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男女別のスポーツにおける賞金格差は女性差別ですか → 男女限らず人気やスポンサーとかの違いです。

 たまに聞く話なのだが、スポーツにおける男女の収入格差が報道されることがある。確かに、野球やサッカー、テニスといったものだと、報奨金といったところに格差があるのは間違ってはいない。

 だが、スポーツの収益というのはスポンサーを集められるかどうかや、人気を出せるかどうかといった面もあり、マイナースポーツなら特に男女関係なく悩ましい問題である。スポーツ興進の基盤を作れていないと収入面にはどうしても差が出る。
 また、スポーツに限らず男性だから女性だからという面で、需要や収入に違いがあるものも出てくるだろう。女性であるだけですぐ差別というが、逆に利益も得られる面もあるのだが、それはどうなのか?というところもある。

 複数の要素が考えられるものであり、いろいろな考えもあるのだろうが、それを踏まえたうえでも、スポーツについてちょっと勘違いしているといえよう。

 それに加えて、こういった人には信じられないかもしれないが、競技によっては割と女性のほうが注目されやすい国なのだ。



1 男女対等か女性のほうが人気があるケース


(1)ゴルフ

 おそらく一番有名なところだと思うだろうが、日本のゴルフ界はスポンサー数といったところでかなり男女平等な部類である。

 宮里藍氏や上田桃子氏といった選手が出ていた時期からすでにこのような傾向にあり、スポンサー数はほとんど同じか逆転するようなことは何度か言われてきたことである。
 時期によっても変動はあるとはいえ、ここ何年かでそういった格差を感じるようなことは少なくなっているといっていいだろう。スポーツ報道でも見かけるようなことも多く、日本のスポーツの中では男女格差が少ないものの代表例だといえる。

 しかし、こういったムーブメントは海外に存在しているかといわれればおそらくない。メジャー大会レベルですら、男女で格差があると普通に言われるものであり、男子のほうが賞金が多いというのは珍しい話ではない。


(2)卓球

 個人的にゴルフよりもわかりやすい事例だと思うが、卓球というのも男女の扱いの差はかなり激しいスポーツだと思われる。

 現代では、張本選手など目立つ選手も出てきているが、女子卓球は福原愛氏を筆頭に長年さまざまな女子選手が注目を集める世界であり、男子選手は日陰に隠れる存在だった。

 リオデジャネイロ五輪以前にも、世界でそこそこ以上の結果を残し続けていたのだが、五輪でメダルを取るまでは目立つような存在でもなかった。

「天才少女」「泣き虫愛ちゃん」として知られた福原愛を筆頭に、卓球界で注目を浴びるのは当時、いつも女子だった。「うらやましい時期は長かったですね」と水谷。人気を背景に、所属先スタッフを中心とする充実の「チーム」を編成する女子選手への思いは複雑だった。

 大分昔に専門誌にすら女子選手のほうに取材陣が集まるのは日本くらいだと記述されていたらしいのだが、ほぼ間違いなく事実だろうし、現代でもほとんど変わってないのではないかと考えられる。
 (女子卓球は競技人口もさることながら、中国のメダル独占が男子よりも強いなどの理由があるため、他国で女子卓球が興隆・発展する契機に乏しい。)

(3)フィギアスケート


 近年だと、ロシア勢の勢いもあって陰りはあるが、少し前なら女子フィギアスケートはとても人気があったことを覚えている人も多いだろう。荒川静香氏が金メダルと取ってから、安藤美姫氏、浅田真央氏など。数多くのフィギア選手が台頭し、結果を出してきた。

 もちろん、活躍してきた選手はTVの露出も多く、CMにも多く起用されていたほどだ。

 ソチ五輪の時には、浅田選手がメダルを逃したわけではあるが、報道量はこの時金メダルを取った羽生選手よりも多かったというくらいには、注目度に差があったといっていいだろう。

 ソチオリンピック期間中(2014年2月7日~2月23日)のソチオリンピック出場アスリートの首都圏地上波の報道量(ニホンモニター調べ・速報値)を集計すると、男性アスリート1位の羽生結弦選手は、46時間41分

女性アスリート1位の浅田真央選手は、50時間28分、2位の鈴木明子選手は、25時間9分、3位の村上佳菜子選手は、19時間37分、4位の髙梨沙羅選手は、14時間22分、5位の上村愛子選手は、11時間59分となった。なお、浅田真央選手のソチオリンピック期間中の報道量は、昨年1年間の報道量(63時間11分)に迫る結果となった。

 通常ならメダルを取れなかった選手がここまで取り上げられること自体があり得ないのだが、それくらい人気もあり、逆に批判をしようものならその人がやり込められるようなことすらあった。

  その後のバランスは変わっているのは、男子の躍進も含めて考えられることだが、それ以前であれば十分に女性の活躍を取り上げてくれただろう競技の一つである。

(4)レスリング

 普段はあまり報道されないのだが、五輪の時などになったら特に注目を集めやすい競技といえば女子レスリングだろう。吉田沙保里選手や伊調馨選手などといった強豪選手を輩出しており、メディアへの露出が多くある選手もいる世界だ。

 オリンピックなどでは毎回金メダルを量産する競技であり、それだけの実績を上げているのなら、目立って当然のように見える。だが、競技そのものはかなりマイナーだといえるだろう。

 その証拠に、選手人口などの規模を考えるとこれはかなり注目度がすごいというべきだともいえる。日本だけでも競技人口は男女含めて1万人いくかいかないかくらいだというのだが、女子選手に限っては1000人にも満たない程度だという。

 世界的に見ればさらに格差が広がり、世界全体では100万人を超えるといわれるほどにもかかわらず、競技人口の男女比は8000:1ともいわれるほどの差がある。それを証拠に大会によっては同じ顔ぶればかりであることや、ほんの1~2試合でメダルが取れるというようなことも出てくるそうで。

 普通に考えたら、これほどまでにマイナーで人が集まらない競技なら、活躍しても知らない顔をされることもあるだろう。それでもここまで報道されるのだから、頑張って活躍して人気を集めてきたといっていい。

2 いろいろと誤解してほしくないのだが


 他にも、バレーボールとかソフトボールみたいに、女子のほうが人気のあるケースの競技はあげられそうなのだが、あまり多くをあげてもきりがないので、この辺りにさせてもらいたい。

 誤解してほしくないのだが、男性側がスポーツにおいて優遇されているかのような認識を与えようとしている方がいるが、それはスポーツ全体の一部を見ていることであり、決してすべてに当てはまることではないことを知ってほしい。

 その時々の人気や地域、民族性、活躍したかどうか、運良く取り上げられたかどうかなどなど。複数の要因が重なっている場合や、わりと容易に変わるような部分もあり、そういったことを無視して偏見や誤解を与えたくないからである。

 また、こういったことを煽っていたずらに男女対立を与えたくないがゆえに書かせてもらっているだけなのだ。

 もちろん、まったくもって男女の問題はないとは言わないのだが、狭い視野でかつ現実を見ないで事実認定をされることもまた問題ではないか。ということを問いたいのである。

 あとは、かつてスポーツと男女における対立について、過去にものすごくめんどくさいことを見てきた身としては、こんなつまらない争いを適当に煽られるのは至極迷惑だと思っているからだ(このことについては、いつか書くかもしれないし、書かないかもしれない)。

 おまけは本編とは全く関係のない話です。支援目的でお金をいただければと思います。

 

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