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上海電力問題 - ジョリーさんに関するあれこれ① ステルス主張はみっともない

ジョリーさんの主な2つの記事について批判記事を書きましたが、ジョリーさんの文章に違和感を感じる事はあまりありませんでした

しかし、一番最近のジョリーさんの記事
『【上海電力】入札に関するあれこれ』
は違和感の連続でした

この記事では、ジョリーさんの記事で違和感を感じた箇所を紹介していきたいと思います



おおさか環境ビジョンが「市長案件」との評価を裏付ける資料がありません

読んでいて最初に驚いたのが、この主張です

これは、大阪市の環境政策の大方針2011年3月に成立しました。こういうものこそが「市長案件」といえるようなものです。なおこのときは平松市政であったことに注意です。一部内容を紹介します。

「市長案件」「副市長案件」「局長案件」の違いについて資料に基づいて説明する、としているのに

こういうものこそが「市長案件」といえるようなものです。

これが、簡単に言えるのなら誰も苦労しません

「副市長案件」「局長案件」について資料に基づいて説明すると言うのなら「市長案件」についても資料に基づいて説明すべきです

自分なりに少し調べましたが、「〇〇案件」とわかるような資料は見つかりませんでした

『環境局案件』ぽい感じはしますが、ひとまず私の判断は保留です



平松市政より橋下市政が良かったと言いたいなら、はっきりと主張しましょう
「副市長案件」の解説に潜り込ませたステルス主張は情けないです


なおこのときは平松市政であったことに注意です。一部内容を紹介します。

何をどのように注意するのか訳がわかりません

平松市政と橋下市政を比較した議論をするのは構いません
橋下市政が良かったと主張したいのなら明確に表現しましょう

「副市長案件」の解説に潜り込ませたステルス主張は情けないです



おおさか環境ビジョンの資料はちゃんと読みましょう


ジョリーさんが掲載した画像をそのままコピーしました

この中で、夢洲・咲洲はエネルギー産業を集積させるようなまちづくりを行うと明記されています。これを受けてすぐに夢洲メガソーラーも進みだすのです。重要なのは夢洲だけでなく、咲洲も含めて環境政策にカジを切るよとなっている点です。

この解説について、順番に確認していきます

■ 1点目 ■

夢洲・咲洲はエネルギー産業を集積させるようなまちづくりを行う

エネルギー産業を集積と資料に明記されているか確認します

夢洲・咲洲地区は、関西の強みであり、さらなる成長が期待される環境・エネルギー産業分野の実践エリアとして、「環境先進都市大阪」のモデルとなるような「グリーン・テクノロジー・アイランド(環境技術島)」の形成をめざし、日本の産業をリードする環境技術や新エネルギー産業の生産施設等の集積を図る。

  1. エネルギー産業

  2. 環境技術や新エネルギー産業の生産施設

両者は全く別物です

1は電力、ガス、石油会社等
2は太陽光パネル、バッテリー、省エネ家電、等の生産施設 ⇒ 工場・研究所

当時まだ競争力のあった国内の製造業を主なターゲットにして企業誘致をめざしていました

おおさか環境ビジョン
環境未来型の産業構造への転換(PDFファイル)
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2622994/www.city.osaka.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000102/102574/32-3.pdf

大阪市には、これまでの公害対策やごみ処理・水処理などの環境対策を進める中で蓄積された様々な環境技術が ある。また、大阪湾周辺など関西エリアには電池産業が集積しており、その国内シェアはリチウムイオン電池が約8割、 太陽電池が約7割となっている。また、関西エリアには、こうした技術を支える中堅・中小企業が多く立地している。 こうした特性を踏まえ、行政自らが環境技術の需要創出に取り組むとともに、官民連携で海外輸出やショーケース 化などを進めていく。 ・・・

これを『エネルギー産業』とまとめてしまうのは非常に問題があります


【具体的な取組み】もちゃんと読んで理解しましょう

  1. 夢洲におけるメガソーラーの設置

  2. 電力の効率的利用、熱や未利用エネルギーも含めたエネルギーの面的利用、太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用拡大の検討

