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大きな木とスミレちゃん (1)

マヤは、本が読むことが好きな小学3年生。みんなでワイワイ過ごすより、静かに本を読んでいる一人の時間が好きです。仲間同士で賑やかに楽しむ同級生からは、少し変わっていて、とっつきにくい子という印象があるかもしれません。

マヤの通学路には、敷地は大きいのに、遊具は砂場と滑り台、ブランコだけのとてもシンプルな公園があります。その公園には、一本の大きくて丸い木がありました。マヤは、学校が終わると、その木の下で1時間だけ本を読みます。その時間は、ちょうど、木の下が木陰になり、砂場で遊ぶ親子の声と小鳥のさえずりがバックミュージックのようで、空間が、とても心地がいいのです。

ある日、いつものように木の下で本を読んでいると、?????!!!
誰か、いる???

「ねぇ、毎日、ここに来てるね。」

赤毛で紫色のワンピースを着けた、ちょうどマヤと同じくらいの女の子が横に座りました。

「どうして、知ってるの!?いつから、ここにいたの??」

「私、スミレって言うの。あなたは?」

「マヤ・・・です。」

そう自己紹介をし、また本の世界へと戻りました。そして、スミレちゃんは、絵を描き始めました。お互い特に話すこともなく、時間は流れました。

「あ、私、もう行かなきゃ。スミレちゃん・・・それじゃーね!」

「マヤちゃん、また明日ね♪」

そう言って、二人は別れました。


何だか、不思議な子だったなぁ・・・。でも、何だろう。また、会いたいなぁ。不思議な気持ちでいっぱいでしたが、なぜか、悪い気がしません。むしろ、スミレちゃんという女の子に興味が沸いてきました。


次回へ続きます・・・

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