【小説】臆病者の午後一時(前編)
はじめに大学時代に授業で書いた小説にちょっとだけ修正を加えた作品になります。
人に馴染みたい一方で斜に構えている不器用女子大生と、一見強いようでいて努力をしている男子大学生の青春系物語。
本編
ふっと意識が浮上した。頭の下にはビビットなブルーのビーズクッション。どうやらこれを枕にしていたらしい。丸まっていた体を伸ばすと関節が痛んだ。せっかくのカーペットだが何分薄いものだから、フローリングで直接寝ていたのと代わりゃしない。
リボンをつけた世界的に有名な子猫の柄のカーペット