  3. 二次電池産業をはじめとする環境・エネルギー産業の生産拠点や研究施設などの立地を促進

  4. 咲洲地区に「スマートコミュニティ実証実験モデル街区」をつくり、環境未来型の生活を具現化するまち(未来都市)の実証実験の舞台として提供(太陽光発電や二次 電池、省エネ家電などを活用したスマートハウスやスマートグリッド、ロボットテクノロジー、EV等による移動、など)

  5. 新技術をグリーンエコプラザなどで紹介・展示する「見える化」、環境施設をめぐるエコビジネスツアーの推進


  • 集約するのは生産拠点・研究施設

  • 環境未来型の生活を具現化するまち(未来都市)の実証実験

  • 新技術をグリーンエコプラザなどで紹介・展示する「見える化」

  • 環境施設をめぐるエコビジネスツアーの推進

つまり主眼は『物作り拠点』と『売るための展示紹介の場』です


■ 2点目 ■

これを受けてすぐに夢洲メガソーラーも進みだすのです。

夢洲メガソーラー計画はすでに具体的に動き出していました

大規模太陽光発電(メガソーラー)の導入について[2010年9月1日]
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1177604/www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000080003.html

憶測で物事を断定してはいけません


私は夢洲・咲洲地区の構想は以下の様なものではなかったかと思っています

  • すでに府庁舎、インテックス、ATCなどの施設が存在する咲洲の、主にコスモスクエア地区は『未来都市』展示場

  • 造成が進む夢洲地区の『産業・物流ゾーン』『先行開発地区』
    コスモスクエア地区以外の咲洲の事業用用地に国内の環境技術や新エネルギー産業の生産拠点・研究施設を誘致

その様な構想に進行中の夢洲メガソーラー計画も組み込んだのではないかと考えています


■ 3点目 ■

重要なのは夢洲だけでなく、咲洲も含めて環境政策にカジを切るよとなっている点です。

何にカジを切ったのかわかりにくいです

  1. 夢洲だけ ⇒ 夢洲だけでなく咲洲も含めた

  2. 環境政策に積極的でなかった ⇒ 夢洲、咲洲で環境政策を打ち出した

どちらでしょうか

『環境政策』とは何を指しているのでしょうか


それはともかく、そもそも『おおさか環境ビジョン』の説明で、いきなり『4つのモデルエリア』の一つである『夢洲・咲洲地区』の資料を提示するのは不適切です

まずは基本的理念の確認が必要です

おおさか環境ビジョン
はじめに、理念と目標、大阪市の環境にかかる特性、今後の施策の方向性(PDFファイル)
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2622994/www.city.osaka.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000102/102574/32-1.pdf

京都議定書で2012(H24)年までの温室効果ガス削減が目標がかかげられましたが、その区切りの年を迎え、さらなる目標を設定したのではないかと思われます

おおさか環境ビジョンでは大阪市全体の幅広い分野で温室効果ガス排出量削減の取り組みの理念、方向性(ビジョン)が定められています


重要なのは『夢洲だけでなく、咲洲も含めて環境政策にカジを切るよ』

文章として意味不明ですが

恐らくこれは、

  • 咲洲メガソーラーは環境局も関わるべき案件だ

  • 副市長案件になるのは自然な流れだ

単にこれが言いたかっただけなのではないでしょうか



「関西イノベーション国際戦略総合特区」についての無理やりな資料引用はみっともない


他方で、2011年12月22日(橋下氏当選直後)大阪市では先んじて申請していた「関西イノベーション国際戦略総合特区」というものにも指定されています。

この中でも夢洲咲洲エリアが環境施策の目玉地域であることが大々的に謳われています。

これは本当にオイオイと声を出して突っ込みました

夢洲咲洲エリアが環境施策として取り上げられています
夢洲咲洲エリアが環境施策として紹介されています

のような表現ならわかるのですが

『目玉地域であることが大々的に謳われています』


ジョリーさんが引用している資料について説明します

国際戦略総合特区の指定申請を行いました
総合特別区域指定申請書(概要版)
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3480837/www.city.osaka.lg.jp/keikakuchosei/page/0000141938.html

