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おこめちっくタイランド①~

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エッセイ4コマ。過去作品も読みやすいようにまとめてみました。とりあえず更新したら追加していきます。いっぱいになったらまたマガジン作るかもです。
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#移住

おこめちっくタイランド⑯

甘ァ~~~~~い!! と思わず脳内で叫んだのは言うまでもない。 まさに脳天直撃。 はじめて自分でオーダーし、作る現場を眺めた時の衝撃。(あれなんかラッパーみたい) すごいというか、なんというか。 タイは本当に何でも思い切り良く投入する。 タイに来てすぐの頃は、フルーツシェイクにハマって毎日のように飲んでいた。 だって日本では贅沢の部類だったフルーツを目の前でざくざく切ってミキサーでガーッとしてくれて、100円もしないなんて天国じゃない?(地方価格です) そのうちにチャ

おこめちっくタイランド⑮

昔からモテる方ではあった。 誰かと一緒にいても私にばかり寄ってくる。 そう、 蚊とハエが。 実家のある秋田には蚊があまりいなかったし、ハエは食卓の上のハエ取り紙にくっついていたので、モテる体質であることに気づかなかったのだけど。 東京で通っていた専門学校の中庭で、決まって友人に「マイコといると蚊に刺されなくていいわ~笑」と言われるようになってはじめて、人より蚊が寄ってくることを自覚するに至りました。 タイのノンカイは自然が多いせいか蚊もものすごくて、蚊に刺されない

おこめちっくタイランド⑭

今までこれができる人を、3人見たことがある。 全部ノンカイでだけど、まだ出会ってないだけできっとバンコクにもいるんじゃないかな?w 見てるだけで奥歯がガタガタになりそうでした。 あとタイ人すごいな~歯が丈夫なんだなぁ~って。 これを見た日本人の友達が、栓抜きが見当たらない時にドアノブを回すと動く引っ掛かりの部分がかちゃっとはまる所でビールを開ける技を編み出して、人間て賢いなぁと感心したよ。 歯はちょっと軟弱な日本人には難易度が高いからね。 「足るを知る」とはこうい

おこめちっくタイランド⑬

トゥさんはものすごい跳躍力だった。 動体視力もなかなかのものなのだろう。 飛び回る虫を素手でつかむなんて、私にはきっとできない。イヤする気もないんだけど。 カメムシを見つけてからのトゥさんの動きが、とにかくすごかったのを強烈に覚えている。 こちらに来てから秋田の実家にいたような小さいカメムシを見ていない。 バンコクではカメムシ自体見ない。たまたまなのかわからないけど、ノンカイで見たのはでかくて緑っぽいカメムシだけでした。 まさかカメムシまで食べるとは思わなかったので、

おこめちっくタイランド⑫

タイに6年以上住んでいますが、未だに何故なのかわからない。 タイ人に聞いてもわからないと言われてしまった。 何故彼(彼女)がこの中に当然のようにいるのか、誰か知ってたら教えてくれませんか。 *** 色んな所にでかけては、虫を売るのがトゥさんの仕事だった。 虫はよく売れるし、そこそこいいお金になるんだそうだ。 「家畜と違って抗生剤を打たれていないから、一番安全な食べ物だ」とママが言っていて、なるほどなー!と思ったけど、農薬が撒かれたエサがある場所で採れた虫だとそうでもな

おこめちっくタイランド⑪

ママは本当に料理上手で、ママの作るものは何だって美味しかった。 日本料理と全然違うタイ料理なら比べようがないのだけど、卵焼きのような自分でも作る料理だとその違いがはっきりとわかって驚く。 なんだこれは。私の知ってる卵焼きじゃない。 こんなにジューシーでごはんのすすむ卵焼き食べたことない! 息子さん1のがっつきようがまたことさらすごくて、これは是非ともマスターしたい!一体どうやったらこんな卵焼きを作れるんだろう? と、ママにレシピ伝授を懇願。 タイの一般的な家庭やお店だと

おこめちっくタイランド⑩

ホームステイ先のおうちの隣は、公立の小中学校だった。 なーんにもないのどかな村の学校は、休日も子供たちの遊び場。 なーんにもないのどかな村に外国人がいるのも珍しいのか、子供たちがしょっちゅう門のところへ来ては遊ぼうよと誘ってくれて、とても有難かった。 息子さん1より少し大きい子から、中学生くらいの子まで。男女入り混じって遊ぶ子供たち。中には兄弟もいたりして、なんだかいいなぁフフフと眺めておりました。 サンダルとは思えないほど軽やかに駆ける子。 するすると猿みたいに木

