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女性の社会進出のトリレンマ

              

 女性の社会進出が叫ばれて久しいが、日本は女性の社会進出が遅れているといわれ続けている。すでに批判だらけの指標ではあるが、ジェンダーギャップ指数では常に日本はかなり低い順位であると毎年指摘されるほどであり、男女は不平等なままであるとしてきた。その解消のために、日本においてもフェミニズムはいろいろと女性のための主張をしているわけである。

 フェミニズムが目指す「男女を対等に扱うため」としては、女性が社会で働きつつも育児や出産をしっかりとできるような社会形成をしていくことを究極の目標としている。
 もっと女性を活用し、評価されつつも育児もしやすい社会を最大限めざしていくこと。現代のフェミニズムだけでなく、各先進国の大半が女性の社会進出と少子化対策を強化していることが示すように、目指すべき理想の形のようにされている。それと同時に、この社会の実現によってこそ、少子化の解決もできるという風にも長年信じられてきた。

 だが、フェミニズムが目指そうとしているものを全部実現しようとすると、どこかで矛盾接触が必ず起こってしまうのではないか?ということが考えられる。
 それを説明するために、以下のような3つの要素を検討するものとしてあげたいと思う。その要素とは


① 出産、育児の自由参加
② 結果の平等
③ 成果への公平性

である。

 各要素については以下のように軽くまとめる。

①について
 仕事をしながらも、自由に出産、育児という側面にも自由に参画できるという面である。近代の女性の社会進出においては重要な要素であるものではあり、少子化対策においても育てやすい環境というのは重要な課題の一つとしてあげられている。
 自由な出産、育児参加によって、女性のライフプラン設計を作りやすい要素をどうするかが要点である。

②について
 結果の公平性とは、アファーマティブアクションなどで聞くことが多いと思われるが、結果として男性と女性が同じ割合で一定の役職や地位などについていることを指す。
 数値的なものを追求する要素が強く、とにかく男女の数字上の公平性を追求することが求められる。

③について
 成果の公平性とは、文字通りどのような成果を上げて、どれだけ売り上げや会社のために貢献できたかという指標といっていいだろう。性別を考えず、成果主義、実力主義的な側面を求める世界であり、それ以外の要素は排除するものである。
 

 以上の3つの要素が本件で取り上げるものであるが、読まなくてもこの手の話題に詳しい人にとっては、この後の内容は話さなくてもわかるのではないかと思われる。 
 ただ、テレビなどのメディアではあまりそういった話は出ないため、人によっては新鮮に感じるかもしれない。そういったこともあるため、一応検討した事項を記述しておく。

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