下垂体腫瘍 手術当日

さていよいよ手術当日。
朝は絶食、体温と血圧を測って、手術衣に着替えておむつをつけます。
ぺらんぺらんの手術衣のまま夫と手術前の面会。
時間になったら徒歩で手術室に向かいます。
同じ手術時間のもう一人の患者さんはストレッチャーで移動。

手術室?の中は想像と違いたくさんのスタッフさんと患者さんでごった返していて、名前を呼ばれるまで椅子に座って待機。
手術台に乗せられて粛々と手術室に入るイメージでしたが、ここでもうイメージが違います。

担当の看護師さんによばれてやっと手術台の上に乗ります。
というか、眼鏡をかけていないのでまったくどういう経路を通ったのかわからず、今思い返すとレアな機会なのにもったいない!

よくブログ記事で見るような「大丈夫ですからね」とか心をほぐす感じの声かけもなく、ビジネスライクに「眠くなる薬入りますね〜」の声を合図に秒で落ちました。


「溶けきのこさん〜」のよびかけで目が覚めたら誰かの顔(ノーメガネなのでわからず)。
すぐに夫が来て手術について教えてくれました。
後からわかりましたが、このときには既に手術後に入る回復室にいたようです。

「麻酔かけても血圧がなかなか下がらないどころか上がっちゃって手術が始められなくて、その上腫瘍が下垂体をぺしゃんこに押し潰しててかなり癒着があったから、それを丁寧に剥がしてたらさらに時間がかかったんだって」

3〜4時間で終わるはずの手術が6時間かかったそうです。
血圧のせいか鼻の粘膜からの出血もひどく、400mlの出血量予定が1リットル以上出たそう。
その時はさほどつらくなく、麻酔もパキッと切れて意識ははっきりしてました。

「腫瘍は綺麗に取れましたからね〜」と執刀医の先生。ありがたい!

「喉のほうに血垂れてくる?飲み込んじゃうとよくないから、ティッシュに出してね」と助手の先生。

そうそう、血を飲み込むと吐き気があるのよね、と進研ゼミの知識を参考にまめに血を吐き出してましたが、だんだんひどい頭痛と吐き気が。

これはダメだと思いひどくなる前に看護師さんにお願いして痛み止めと吐き気止めの点滴をお願いします。
薬が効いている間はまあまあいいですが、鼻呼吸はできないし、気持ち悪いしだるいし頭は痛いし、インターネッツで見て知ってはいたもののこれは本当につらい!

私の今までのつらい経験トップ1は重症妊娠悪阻で同じ病院に入院したときですが、あのつらさ10とすると瞬間最大風速的にはこれも10ですね。

つわりのときは3日以上吐き気でまったく眠れなくて、ついには幻聴とか幻覚もあったのでトータルで言うとつわりに軍配が上がるかもしれませんが、吐き気と締め付けられるような重い頭痛のコンボはこれはこれできつかった。

ナースコールを押しては吐き気止めと痛み止めを追加してもらい、次の薬を入れられる時間までひたすら耐える……地獄みたいな時間が続きました。

そしてまた吐き気止めが切れるころ、今までで最大の吐き気がせりあがってきて、用意されていた袋に上手にin!
まだ頭もほとんど上げられないのに私えらい!
先人たちの体験談で、ここでベッドや服に吐いてしまうとしばらく替えてもらえないということがわかっていたので、執念でinしました。
inしたものをふと見ると、なんと大量の真っ黒な血!
でも私は驚きません。
これは手術中に吐いた血だと、インターネッツで見て知っているからです。
インターネッツにはすべてがある……。

気を取り直してまた吐き気どめを入れてもらい、しばらく耐えるもまた嘔吐。こんどはほぼ透明です。
看護師さんによると、たぶん手術中に飲み込んだ消毒液じゃないかと。

いくら術後に血を飲まないようにしても、術中に出血が多ければどうしても大量に血を飲んでしまうので、これはもう通過儀礼みたいなものなんですね……。

とにかく時間が過ぎるのを待つだけの苦しい夜でした。


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