おこめちっくタイランド⑨

それは私にとってとてもとても、新鮮かつ印象的な景色だった。 見たことがなかったから。 目視できることに驚きと感嘆と、それから妙な安心感を覚えた。なんて近いんだろう。隔てるものがほんの少ししかない。 ちょっと足を延ばせば簡単に届く距離。 隣の国がこんなに近いなんて。 向こう岸にはたくさんの濃い緑と、小さな家やお寺が見えた。 高い建物はほとんどなくて、それがまた良かった。 川からの風が心地よい。 何時間でも眺めていられそう。 メコン川に架かる友好橋。あれを渡ればラオスな

おこめちっくタイランド⑧

コンビニ、スーパーや露店の店員さん。レストランの従業員。試食の売り子さんやエステかなんかのアンケートとってる人。陸運局のカウンター。もちろん一般企業でも。 いわゆる一般の、普通の仕事に就いている。彼らのそのままの姿で。 化粧も髪型もバッチリな人、お化粧だけしてる人、何もしてない人。 みんな色々人それぞれ、テンプレートなんてない。 タイに来て驚いた日常の風景。驚いたのがなんだか哀しいなと思うほど、羨ましいなと思った。私の生まれた国もこうだったらいいのに。 東京で一生懸命

おこめちっくタイランド⑦

そうか。これもマイペンライなのか。 まぁ死ぬ訳じゃないしね。うん。 というか大概のことはマイペンライなんだなきっとこの人たちは。と感心もしたし、笑わせてもらった。なんて和むんでしょう。 彼らは共に50歳を少し過ぎたくらいで、私の両親よりはずっと若いけれど私自身から見れば一廻以上歳の離れた人生の先輩。 そんなふたりが織りなすやり取りがずいぶんと新鮮だったのを思い出す。 私多分蟻入りのコーヒーをさらっと誰かに出せないし、反対に受け取ってもこんな風に飲めないから。笑 それをこ

おこめちっくタイランド⑥

のどか、という言葉がこれほど似合う場所を私は知らなかった。 生まれ育った北国の町もなかなかの田舎だったけれど、こんなにも時間がゆったりと流れてはいなかったと思う。 朝は鶏のけたたましい鳴き声。空き地では水牛が草をはみ、散歩をすれば牛に道をふさがれる。 濃い緑、鮮やかな南国の花。ドアのない公衆電話、舗装されていない道、大人用の自転車を立ち漕ぎする少年。 適当な量のガソリンが適当なお酒の空き瓶に入って並ぶ小さな商店。そんなお店の前でおばちゃんが気だるそうに座っている。 ど

おこめちっくタイランド⑤

ホームステイ先のママはとてもホスピタリティあふれる人で、私たちをあちこちに連れて行ってくれたり、美味しい料理を作ってくれたり、そしてよくビールを買ってくれた。 ビールは苦手だと言うとSPY(すごく甘いワインみたいなお酒)を買ってくれて、飲んだ翌日はママ昨夜はありがとうなんて言ってビール好きの日本人ママさんもお礼にビールを買ってきたりして、飲めないくせに飲む日が続き、はて私は何をしにタイに来たのだろうと思いながらもまぁいっかマイペンライマイペンライという空気に流されていた。

おこめちっくタイランド④

辿り着いたのはノンカイの片隅にある小さな村にある大きなおうち。日本人のご主人とタイ人の奥様のご夫婦のお宅の、ゲストルームの一室を借りてのタイ生活のスタート。 物静かで優しいご主人と、元気で明るいママ。ビール命の管理人さんと、ちょっと怠け者のお手伝いさん。 広いお庭に半外のリビングがあるおうち。緑がたくさんで気持ち良かった。 超がつく田舎のため、足がないと出かけるには不便だったけれど、お願いすると誰かしらバイクに乗せて街に連れてってくれた。ママが美味しい料理を作ってくれたり

おこめちっくタイランド③

海外に行くのは初めてじゃなかったけど、LCCに乗るのはこの時が初めてだった。 でもってそれまで荷物の重さを測ったことがなかったんですよ。。けど超過料金なんて取られたことなかったから全然気にしてなかったらこれ。この有り様。 「ベビーカー一台まで無料」ってとこを「似たようなもんだしこっちの方が息子さん1が喜ぶから」と三輪車ごり押し作戦は見事に撃沈したし。 今思うと我ながらほんとアホ。 せっかく持ってきた荷物を大量に実家に送り返す羽目になり、結局後日送ってもらうという最高に無駄