してくれたり、デリバリーに来てくれたり。

背負う刺青も、桐生ちゃんは龍であるのに対し、イチが背負うのは「鯉が龍になる過程」を意味する龍魚。
完成された男の物語と、成長していく男の物語が対比的でした。

どこかで見かけた素敵な解釈だけども、「桐生ちゃんは、龍が如く生き様を見せる物語であるのに対し、イチは龍が如く成長していく物語」ってのは良い考え方だなあと思いました。

・イチと天童
他の対比と比べると少し薄いかもしれないけれど、天童も龍の刺青を背負ってますね。
桐生ちゃんは応龍で、天童はどうやら青龍?
イチが成長して乗り越えるべき相手という意味では良いモチーフかなと思う。

・イチと親っさん

すべての始まりの日にコインロッカーの前で、生まれたばかりの若を抱きかかえて走る親っさんと、
すべての終わりの日に同じコインロッカーの前で、死にゆく若を抱きかかえて走る一番。
ストーリーの始まりと終わりを担う良い対比でした。

本当の親子どうし、平安樓でご飯食べてあげて欲しかった……
中井貴一さんの演じられる役、薄幸な善人のイメージがあるけど、まさにその通りだった。

・イチと錦山
錦山は今作には登場してきませんが、イチと錦山は同じ声優さん(中谷さん)が演じられています。

錦山は緋鯉の刺青を背負っていて、登竜門の語源でいうなら、滝を登る前の鯉。
桐生ちゃんのような龍にはなりきれなくて、コンプレックスが肥大化してしまった彼の人生にマッチしています。

イチの刺青は前述の通り、滝を登る過程をあらわす龍魚。
その錦山と同じ声優のイチが、桐生ちゃんと並び立ち、認められる様は、「錦山にできなかったことをイチがやっているのかな」とも思えました。

(追記)0での錦山の演技にもめちゃくちゃ引き込まれて、中谷さんがとても大好きな声優さんになりました。熱い演技、泣かせる演技がお上手すぎるぜ……

【ファンサービス】

過去シリーズから愛し続けているファンにとってはかなり嬉しいサービスが多かったのではないかと。

まずは言わずもがなの桐生ちゃん・真島・冴島・大吾の登場。
しかも適当に「はいはいコレが欲しいんやろハナホジー」と出すのではなく、最高のタイミングで最高の登場を果たしてくれます。

公式からの情報(微ネタバレ)も可能な限り断っていたので、桐生ちゃんがそこまで絡んでくるとは思っていなかった……

ストーリー的には、桐生ちゃんも出すぎるわけではなく、いいところで引き際をわきまえた退場というか。
イチとつるみすぎるわけでもなく、名前さえ明かさず、でも存在感と影響だけはきっちりぶつけて、主人公の座を継承したなあ……と感慨深かった。
桐生ちゃんらしく、背中で語るとか拳で語るとかいうやつですね。

とかいいつつ、デリバリーヘルプでは来てくれるしめちゃくちゃ強いという……2回目以降は100万円かかるけどね。


6では真島・冴島・大吾がほとんど出てこなかったというイケズぶりだったので、そんなファンサービス期待してなかったのに……
だからこそぶっ刺さりましたね。


秋山さん推しなので、秋山さんも出てきてくれたら最高だったんですけどね。
ニック尾形の役割、秋山さんでもよかったのでは……?
ニックも好きだけどさ。

あと、権利関係で難しいとは思うけど、八神さんも出してくれたらめちゃくちゃ嬉しかった……神室町に事務所はあるので、匂わせはしてますよね。嗅ぎ倒したわ。目の前で自撮りしたわ。


他にも、柏木さんが生存してサバイバーのマスターやってたり(!!)、小野ミチオと広中、ポケサーファイター、イ・リュウジョン、ゲイリー・バスター・ホームズ、上山など過去作のキャラクターが山ほど出てきてファンサービスは豊富。

あと、俺は詳しく存じ上げないのだけど、「水曜どうでしょう」を見ていた奥さんいわく、パーティーチャットの内容に、ナンバを演じる安田顕さんのネタが豊富に散りばめられているみたいで、ちょくちょくテンション上がってる様子が見受けられました。