より詳細な資料もありますがページ数が多く私も全部は読んでいません
ジョリーさんが紹介した概要版を参照します

資料は7枚あります

1枚目
2枚目
3枚目
4枚目

この5枚目の資料は『用語集』です
用語集の一部が引用されています

5枚目
6枚目
7枚目

夢洲咲洲エリアは7枚の資料の1枚、用語集の一部で紹介されているだけです

資料を見てどのように評価するのかは自由ですが

物事には限度があります

私にはこの資料が

夢洲咲洲エリアが環境施策の目玉地域であることが大々的に謳われています。

とはとても思えません

と言うより、ふざけてます



おおさか環境ビジョンと咲洲地区スマートコミュニティ実証事業は位置付けが全く違います
比較できないものを比較して何が言いたいのでしょうか


咲洲地区スマートコニュニティ実証事業について次の様に述べています

重要なのは、平松市政よりあらゆる場面において夢洲・咲洲が重点的な環境政策エリアであるとガチガチに固められてきたという点でしょう。

『平松市政より』の意味が不明ですが、おおさか環境ビジョンの説明で

平松市政であったことに注意

と書かれていたので『大阪環境ビジョン』の事なのでしょう

平松市政より

と書かれていますが

平松市政より○○

○○が見当たりません

関西イノベーション国際戦略総合特区の説明での記述です

『他方で、2011年12月22日(橋下氏当選直後)大阪市では先んじて申請していた「関西イノベーション国際戦略総合特区」というものにも指定されています。』

ここで橋下氏の名前が出てきます

咲洲地区スマートコミュニティ実証事業は2011年12月22日より後の2012年4月3日なので
意味するところはおそらく

『咲洲地区スマートコミュニティ実証事業は橋下市政での案件』

すごいステルス技です

大阪市職員はステルス技が得意みたいです


つまり

咲洲地区スマートコミュニティ実証事業

おおさか環境ビジョンよりも

あらゆる場面において夢洲・咲洲が重点的な環境政策エリアであるとガチガチに固められてきた

そして暗に(=ステルス主張

橋下市政が平松市政より優れている


ところが

咲洲地区スマートコミュニティ実証事業』について
2011(H23)年2月8日に報道発表されています

スマートコミュニティ実証事業を実施します
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8347467/www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/seisakukikakushitsu/0000110402.html

2011(H23)年8月5日には企画提案審査も終わり事業計画が固まっています


この時はまだ平松市長です
ジョリーさんの発想で言えば咲洲地区スマートコミュニティ実証事業は平松市政の事業です

平松市政より平松市政が~

みたいな事になってしまいますね


そもそも『おおさか環境ビジョン』は

『環境先進都市にに向けた4つのモデルエリアでの実践』を決めています

おおさか環境ビジョン
環境先進都市に向けた四つのモデルエリアでの実践(PDFファイル)
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2622994/www.city.osaka.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000102/102574/32-5.pdf

森之宮地区
うめきた
中之島地区
夢洲・咲洲地区


つまり

おおさか環境ビジョン大阪市全体

対象地区(4つのモデルエリア)

  • 森之宮

  • うめきた

  • 中之島

  • 夢洲・咲洲


咲洲地区スマートコミュニティ実証事業咲洲地区

対象地区

  • 咲洲


『おおさか環境ビジョン』は大阪市全体を対象にしていますから『おおさか環境ビジョン』が夢洲・咲洲を重点的な環境政策エリアであるとガチガチに固めてしまったらえらいことになります

『環境先進都市にに向けた4つのモデルエリアでの実践』のうち

『夢洲・咲洲での実践』

を具体化したのが「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業」と理解するのが一番自然ではないでしょうか


ガチガチに固められてきた

この表現も、具体的にどのような事業を指しているのか、私には想像もつきません

まだまだ突っ込処満載ですが、元記事が長いので一度に全部は書けません

時間が空いた時に、何回かに分けて記事にして行きたいと思います

以上


咲洲メガソーラーの違法性を追求していきましょう