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東京都美術館「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」

東京都美術館で開催されている
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」を
観に行きました。

先日見に行った「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」同様、
西洋絵画の巨匠の作品をまとめて見れるということで
楽しみにしていました。

展覧会の概要と訪問状況は下記の通りです。

スコットランド国立美術館は、上質で幅広い、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する美の殿堂です。そんなスコットランドが誇る至宝の中から、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、レノルズ、ルノワール、モネ、ゴーガンなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示します。さらに、同館を特徴づけるイングランドやスコットランド絵画の珠玉の名品も多数出品。それらを西洋美術の流れの中でご紹介します。

展覧会公式ホームページより

【概要】
  会期:2022年4月22日(日)~2022年7月3日(日)
 休館日:毎週月曜日
開場時間:9:30-17:30(入室は閉館の30分前まで)
  料金:一般1,900円/大学生・専門学校生1,300円/65歳以上1,400円
     高校生以下無料

展覧会公式ホームページより

【訪問状況】
   日時:日曜日午後
 滞在時間:14:00~16:00 
 混雑状況:入り口付近を抜けるとそれなりにゆったり
      観ることができました。
感染症対策:入口での手指の消毒、検温がありました。
 写真撮影:不可

こちらも年代順に作品を並べて西洋美術史の流れが
概観できる構成になっていました。章立ては下記の通りでした。

プロローグ スコットランド国立美術館
Chapter1.ルネサンス
Chapter2.バロック
Chapter3.グランド・ツアーの時代
Chapter4.19世紀の開拓者たち
エピローグ

西洋美術史はイタリア、フランスを中心に語られることが
多いように思うのですが、今回の展示はイギリスの作家、作品を
この流れにどのように位置づけるか考えられていることが
特徴かと思いました。風景画、肖像画といった分野については
「うちの得意分野だ!」といったプライドが感じられました(笑)。
またウィリアム・ブレイク、ジョン・マーティンの物語性のある
作品からは文学を愛するイギリスの国民性が出ているのかなと
思わされるものがありました。特に下記の作品が印象に残りました。

ジョン・マーティン「マクベス」1820年頃
※グッズの絵ハガキを撮影

3人の魔女のラインとと上空の雲がうねるような螺旋を描いていて、
不穏な空気を掻き立てているようでした。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「「古来比類なき甘美な瞳」」1881年
※グッズの絵ハガキを撮影

今回実物を見られるのを楽しみにしていた作品です。
チラシなどで見ていた時には儚げな絵というイメージだったのですが、
明度控え目に描かれた庭(?)を背景にした白い服の少女が
輝くような存在感を放っていて、意外と力強さを感じました。

その他に気になった作品は下記の通りです。

◆コレッジョ(アントニオ・アッレーグリ)帰属
 「美徳の寓意(未完)」1550-1560年頃
素描をキャンバスに移す様子がうかがえるとのことですが、
中央の女神が塗り残されていることが驚きでした。
中心の一番大事なところから塗り始めると思うのですが、
周囲から塗っていったようです(作家にもよるとは思いますが)。
制作過程がわかるという面で未完の作品ならではの
楽しみ方があるなと思いました。

◆ジャン=バティスト・グルーズ「教本を開いた少年」1757年
勉強に取り組む少年の表情と指先の表現が見事だと思いました。
キャプション見てて思ったのですが、教訓を込めた絵を描いた人ほど
お金に苦労したりアルコール依存症になったりと破滅的なのは
何故なんでしょうか…。

◆クロード・モネ「エプト川沿いのポプラ並木」1891年
実景と水面に映った光景がほぼ半々で描かれているのですが、
双方をどのように描き分けるか挑戦するために取られた
構図なのかなと思いました。モネの実験精神が感じられます。

◆ベルト・モリゾ「庭にいる女性と子供」1883-1884年頃
絵全体を囲む茶色の渦が母子だけの時間を演出しているようで、
幻想的な雰囲気を出していました。

最後に展示されていたフレデリック・エドウィン・チャーチの
「アメリカ側から見たナイアガラの滝」はとても見ごたえのある
作品でした。大画面で迫力満点なのですが、右下に描かれた虹、
遠景の滝のクリアな青が繊細さを加えていて作品を
引き締めているように感じられました。作品が寄贈された
エピソードも含めてスコットランド国立美術館が館を
代表する作品として貸し出したのかなと思いました。

フレデリック・エドウィン・チャーチ「アメリカ側から見たナイアガラの滝」1867年
※撮影コーナーより

バラエティに富んだ展示で楽しめました!
東京会場は会期終わってしまいますが、巡回先の
地域にお住いの方はチェックを!!



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