「楽して稼ぐ」は不可能ではない、という話

「楽して稼ぐ」には2種類ある。

一つは、誰から見ても楽に見えるような仕事をやってお金を稼ぐということ。一般に「楽して稼ぐ」と言えばこちらのニュアンスになると思う。
実際のところこれは幻想である。
誰から見ても楽に見えて、実際に誰がやっても楽なんだったら、やりたい人はいっぱいいて相対的にニーズが下がり労働単価も下がる。
場合によっては、他の仕事で就労している人が本業の合間にできちゃったり、無償でやってくれる人が現れたりして、それ自体が「(労働の対価としてお金を稼げる、という意味での)仕事」として存在しなくなることもある。

もう一つは、「自分にとっては楽だ」という仕事でお金を稼ぐこと。
あくまで「自分にとっては楽」であって、「誰から見ても楽」ではないのが大事。おそらくは、客観的に見たら全然楽な仕事ではなく、周りから「大変ですよねえ」と気遣われたりすることも多いと思う。で、客観的に見ての大変さに比例した対価が支払われることになり、「仕事」として存在しうるし、場合によっては世間一般の水準より高い報酬を得られることもある。
でも、やってる本人は「いやあ、楽しいんですよ、この仕事。だから全然苦にならないんです」と返事してたりして、それが社交辞令ではなく半ば本心でそう思ってたりする。
これは「楽して稼ぐ」を達成できていると言えると思うのだ。

昨今は「FIRE」と呼ばれる「お金を貯めてさっさと仕事を引退する」ことを目指す人が多いらしいが、個人的にはこういう「楽して稼ぐ」ことができる仕事を見つけるほうがよほど幸せなんじゃないかと思ったりする。

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