そこのファンサービスまで充実してるのがすごすぎるなと思った。


【その他雑感】

・一番好きなキャラクターは、その名の通り一番ですかね。
 まあそうだろうなという感じですが、最初から最後までいい子すぎて大好きでした。
 声優さんの演技もめちゃくちゃ良くて、何度も泣かされそうになった。
 本人は勇者に憧れていたようだけど、異人町を救った勇者だと思う。
 今作でイチの人生をまるごと使ったストーリーがあまりに綺麗に完結してしまったので、
 今後もイチと冒険したい気持ちと、「次回作できるのこれ?? このクオリティを維持して?? それができたらすげえよ……」と、期待と老婆心が半々な感じに。
 好きなセリフがたくさんあるんだけど、選挙カーの上で言っていた「法律のために人間がいるんじゃなくて、人間のために法律がある」ってのは、前から同じことを思ってたからめちゃ頷いた。一票入れるわ。

・その次に好きなのはサッちゃん。
 シリーズ初の女性キャラががっつり戦うとなったときに、「どんな子ならこのストーリーやゲーム性に耐えうるのか?」と思ってたけど、しっかり強い女性で、覚悟も決まっていて良かった。
 あと、強気でつり目気味なところが元来の好みにも刺さりました。可愛いし強いし声優さんの演技も上手ですぐに好きになった。
 デフォルトのチーママの見た目とバトルスタイルがかなり好きな一方、アイドルの見た目と回復力もかなり好きなので迷う。
 守られヒロインじゃなくて自分で戦う女性というのがかなり好きです。
 いにしえのカプ厨だからイチとくっついて欲しいんじゃ…………

・上記の通りイチサエ(イチとサッちゃん)を推すものなので、サブイベントの終盤にある一般女性たちとの恋愛イベントは全無視してます。
 うちの一番は目移りして浮気するような奴ではないので……(重いファン)

 一般の方からの公募枠については、ゲームに参加することは思い出にも残るしいいかなあと思うし、そのなかの誰と恋愛するのか自由なのは(恋愛しない自由も含めて)いいと思うんだけど、複数人との恋愛がサブイベコンプの必須条件になってるのは嫌だな〜。
 そこはどの自由を選んでもコンプできるようにしてほしかった。それじゃコンプとは言わないのかな。ん~。

 桐生ちゃんみたいに特定の相手がいない人がキャバ嬢を口説き落とすのとは違うからなぁ……(それもあんまり好きではない要素だが)
 まあ、もともとが夜の世界、眠らない街を舞台にしたゲームだったから、仕方ないのかもだけど、7に対する俺の数少ない文句です。
 (といいつつ、動画で一連のイベント〜修羅場イベントまで見たけど、面白くて笑ってしまったから俺の負けだ)

・ストーリーは全体的に良かったし、台詞回しも良かったと思うんだけど、ナンバが離脱して戻ってくるまでのあたり、シナリオが別の方だったのかな?
 なんかテキストの良さやテンポ感が失速した気がして、「早く楽しい7に戻ってくれ〜!!」と思いながらプレイしてた。
 これが数少ない文句その2です。

・逆に、それらを除けばパッと思いつく不満点はないくらい楽しんでました。細かなツッコミどころはあるんだろうけど、個人的には別に気にならなかった。

・個人的には、親っさんはイチが本当の子どもだと気づいていたと思う。
 「そう思いたい」という気持ちもかなりあるけど、「両親がいなくて苦労しただろう?」という問いに「俺が言えた義理ではないが」と付け加えているのが不思議で。
 「渡世の親としてまともなことしてやれなかった俺に言えた義理ではない」という意味なのかも知れないけど、むしろそっちの方が深読みにも思える。
 個人的には、本当の親である自覚から出た言葉ではないかなと思ってます。


【さいごに】

龍が如く7は不思議な魅力があって、

確かに進化してるんだけど、今まで大事に積み重ねてきた既存要素も大事にしている。
ぶっ飛んでるのに正統派で、続編なのに新規タイトルのような生まれ変わりよう。
「対照的な2つの良さ」がゲーム中の色んなところに、色んな面で存在している。

既に書いたとおり、サブタイトルも、主人公もコントラストを意識されたものに思えます。
まさか、そこまで含めての「アンビバレント」がテーマだったりしますかね!?

そんなわけで、個人的には大満足の続編でした。この調子で8もお願いします……!
でも、人に勧めるかと言われると、めちゃくちゃやってほしいような、いやいやせっかくだから1からプレイしてほしいような、それでいて俺の大好きなものがもし肌に合わなくてケチつけられたら嫌だから、俺に言わずにこっそりやって、面白かったら教えてほしいような。

これもまたアンビバレントな気持ちですね。
まさか、ここまで含めての「アンビバレント」がテーマだったりしますかね!?

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