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クソ専業を切るまでの話4

これは半年前に出会ったクソ専業を切るまでの話である。
クソ専業はBEGINのボーカルに似ていた為、ここでは比嘉と呼ぶ。
沖縄出身の40歳である。

居酒屋編

大分間が空いてしまったが前回の続きからである。
比嘉と初めて二人でランチへ行き、あまりのつまらなさと非常識さに本気で切りたくなったが、ここまで来たら面白いのでまだ切らずにいた。

さて、スロット依存症末期の私であるがデトックスしたくなる時もある。
そこで彼女と某県山奥の温泉へ旅行することにした。
都会の喧騒を忘れさせる清々しい朝、ゆったりとブランチを楽しんでいるとLINEに鬼電が入る。
比嘉である。こんな朝にかけてくることは初めてで嫌な予感がした為スルー。しかし連続でかけてくる。
今旅行中で電話に出れないから文章で伝えてくれとLINEをすると、案の定であった。
比嘉「今末尾対象の島唄打ってるんですが、軍資金2万尽きたので借りれませんか?」
ゴミofゴミである。なぜ2万で島唄を打ったのだろう?そしてこいつはホントに沖スロが好きだな。
そもそもその店の末尾対象と言っても1/2で設定5.6なので、外してる可能性も大いにある。そして前回3000円貸した時にもう二度と借りないと約束している。
とりあえず旅行中なので無理だと言うことと、1/2外してる可能性の方が高いと伝えやんわりと断った。
すると比嘉もすっぱりと諦め謝罪をしてきた。ちゃんと謝れて偉い。

そんなこんなで比嘉はとにかく金がないのである。
ただでさえ居酒屋バイトと軍団の掛け持ちで収入が低いのに
スロットだけでなく、ボートにものめり込んでおり、ひどく散財していた。居酒屋バイトも常に給料を前借りして、家賃に光熱費、通信費等支払いも滞っており正に「首が回らない」状態だった。
毎回金を貸して欲しいと頼まれるのは本気で嫌なので、私も色々と助言をした。
一度ギャンブルを全て辞め、親と話し合い実家に戻り、そこで仕事を見つけ立て直すことを勧めたが「スロットもボートも長期でちゃんとやれば勝てるから現状続ければいずれ立て直せますw」とまるで聞く耳をもってくれなかった。
勝ててないからこうなってんだろorz
私はボートをやったことがなく少し調べてみたが、還元率が75%だったことに驚いた。そんな世界で長期的に勝つのは難しいだろう。パチンコパチスロが如何に甘いかがよくわかる。
とにかく説得して、テレボートを解約させることだけは成功した。
そして本当は嫌だったが、超優良店である私のマイホを紹介してやった。
そこは当時ハナハナ天翔が8台あり、設定2がベースな上に特日には2台ほぼ必ず5.6が入るのだ。
比嘉はそのホールデビュー戦でハナハナ天翔の6をツモり3000枚出してご機嫌で帰っていった。調子にのったLINEがウザかった。
気を良くした比嘉は本当に”毎日”そのホールに通うことになる。
居酒屋バイトを夜から朝までやり、そのまま抽選に並ぶといった無茶な生活を続けていた。おかげで比嘉は見るたびボロボロになっていた。
比嘉は私に会うたびに飲みに行こうと誘ってきた。
ランチがあんなに苦痛だったのだから居酒屋なんてどうなるんだと思い、毎回断っていたが、余りにしつこく誘ってきたので、負け戦とわかりつつ行くことにした。とても喜んでいたのが印象的であった。
どうやら比嘉のバイト先の居酒屋に行きたいらしい。従業員割のフード20%引きクーポンがあるそうだ。
そして金曜の夜、某繁華街で待ち合わせをした。
私は15分程度遅れそうなので先に入ってて欲しいと連絡をしたが、なぜか一緒に入りたいらしく店の前で待ってると返信が来た。謎である。
そして店前で比嘉と合流し、いざ入店しようとすると
比嘉「店入る前にクーポン印刷するんでコンビニ寄りましょうw」
私を待っている間に何故それを済ませておかない?しかし相手は比嘉である。もう何をされても今更驚きはしない。こいつが部下だったら張り倒している。
そしてコンビニのコピー機でのメールの印刷方法がわからず、忙しそうにしていた外国人の店員さんを捕まえてやり方を聞いていた。飲む前から地獄か。
当然店員さんもやり方がわからず、私が調べながら代わりに全部やった。
途中何度も印刷しなくても口頭で言えば絶対にレジでなんとかしてくれると言ったが、比嘉は頑なに「印刷しなきゃダメなんです!」と聞く耳を持たなかった。コピー代金20円も私が支払う。なんだこれ。
さぁクーポンも印刷して楽しい飲み会の幕開けである。
店員の比嘉にオススメメニューを聞いたら玉子焼きと焼き鳥だと言うので注文をする。
比嘉はビールが苦手らしくコークハイを頼んでいた。ようそんなもんで焼き鳥が食えるなキミ。酒に弱く普段は2杯までらしい。
私は居酒屋へ行くと必ず冷やしトマトを注文するのだが、比嘉はトマト及び野菜のほとんどが嫌いらしく「ひとりで食べてくださいw」と言われた。
「でもマヨネーズはもらいますねw」にイラっとした。重度のマヨラーらしい。偏見だが育ちの悪い奴はトマトが食えない。
更に比嘉はのっけからご飯を注文していた。こいつ飲みにきてねえじゃん。
そしてご飯がなかなかこないことに苛立っていた。忙しそうな店員(バイト仲間)を捕まえて「厨房に比嘉さんとこにご飯大至急!って言ってきて!」と何度も急かしていた。金夜だぞ・・・
ようやくご飯が来ると、玉子焼きと焼き鳥を白飯に乗せてガツガツ喰らっていた。


箸の持ち方がガチで画像の②であった。更にボロッボロの歯を見せながら玉子焼き鳥丼をコークハイで流し込む。食欲が失せる。
玉子焼きの味がいつもより劣るらしく、「まずい!」と大声で連呼し、何度も忙しそうな店員(バイト仲間)を捕まえて「今日誰が作ったか聞いてきて!」と言っていた。何度も言うが金夜のピークタイムにである。いい加減恥ずかしいぞこれ。
せっかくの機会なので私は前々から比嘉に対して思っていた疑問をいくつがぶつけてみた。
Q.なぜ常に帽子をかぶっているのか?→ハゲているから
Q.ぶっちゃけ童貞?→10年前に彼女がいてやった。以降童貞。
Q.職務経歴は?→風俗のキャッチとパチ屋バイト
やはりなかなかの逸材である。帽子を取って見せて欲しいと頼んだが頑として断られた。
その他会話は終始比嘉の昔の武勇伝とハチャメチャすぎるスロット理論で案の定地獄だった。なんでも彼の昔通っていたホールに設定6でも”クセ”が悪く絶対に出ない角台があり、6確が出ていても常連は皆座らなかったそうだ。
こんなつまらない飲みは人生初だったので一刻も早く帰りたくなり、1時間少々で店を出ることにした。きっちり割り勘にした。
店を出る前にトイレに行き、行きしな店員さんに「忙しい中、比嘉が色々すみません。」と謝ると
「あの人のことは誰も相手にしてませんから。。。」と返された。
そりゃあそうなるよな。
店を出たら比嘉は酒弱い癖に2件目行く気満々だったが明日早いと断り解散した。
翌日比嘉は二日酔いで軍団稼働をサボったらしい。
この地獄すぎる飲み会で私はついに比嘉を切ることを決めたのであった。

次回最終回
決別編







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