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ことのは箱

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エッセイや絵日記、コラムもどきをしまってます。思いつきで書き散らかした言葉たち。
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2019年1月の記事一覧

好き

昨夜は頭痛が抜けずに子供たちより早く寝てしまった。 寝ないと治らないので、ひたすら寝る。エセ自然派なので薬は飲まない。寝れば治るし。 気が付いたら意識を失っていて、夜中に次男のうなされる声で起きた。 鼻が詰まってる音がする。額に手を当てると熱かった。 でもいつもと違う。手足が冷たい。吐く息も熱くない。 ほどなく体をぶるぶる震わせる次男。熱性けいれんとかいうやつかな!?という不安が頭をよぎったけど、どうにも寒くて震えてる気がしたのでブランケットとふとんでくるんで、冷たい足を自

Bunk bed

二段ベッドのことを英語でBunk bedと言う、ということを、寝台列車に乗った時に長男に教えてもらった。 私も小学生の時、その頃住んでいた祖母の家に子供部屋を増築する際に作ってもらった二段ベッド。 二段ベッドには子供を惹きつける何かがあるよね。 子供たちは寝台列車も大好き。はしご。やっぱりあのはしごかな。 欲しい欲しいとずっと言われていた二段ベッドを年末のボーナスで買った。 私が今借りている部屋はベッドルームがひとつしかない。 次男が小学生になったら、少し大通りから離れて

普通のこと

今から数年前、ノンカーイという、日本でいうところの秋田青森あたりに住んでいた。 平日子供が学校に行っている間ぷらぷらしていた自称タイ語勉強中の私は、その日も友人と屋台でバミーという中華麺を食べていた。 食べ始めてすぐに、どこからともなくおじいちゃんが現れ、私たちの座っているテーブルの真横に立った。 そしてアーとかウーとか、言葉にならない言葉を発している。こちらを向いているので、すぐ真横で観察されているような形だ。 会話することができないのは瞬時に理解した。 「どうしよう」

起立して見える世界

タイでは、朝の8時と夕方の6時に国歌が流れる。 駅、学校、お店、公園。テレビやラジオ。 乗り物に乗っていたり大通りを歩いていると気づかないけれど、色々開けっぱなしの家がある場所ではどことは知れず聞こえてくる。 国歌が流れたら、起立する。 さっきまで動いていた人波が止まる。 随分と見慣れたけどまだちょっと不思議。 忙しい朝の駅。改札の手前で、奥で、階段で立ち止まる人々。 夕方公園で遊ぶ子供たちが、ベンチでくつろいでいた人たちが起立する。 国歌が終わるまで。 そして終わった

私、綺麗?

去年の10月のことなのだけど、勤務先のオフィスの引っ越しをするにあたって新しいオーナーに「ロボポー(警備員)に渡すから、社員の顔写真と名前のリストを作って」と言われた。 めんどくさいけど仕方ない。会社にあるオンボロカメラを渡してこれでひとりずつ写真を撮って、と言ったらもんのすごいブーイングで、「これじゃ綺麗に撮れない!」から、「自分のスマホで撮る!」と言う。 iphoneでキメッキメの写真を撮り合いっこするスタッフたち。 インスタやfacebookに上げる訳でもない、警備

ことのは

私はいつも、強く言い切れない。 知識も自信もないから、つい曖昧な言葉を選んで、そうして並んだ言葉を眺めては、あいかわらず説得力がないなぁ、と思う。 自分や誰かが書いた文章を読んで感じるのは、おんなじ日本語なのに書き手によって全然違うものになるの、すごくおもしろいなってこと。 言葉の選び方、順序、ひらがなとカタカナと漢字。改行の仕方。文章を持ってくる順番とか。少し違うだけで、ずいぶんと読み手に与える印象が変わったりする。 ~と思う。~な気がする。~なのでは。そんな言葉が羅

nose

子を寝かせてからnoteを書こうと思ってたら寝落ちした。笑 もう朝やん。 ということで、熟成した下書きに加筆しよう。 私は今から9年と少し前に、母になった。 その日から毎日していることがある。 正確に言うとノロで倒れた時と、ひどい食あたりで寝込んだ時以外、毎日。 母になって以来毎日欠かさずしているそれは、 自分の鼻を子供の鼻にスリスリすること。 なんとなく安心するんじゃないかなと思って、この世に出てきたばかりで泣いている長男の鼻に鼻をくっつけてスリスリしながらなだめたのが

三日月

昨夜の帰り道、 空に三日月が浮かんでいた。 バンコクはここのところ大気汚染が酷くて、そのせいなのか少し前に見た月は輪郭がぼんやりとしていたのに、その三日月はくっきりと夜空に浮かび上がっていて、綺麗だな、と思った。 見て、Moonだよって子供たちに言ったら空を見上げて、「Happy faceだね!」と長男。 そう言えば以前プールで一緒に三日月を見た時も言ってたなぁ。と思い出す。 「Happy faceみたい。Happy Moonだね!」って。 次男も一緒に「Happy M

ともだち

私にはふたり息子がいて、ふたりともあまり人見知りをしない。 特に長男は、全然しない。気がする。 馴れ馴れしすぎてちょっとあわあわしてしまうことも珍しくない。 はじめて会った名前も知らない子も「ともだち」と呼ぶ。 普段単語はほとんど英語なのにそこは日本語なのもちょっと不思議。 「ともだち」にはあまり年齢は関係なくて、学校の上級生や、旅先でかまってくれた青年は「おっきいのともだち」だ。 カタコトなのがまた笑いを誘う。 私の妹を「ママのともだち」と言ったりするから、あんまりよく