夏野菜トマトの襲撃

一人暮らしを始めて早数か月。
自炊にもそこそこ慣れた折、大家さんからミニトマトをいただきました。
家庭菜園でできた野菜のおすそ分け、とのことです。

食費が浮く！

そんなことを思いながらミニトマトの入ったレジ袋を受け取りました。
そして気付く。

あかん、これ一人で食べきれる量やない……。

そうなのです。普通のレジ袋に半分くらい。
二キロはあろうかという、大量のミニトマトが詰まっていたのです。

受け取った以上、突き返すのも失礼な話。
処分するのは気が引けるし、食べきるにはなかなか骨を折ることになりそうだ。
そんな考えが頭をよぎっている間に、パタンと扉が閉まったのでした。

なるほど、やばい。

無情にも閉る玄関扉を見つめ、もやしは冷や汗を流します。

一体何食分あるんだろうか。
まさか毎食ミニトマト……？
ダイエットには最適だな！
食のバリエーションが足りなすぎるだろ！

様々な思いが巡る中、ありがたいのはある程度日持ちのする野菜だったこと。
足の早い野菜では、人に渡すにもタイムトライアルですからね。

まずは前回お話した大好物のアヒージョから。
とにかくトマトメインに十個くらい切ってぶち込むも、減った様子が感じられない。
……ちょっと待て。これ、十食分以上あるってことか？！
改めて感じる物量におののくもやし。
しかしそれでミニトマトが減ることはないのである。

そんなアヒージョの残り油は捨てません。
翌日、再度温め直しした際にさらにトマトを投入し、湯がいたそうめんにかけて美味しくいただきました。
アヒージョを食べた翌日は大体ペペロンチーノか炒飯・リゾットが鉄板です。
これ、少し具材を残すのがむしろ楽しみなんだよね。
ちなみに強い塩気がさっぱりそうめんに割と合いました！

お次は玉子とミニトマトの炒り物です。
味付けも白だしベースの塩気があって、トマトの酸味が感じられる。
やばい。見た目も味もアヒージョそっくりや。
違うのは油の量くらい……いいや、ちゃんと別物でしたよ！？

鶏肉とキノコミックスのケチャップ煮。
ケチャップ控え目でミニトマトをカットして投入。
これでもかとマシマシしてみました！
甘めの味付けの中にある酸味と鶏肉の旨味が食を進ませる！

合わせてクリームチーズにサクランボを添えて、オリーブオイルとブラックペッパーを……。
以前紹介した【Bubblegum.（バブルガム）】で食べた味の再現にチャレンジ！
ただのクリームチーズなのでちょっと貧相になった感じの味でしたが、ギリ思い出せるくらいのおいしさに！

残ったケチャップ煮にさらにミニトマトを投入。
ご飯に混ぜて炒めてバターで焼いた卵を乗せたオムライスらしきもの。
もやしの雑さがにじみ出る一品ですね。
鶏肉にしっかり味が付いているし、合間に入るトマトの食感がなかなか面白い。
この辺りでようやく半分。結構頑張ってるよね？！

トマトが減ってきた実感を味わうも、まだ半分残っているわけです。
ここでさらに半分を……つまり最初から考えて四分の一をおすそ分け。
ちなみにその人は三人家族。この異常さをわかってくれるか！

これで残りは四分の一。ついにその時が来ようとしていた。
茄子にミートソースとチーズをのせて魚焼きグリルで三分ほど。
もちろん、ミートソースにはミニトマトを忍ばせる。美味い。
トマトって熱を通すと香りも味も増しますよね。

最後はもちろんアヒージョで。
鮭を真ん中に置いてキノコミックスを添えて。
ちなみにこの間、生のままでもちょこちょこ口にしています。
デザート代わりというかなんというか。
じゃないとこんな速度では減りませんよね……。
かくして、もやしはミニトマトに勝利したのであった。

ちなみに先日実家に帰るとミニトマトとピーマンとオクラを渡されました。
……いや、トマト美味しいんだけどね？
最近大量に食べたんだよ。
そう伝えてもレジ袋に詰め込まれる量は変わりませんでした。
家族の行動さえ変えられないもやしに、他者の善意を断る力はなさそうです。

あと、なんか最近実家の飯炊きしに帰ってる気がしてなりません。
頼られるのもうれしいし、一人だけでは食べれない物を作るのでいいんです。
けれど期待の眼差しを向けるのはやめていただきたい。
そんな大したもの作れないんだからさ。

というわけで、旬のミニトマトを食べてみたでした。
今回は利用の幅が広いミニトマトだったのも幸いでしたが、食材縛りもたまには楽しいものですね。
トマト料理、皆さんなら何作りますかね？

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